カテゴリ:独り言
◆都立理科の出題ミスですが、今度徐々に大きな問題になっていくと思います。 都教委は、早くミスを認めて対応しなければ、いずれ今以上の大きな問題になるでしょう。 この問題によってボーダーライン上で合否が入れ替わっているケースはおそらくあるだろうと思っています。実際に、「正解をウとした場合に合否が入れ替わるのかどうか」のシミュレーションをやっている都立高校も中にはあるかもしれません!?
◆先ほど改めて問題を確認してみました。 今回問題になっているのは大問3の問1ですが、よくよく他の問題も見て見れば、大問1の問(1)も地学の専門家からすると、相当おかしな図です。地学の専門家の方によれば、この模式図は双眼実体顕微鏡による模式図ではなく、この問題自体もおかしな設問であると・・・ さらに、大問1の問(6)に関しても、おかしいという指摘がありました。 つまり、「地学分野全般について、大きな問題あり」というのが今回の都立入試です。
◆地学分野のミスは2年前にもありました。しかし、この時は「都立入試の採点ミス」も同時に問題になった年でした。 その結果、採点ミスに関しては、新聞をはじめとした各種メディアで大きく報道されたことで、様々な改革(改悪?)がなされました。マークシートが導入され、記述問題も大幅に減らし、試験日から発表日までの期間も延ばしました。 一方、不幸なことに、理科の出題ミスについては、採点ミスの影に隠れ、うやむやなまま終わってしまった感があります。 その結果が今回の出題ミスに繋がったとみて間違いないでしょう。
◆東京都作問委員会および都教委は、今すぐに改革に乗り出すべきです。 理科の問題を作成している方がどういう人物(組織)なのかは今イチ不明です。(試験問題の印刷が府●刑●所で行われているというのは聞いたことがありますが…) しかし、これだけおかしなミスが出てくることから推理すると、おそらく作問委員の中に高校理科の先生が入っていないということが予想されます。すなわち、都立入試の理科を作問しているのは、中学校の教諭出身で現在は都教委に勤めている方ではないかと・・・。 (中学校の先生は、もちろん理科専門の方なのですが、物理・化学・生物・地学の全てにおいて専門というわけではありません。まして、地学は天文・地層・天気など幅広い分野から成り立つため、全てに精通することは大変難しいのです。)
もし仮にですが、中学校の先生や都教委の指導主事の先生方が問題を作られているとするならば、 問題作成後に、地学の専門家や都立高校の地学の先生方に点検してもらうようなシステムを今すぐ構築すべきです。
また、模試会社や塾組合などの外部団体が、その年の都立高校入試の講評を行い、その講評を元に次年度の入試問題へフィードバックするようなシステムも構築すべきです。 さもなければ、きっと再び「同じような大問題」が繰り返されるはずです。そうです。今回の問題は「大問題」なのです。その自覚が都教委になるのか甚だ疑問です。
なにより、東京都の見解がひどすぎます。この見解に対して、多くの地学専門家の方が呆れていることでしょう。東京都は、全世界に向けて恥を晒しているという自覚はあるのでしょうか。とにかく、専門家によるチェックをすぐさま受けるべきです。
※やってることは小●方さんと大して変わりないですよ。 「イの位置に金星はありますっ!(涙目)」 ※もう1つ。都立入試の理科ですが、出題ミス以前の問題として、日本語がおかしいです。この件についても、多くの先生方が批判しています。
◆ところで、現状では地学教員が不足しすぎていることも問題です。 今年、当塾から合格者が出た都立高校だけで見ても、地学専任の教員がいらっしゃるのは、日比谷・戸山・立川・富士の4校のみだと思います(もし違っていましたら、後日訂正します)。 ●●高校は地学の先生は講師の方のみ。 ●●高校は中学部にしか地学の先生がいません。 ●、●●、●●●●は地学の先生が在籍していません。 ●●、●●については、ここ数年地学の授業が行われていない模様。 サンキタも、地学の先生がいらっしゃるのは確か1校のみ。
すなわち、都内の高校生達は「地学を習いたくても習えない」という状態になっております。 その上、地学はセンター試験でも得点調整がなされることが少なく、不利な受験になりがち。 結果的に、日本人の地学離れはますます進んで行くという状況です。 3.11の震災、H26年8月の広島土砂災害。地学の知識がないために命を落とした方もきっといらっしゃるはずです。都教委は地学の教員を増やし、必修化すべきです。→こちらもご参照ください。 都立高校は、近年、受験指導に過度に力を入れるあまり、予備校化している印象があります。あくまでも公教育という立場なのですから、受験指導ばかりでなく、地学教育にも力を入れてほしいものです。
閑話休題。
話が逸れましたが、 都教委に望むべきことは (1)今春都立入試における合否判定のやり直し (2)都立入試理科の改革および専門家による監視機関の設立 (3)地学教員の大幅増員
以上3点です。
◆いずれにせよ、もうしばらくすると、大手塾、個人塾、模擬試験の会社、各学会などから一斉に批判が出てくるかもしれません。都教委は早めに対応しないと、取り返しのつかないことになります。 試しに、ツイッターで「都立 理科」で検索してみると、専門家や識者の方によって多くの批判が書かれています。完全に答えはウなのですから、都教委は一刻も早く訂正すべきです。 私も明日から動き始めます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016年03月08日 02時11分40秒
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