親不孝日記

2010/09/01(水)07:47

属国 米国の抱擁とアジアでの孤立 ガバン・マコーマック その1

  属国   米国の抱擁とアジアでの孤立ガバン・マコーマック凱風社 以下抜粋 1990年6月、日本は米国に対し10年間で430兆円を公共事業に投資すると約束した。 小泉政権の特質すべき点は、「都市型貧困層と、低賃金に甘んじて食から食へ漂流しそこから脱出する望みもない若年労働者」を生み出したことだ。 王国の背景には帝国が隠れていた。郵政民営化は常に、日本に政策変更を迫る米国の要求リストの上位にあって、数十年に渡って米国が日本に要求してきたものである。「構造障壁イニシアティブ」(SII)と名づけられて1989年に始まった。ある政府関係者はそれを「第二の占領」に等しいと表現した。 郵政民営化はブッシュ政権が待ち望んだ金脈であり、米政府のイラク派遣を支え帝国の政策に協力する、更なる大きな一歩だった。 自民党は、・・ある意味で原理主義的な政党に姿を変えた。そして、憲法と教育基本法を改定し、ケインズ流土建国家ーすなわち富を地方に再配分する「日本」方式を、ハイエク流ネオリベラリズムに基づく米国型原理に置き換える方向を明らかにした。自民党の政策となったのは、日米同盟を絶対優先事項に設定し、そこに規制緩和と企業の合理化と労働者のリストラを盛り込んだもので、異論や反論の余地はなかった。 全体として見れば、自民党はかつてないほど財界の影響下に置かれた。財界は一丸となって小泉流ネオリベラリズム「改革」への指示を表明した。 冷戦中ワシントンから東京に与えられた各種の助けや励ましによって、日本では労働運動・学生運動・市民運動など市民の力が、おそらく世界中どの資本主義社会より大幅に、失われていた。小泉はこれに助けられた。連合加盟組合員は約700万人だが、その3.5倍に相当するおよそ2500万人は、パートタイマーや契約労働者、あるいはフリーター、ニート、失業者、生活保護受給者であり、彼らを代表する議席は国会にはない。 「選挙改革」も今では、実際に腐敗を減らしたのではなく、むしろ改革への道をふさいだと見ることが出来る。   

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