日常の小さな幸せ

2005/11/18(金)10:44

米国人のマンション購入日記 in Tokyo

年末調整の書類と言えば、銀行からの借入残高証明。 「こんなにローンが残っているのか!」と、私は改めてびっくりしました。 去年組んだばかりなんだから、当たり前です。 しかも、35年ローン。どうする? (どうしようもありませんってば。) 4年前、米国から東京へ戻ってきたばかりの頃です。 駅から徒歩10分以上はダメ、インターネット用のケーブル付きで、3LDKで70平米以上、新しく働き始める会社まで乗り換え無しで30分以内。 いろいろ注文をつける夫。 不動産屋さんで調べてもらったら、思った以上に家賃が高い。 それなら、いっその事、購入しようか。 という事で、銀行へ相談に行きました。 4年前、銀行に入り、真っ直ぐ住宅ローンのカウンターへベビーカーを押していく私と夫。 融資カウンターのお姉さんは、困ったようなかわいい笑顔で、私に聞いてきました。白人である夫は、外国人である可能性大だからです。 「恐れ入りますが、ご主人は外国籍でいらっしゃいますか?」 はい、米国人です。でも、私は日本人です。専業主婦ですが。 「永住権はお持ちでいらっしゃいますか?」 いえ、持ってないです。 「申し訳ございません。永住権がないと、審査対象外になりまして…。」 カウンターの席を勧められる事すらなく、私達は銀行を後にしました。 そうかー。永住権ないと、審査すらしてもらえないんだー。 他の銀行も手当たり次第、当ってみましたが、同じような対応でした。 …諦めました。日本での住宅購入は、私達には無理っぽいよ、と。 ちなみに、ここで言う「日本の永住権」とは、「米国のグリーンカード」のようなもので、永住権が取れたからといって日本国籍が取れたという意味ではありません。 米国のグリーンカードが取れたからといって、米国市民権が取れたわけではない事と、同じですね。 日本の永住権が取れても、戸籍がもらえるわけでもなければ、住民票をもらえるわけでもありません。 もちろん、俗に言う外人カードも持ち歩く必要もあるし、日本国外に出る時にはre-entry permitのような物が必要になります。 そんな事があってから、3年が経った去年の9月の初め、小雨が降っていた週末の事です。 夫と娘と3人で、近所に買い物に行きました。 通りかかった4階建てのマンションの前に、「モデルルーム」と書いてありました。 このマンション、建ってから大分経つよね。あ、4月に建ったから、もう半年だ。 えー、3戸も残ってるよ。 駅から7分、立地は悪くないと思う。この辺に住んで、私達もう3年だから、それはわかる。 と、いう事は、この3戸残ってる部屋は、相当、悪い条件なんじゃない? 雨宿りがてら、中、見せてくれないかなぁ。 どうせ、営業の人も夫を見たら、「こいつらは買えない。」と思って、私たちの事なんて、まともに相手にしないよ。 ということで、初めて販売中のマンションに足を踏み入れました。 おぉー、これがモデルルームかぁ。感動だぁ。 残っている部屋は、ひとつは2階の南と西に面した角部屋の2LDK。 残りの二つは南と東に面した角部屋の4LDK。2階と3階で、同じ場所の上下になります。 …どこが悪いのかわからない。私って馬鹿なのかも…。 と、私が不安がっているのに対し、夫はこの3階の4LDKに一目惚れ。 営業のお兄さんもセールストーク、ガンガン飛ばします。 すごいです。止まりません。 この2人を放っておいて、私は1人で一生懸命、この部屋がどうして売れ残ったかを考えていました。 恐らく、価格の設定に無理があるのです。 この辺は23区内とは言っても、「第一種低層住居専用地域」がとても多いのです。 高いお金を出して、マンションを買うくらいなら、もう少し出して一戸建てを買う、って考えの人の方が、この辺では多いと思います。 うちは、夫が「悪いけど、日本の一戸建てには住めない。マンションにして。」という考えの人。 まあ、生理的に会わない物は、人間ならあるから仕方がないのでしょう。 私だって、アメリカのユニットバスには納得いかないことが多かったし。 話は外れましたが、つまり「この辺りで、この部屋に、この値段では、ちょっと無理があるでしょ?」という事が、売れ残った理由ではないかと、思います。 ところが、このセールスマンはとうとう切り札を出したのです。 値切りです。 夫は「今、ここで決めるから、もっと安くして。」と粘る。 お兄さんも必死です。どうしても、9月末の決済までにローンを組んで売買契約書を交わしたいそうなのです。 恐らく、会社の為、というより、本人の営業成績の為なのでしょう。 本社に電話したり、FAXしたり…。 どうやら、夫と値段交渉するより、本社と値段交渉をして、夫に購入即決させたいようです。 長くなってきたので、後で、また続き書いても、いいですか。(息切れ…。)

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