カテゴリ:独り言
本日、中2生から接続詞のthatについて質問がありました。 塾生が持ってきたテキストには I think the book is important. という文があり、 上記の文は、I think that the book is important.の接続詞thatが省略された文である という解説がなされていました。 それで結構です。以上、本日のブログでした。 以下はどうでもいい話ですので、良い子の皆さんはテスト勉強へ戻ってください。
ところで、 I think the book is important. のような文は、接続詞thatが省略された文であるという認識は歴史的には正しくありません。
I think the book is important.・・・A文 と I think that the book is important.・・・B文 は別の文ということです。 A文は、I think:the book is important. という2つの独立文から出来た文であり、 B文は、I think that:the book is important. という2つの独立文から出来た文です。 B文のthatは本来「指示代名詞」であり、前半文(I think 側)に属していた単語ですが、時代が経つにつれて「指示代名詞」としての役割が弱まっていき、あたかも後半文(the book is important)に属するように感じられ、いつの間にか「指示代名詞」から「接続詞」に変化したものです。 A文とB文ではニュアンスが異なり、特に節の接続関係を明示するためにはthatを省略してはいけない場合(略)も多々あります。 ちなみに、thatが省略されるのは、口語の場合や特定の述語動詞の場合(略)です。
参考文献 イエスペルセン「A grammar of Modern English」(←さすがに、この書物だけは図書館で読みました)
※なお、「関係代名詞の目的格が省略された文」と「接触節の文」も、実は歴史的には全く別の文であり、驚くことに、前者よりも後者の方が最初に存在していたというのが事実です。つまり、「接触節の文(A文)」が時代的には最初に存在し、その後時代が進むにつれて「関係代名詞の目的格の省略された文(B文)」が登場し、そのA文とB文が偶然一致したに過ぎないわけです。
※I think thatについては、3年前にも書いていますが、毎年中3クラスにthatが5つ入る有名な文を訳してもらっています。thatには、指示代名詞、関係代名詞、接続詞などさまざまや役割がありますが、これらを正確に訳し分ける文法力は、今後重要になってきます。
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最終更新日
2014年06月23日 22時39分00秒
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