ロルナの祈り。
行けるうちに・・・と思って、気になる映画へGO。今日は「ロルナの祈り」へ。この映画は前々から観たいと思っていたのですが、かなり大正解でした。主役はベルギーで国籍を得るために麻薬中毒の若者と偽装結婚をするアルバニア人の女の子。で、偽装結婚しただけだった若者と愛が芽生え・・・という内容なのですが、今のヨーロッパが抱える闇の部分がしんしんと伝わってくる映画だったな。映画を観てる途中でも「こんなのヒドイ!何もそこまでしなくても!」と言いたくなるようなシーンが多いんだけど、でもそれが現実。そして、そんな酷い状況でも生き抜いていかなくてはいけないのが現実。なんていうんでしょう、登場人物の行為に対して善とも悪とも判断を下すわけでもなく、でもそれでも人間に対する愛情に満ちた映画だったように思いました。生きていくのに必死。ドロ臭く、地を這うようにして愚かに生きる人間。でも、それだからこそ人間はすばらしい、という感じ。きっと日本でもたまにニュースで観る日本国籍を得るために偽装結婚をするアジアの国の人達はこの映画と同じようなことが起こっているのでしょう。学生の頃、マイケル・ウィンターボトムの映画が好きでよく観たのですが、ちょっと似た印象でしたー。