水平線とは
数年前、水平線までの距離の求め方について計算してみたことがあったが、当時はパソコンの技量も未熟だったため、数式のうまく書けず、図解もできず、非常にわかりにくい説明しかできなかった。技量も少々上達したので、今日は図解入りで解説しよう。 図で、地球の半径を r(6,400km)高さを n(km換算、10mは0.01km)求める距離を x(km)とすると、以下の式が成り立つ。 (n+r)2=x2+r2 x2=2nr+n2 なお、ここでは n2は限りなくゼロに近くなるため、x2≒2nrとみなすことができる。よってx≒√2nr により計算できる。 n=5m=0.005kmの場合、x2≒64(64+0.000025)、x≒8kmとなる。 この関係から分かることは、nが2倍になれば xは√2倍、4倍になれば2倍(√4倍)、1/4なら1/2になるということだ。 n=10mなら x=11.314km、n=20mなら x=16km、n=1.25mなら x=4kmである。 高さ5mで距離8kmの関係を覚えておけば、概略計算の目安となる。 さて、これができてみると、「富士山はどこまで見えるか?」という問題にも光明が見えてくる。図2をご覧いただこう。 ここで hが富士山の高さ3.776kmである。先ほどの計算により、富士山から水平線までの距離 yは約220kmと計算される。nの高さを設定すれば xの値が算出されるので、x + y が求める距離となる。ちなみに、標高500mの山なら xは約80km、つごう300km離れた場所から見えるという計算だ。富士山から概ね100kmの東京スカイツリーの位置では、展望台に上がらなくても富士山が見えるというこになる。 ただし、図からもお分かりのように、この計算では視線が水平線上を通過している。つまり、視界に遮るものがなにもない場合にこの距離になるということだ。従って、高層ビルの建ち並ぶ東京都内からでは、平地から富士山を眺めるのは非常に困難だ。その意味ではスカイツリーの高さは大きな武器だろう。あの高さに上がれば、都内の高層ビルが視界を遮る恐れはない。 また、南アルプスや北アルプスに遮られる日本海側からはまったく富士山を見ることはできない。富士山の手前に2000m級のアルプスが立ちはだかるからだ。富士山可視マップによると、東は群馬・茨城県、西は三重県、南は八丈島からも富士山が見えるという。 しかし、見えればいいってもんでもありませんよね。やっぱり富士山は、我がふるさと静岡からが一番ですな(あと3枚)。