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01. Ballybunion GC

<<2007年7月 記>>

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雨のダブリンで飛行機を乗り継ぎ、アイルランド西部のシャノンへと降り立つ


ここから目的地のバリーバニオンまでは100キロほど


名前すら聞いたこともないメーカーの、真っ赤な車の運転席に乗り込み、クラッチをつないだ





空港からバリーバニオンまでは、圧倒的な緑


日本の田舎でもだいたいに緑は多いが、ここの緑はどこを見回しても途切れることがなく、そして過去から受け継がれたこの緑が、未来永劫、緑に違いないと確信させる深みがある








車を進めるたびに、憧れの地に近づいていることを思い起こした


さあバリーバニオン、世界に誇る原始のリンクスがこの地に横たわっている


もっともコースや地元の人からすれば、本当は世界に誇る必要など微塵もなく、ひっそりと、地元のゴルファーにささやかな楽しみを与えていればそれでよかったのだろう


しかし、アメリカ人の紹介の記事で一部のゴルファーの聖地に祭り上げられ、そしてトムワトソンが毎年のように訪れたことでその地位を不動のものにしたコースだ








コースとの出会いはあまりに唐突だった


2時間ほど車を走らせ、バリーバニオンの村に入った


栄えているのはほんの300メートルほど、それを過ぎて海沿いに車を進めるとそこになだらかな丘、墓地、そしてバリーバニオンが飛び込んできた



この風景を見る心の準備なんてできていなかった



ハンドルを握りながら


『本当に俺はこんなところでゴルフをするのか?』




そして、コースの脇を進むうちに

『これがゴルフの原点なのか? これが本物のゴルフなのか?』



恐怖を感じた





原始のリンクスに不釣合いに立派なクラブハウスに足を踏み入れ、明日のスタート時間の変更を依頼した




クラブを持たずにコースに入る、、、奇妙な気分だが明日は写真を撮る余裕もないだろう


カメラを携えて、コースを少し歩いてみた


『これが昔から行われているゴルフというゲームなのか!』その思いはさらに強くなった


海からは容赦なく風が吹きつけ、写真を撮るためにじっと立つことさえままならない


『本当にこんな風の中でゴルフをするのか?』






そんな中、冷たい雨にズブ濡れになりながら、男たちが肩にゴルフバックを食い込ませ、口を固く結んで通り過ぎていく






だれもが真剣にゲームをしていた


『明日は俺の番だ』







独り夕食をとりに街に出た


バーのカウンターに腰掛けてギネスを注いでもらう


寒い中歩いてきたのに冷たいギネスがなぜだかうまい





空腹を覚え、バーの特性のシチューをかき込んだ

大きな皿にマッシュドポテトの山がいくつか、クサミが抜けていない牛肉がゴロゴロ、そして野菜が少々の無骨な料理だが、体を温めるには十分だった





後ろのテーブルではモンタナからやってきたという陽気なアメリカ人たちが騒いでいる


彼らの帰り際にウィスキーのショットをおごってもらった




今までウィスキーを、うまいと思ったことはなかったが、それは体を駆け抜け、内側から燃え上がるゴルフへの情熱のように僕の体を熱くした







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原始リンクスには不釣合いなほど立派なクラブハウス




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junhiroが泊まっているB&B、要は民宿

なんとトムワトソンが泊まったのだと、、、彼の写真、そして彼が泊まった質素な、しかしこのB&Bではもっとも豪華な部屋を案内してもらった


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雨と風の中を進む



寒さで目が覚めた

まだ6時前、脳は覚醒していてもう一度眠れるはずもなかった


はやる気持ちをおさえながら、朝食の時間まで部屋でストレッチをして過ごしたが、自分でも
ストレッチに身が入っていないことがわかる


朝食を終え、さあ、出発だ。 18ホールどんなに雨が降っても、風が吹いても、望むところだ



受付を済ませ、キャディマスターにキャディを依頼した



あてがわれたのは16歳のショーンという少年だった


握手をし、名前だけの自己紹介をすると

「俺はこのラウンドで、ボギーが取れれば良いので、楽にボギーオンができるようにガイドしてほしい。 そしていくつかのパーが拾えて、結果80台で回れたら望外の喜びだ」と彼に伝えた


ゲームはオーストラリア・パース郊外に住むという熟年夫婦との3サムで始まった



1番ホールは右に打ち出すと村の墓を直撃することになり、プレッシャーがかかる


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写真の右中ほどに見えるのが村の墓だ




4Wで放ったティーショットは右に出たが、墓のはるか上を越えて、ゴルフの地に眠る英霊を不機嫌にさせることだけはなんとかまぬがれた


しかし、どのショットを取っても、自分の体ではないように、ボールがまともに打てず、トリプルボギーでスタートした





2番ホールも4Wでティーショットを打つと、今度は左に巻いてバンカーにつかまった

幸いなことにポッドバンカーではなかったが、そこから多くの無駄なショットを費やし8を叩いた





続く3番ホール211Yのパー3でようやくボギーが取れたが、ボギーを取れればよいどころではなく、ダボでも相当に努力しないと取れない




思ったよりも、手強いぞ、、、




絶え間なく吹き付け体を揺すぶる風、容赦なく叩きつける雨、フェアウエイのうねりに、ウエッジ以外は受け付けないきついラフ、キャディがいなければ、どこに向かって打つのかさえわからないホール



叩く理由をさがせばいくらでもあるが、単に自分がヘタなのだと改めて思い知らされる






キャディのショーンは無駄口はきかないが、彼が父親がプロゴルファーであったこと、父の手ほどきをうけながらゴルフを覚えて、現在ハンディ8の腕前であること、他のアイリッシュのゴルファーと同様、低いドローボールを持ち球とし、フェードもドローも必要な時に打ちわけることを覚えたという




フロント9を終えて、リンクスをラウンドしている高揚感はあるものの、ボギー5つ、ダボ2、トリ1、+4が1で52と50も切れない






やはりリンクスとは手も足も出ないところなのか、、、




自分を信じたいが、違う種類のゲームをプレイしているように感じる





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バリーバニオンを見渡す丘で





10番ホールの出来事だった、横風に負けたドライバーショットは2時の方向に飛び出して丘の向こうに消えた


ショーンが『ボールは浅いラフか、そこからほんの少しのところにあるよ』と言う



『なぜそれがわかるんだい? ボールの向きかい?』と尋ねると、



『それもあるけど、ボールが浅いラフに落ちた音を聞いたよ。 転がってもラフの入り口だ』



『…』 言葉が出なかった



自分には200Y先のフェアウエイと浅いラフにボールが落ちたときの、その音を聞き分けることなど到底できないだけでなく、見えないボールをそうやって追う、『ゴルファーの本能』を働かせていなかった事に気づかされた



プロの父の手ほどきを受けたとはいえ、16歳の少年はゴルフというゲーム、キャディという職業を全うすべく全身全霊をかけてjunhiroのバッグを担いでいるのだ





なんだか、自分のニブさが惨めに思えた




一方で、心の中に他の気持ちも湧いてきた



リンクスは難しかったと諦めるのは簡単だが、なんのためにアジアの東の端から、ヨーロッパの西の端まで遥遥やってきたのか?  と、、、



打ちのめされる自分を見るためではなく、自分とゴルフの関係を見つめなおし、ゴルフの原点をこの目で見て、それを今後のゴルフに活かすためにこの地にやってきたのだ



そう、ここで自分が失うものは何もないし、このままラウンドを終えれば間違いなく後悔が残る






自問自答する。   リンクスに怖気ずくのは簡単だが、そのコースでプレイをしようとする自分の中の恐怖と戦ったのか?


いや、それはここまでできていない


ただし、Never Too Late、まだ18ホールを終えたわけじゃない


自分の心を変えるのに遅すぎることは何もない







なぜ最果ての地まで来てスコアなど気にしているのか?


そんな小さなことのためにお前はここに来たのか?



勇気を持ってドライバーショットを放ち、狙ったところにアイアンでボールを運び、パットが少しでも入ればそれ以上、何を望むというのか?






14番の短いパー3、向かい風を切り裂いてボールが飛んでいく


しかし風に負けてグリーンの遥か手前でボールが落ちた


チクショウ!  

パーは逃したがイージーボギーだった





そう、この気持ちがなければいけないのだ


相手がリンクスだろうか、河川敷のコースだろうがゴルフと対峙するのはこの自分なのだ






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15番ホール 乗せるか、飲み込まれるか


15番はピンまで220Y弱の打ち下ろしのパー3、向かい風にひるむことなくユーティリティを振りぬくと、グリーンの下の段からかけあがり、右サイドから中央に立つピンに吸い寄せられるように1ピンに寄った



バーディが取れるかも!


普段ならそう思ったことだろう

でもここでは バーディだろうが、ダボだろうか、そんなことはどうでもいい


今、目の前にあるこのパットを沈めることが自分がすべきことだ


果たしてパットはホールのすぐ左脇に止まった


弱かった  明らかに弱かった





15番にして初めてのパーは嬉しかったが、それよりもパットを思った強さに打てなかったことが悔しかった







16番、17番と果敢に打ったが、どちらも惨憺たる結果に終わった


ボールをフェアウエイに置かなければ、すぐに1打や2打のペナルティになって跳ね返ってくる








18番、バリーバニオンで最後のティーショットだった


ドライバーは快音を発して右のセミラフに落ちた


2打目は完全なブラインド、薄い当たりだっが、ショーンはグリーンに乗っているかも知れないという


縦に長いグリーンの手前にボールは果たして乗っていた


もう弱気のパットはしたくない


オーバーして3パットをしても構わないじゃないか


思い切って打ったパットはするするとグリーンを登っていき、やがてカップに吸い込まれたかに見えたが、最後に吐き出された


タップインしてパーを取った


バーディはまだ早いということだろう


しかし、自分がコースに、自然に恐れずに立ち向かって、力を振り絞った結果奪い取ったパーだった


嬉しかったし、終わり方としては最高のはずだった





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今来たホールを振り返ると鉛色の雲が垂れ込めていた



が、1番からずっとフワフワしたような気分でプレイをしたことが悔やまれる


リンクスだろうが、どこだろうがゴルフはゴルフだが、リンクスを意識して、最初から負けることを受け入れたようにプレーに臨んだ自分が許せなかった



結果は104(40)-52(20)・52(20)だった






この敵はラヒンチで取ってやる


そう思いながら、今来た道を振り返った


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距離の短いパー3も、ポッドバンカーに囲まれれば、意識は変わるものだ



<<ノート>>

バリーバニオンでのゴルフは不完全燃焼だったが、同時にショーンとの話を通じてこの村に住む人々の暮らしぶりや、ゴルフとの関わりを理解できたことは収穫だった


村には特別な産業もなく、人々が慎ましやかな生活を送っていること


そんな中でもゴルフと釣りは人々の趣味として人気があること


そう、村の人のためのゴルフ場だからこそ、ここでのゴルフは特別なものではなく、人々の生活に根ざした息抜きであることを再認識させてくれた



夕方のメンバーのティータイムの時間に合わせて子供たちがクラブを抱えて三々五々集まり、担ぎで回っていく


また生活に根ざしたものであるだけに、この地方に根ざしたゴルフの習慣やボールの打ち方があるのだということを肌で感じることができた


風を避け、硬いリンクスのフェアウェイを最大限に活かすために、低いフックボールを打つのだと、、、





別れの寂しさを感じ、そしてこの地の再訪を誓い、ラヒンチへ向かった




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このあたりだけが、ひどい嵐のようだ
向こうの空は明るい、、、






<<2011年10月 記>>

アイルランドでのラウンド2日目は、バリーバニオンゴルフコース

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一番ホールをティオフする時に誰もがびっくりするのはゴルフ場の中にお墓がある事だろう。こすったスライスだとこのお墓を直撃する事になる




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バリーバニオンはアイルランドにある数あるゴルフ場の中でも、世界的な評価が最も高いコースの一つだ。 米ゴルフマガジン社の世界のゴルフコースのランキングで17位となっている。 世界には32、000以上のゴルフ場があると言われているが、その中の17位だ

そんなゴルフ場にも悩みがあるようだ。 アイルランドは他のヨーロッパ諸国と同じく景気の低迷に苦しんでいて、ゴルフ場も少しでもお客さんを呼びたい事情がある。

夏場は世界中から、特にアメリカから多くのゴルファーも集まるが、10月ともなれば閑古鳥が鳴き、料金を下げてお客を勧誘しているのが実情。それはバリーバニオンも変わりなく、ピーク時と比べると、料金はほぼ半額。さらに、Old Courseを回るとCashen Courseもタダで回れるというオファー付き。なんだか、ショップチャンネルの宣伝みたいだ

タダで回れるっていうと、なんだかショボいコースみたいだけど、実際はロバート・トレント・ジョーンズSr.、そう日本でも多くのコースを設計しているジョーンズJrのお父さんが設計した素晴らしい評価を得ているコースだ


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この日のラウンドでは、NY州はバッファローから来たワインビジネスを営むTimとのラウンド。 一人でのラウンドを覚悟したが、彼もバディを探していたらしく二人でラウンドすることに。 ハンディキャップ12で、長身のナイスガイ。 4人の子供がいて、3人がカレッジ、下の娘は13才で金がかかる年頃だよとこぼしていた

本当は8月にアイルランドに来る予定だったが、仕事の都合で止むなくキャンセルしたとの事。ただし、そのチケットが払い戻しできなかったので、失効する前に今回訪れたのだとか。母と二人の旅行で、彼女はキラニーのホテルでのんびりしているのだとか

ゴルフ場に連絡したところ、朝早くに一人でティオフするヤツがいるので、そいつと一緒に回ったら良いとの情報を得て、朝早くにホテルを出てやってきたのだという。一緒にラウンドしてくれるバディがいるのはありがたい!



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ティムはバリーバニオンの他にもjunhiroがラウンドする予定のOld Headを回ったとの事。感想を聞くと、霧が酷くて何も見えなかったのだとか。ラウンドの翌日は時間がなくプレーができなかったが、スタッフがカートでコースを回ってくれてコースの素晴らしさを確認できた他の事。Junhiroが回る時にはぜひ見通しがきく状態でラウンドしたいものだ


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junhiroについてくれたキャディのフィリップは24才の巨漢で、縦もデカければ横もでかい。もちろんバリーバニオンのメンバーでハンディキャップは11だとか。ドライバーはまともに当たれば320Yほど飛ぶそうで、このコースではドライバーはいらないのだとか

Timがあるホールで彼に打たせるとボールは雲に吸い込まれてあっという間に見えなくなってしまった。それでも当たりがイマイチだったのでTimが300Yオーバーは認められないなぁ、まあ299Yかなと皆の笑いを誘った


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2ホールほど消化すると、強めの霧雨が降り始めてあわててレインウェアを着た。この写真のように、局所的に雨が強く降っている場所があるのがわかる。この旅のために新しいレインウェアを購入したが、やはり新しいものは撥水もよく快適だ。ちなみに予報では雨ではなかったが、一日に四季があるこの土地では甘んじて受け入れるしかない




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4年前のラウンドでは特にフロント9でドキドキ、フワフワした感じでラウンドしてしまった後悔があったが、今回のラウンドでは落ち着いてラウンドできたように思う。特にフロント9では8番まで6オーバーで来ていたので期待したが、最後の9番でダブルパーの8点で万事休す





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バック9では疲れが出てきたのかダフりが増えて、精彩を欠くショットが増え50点となり、都合96点だった。 それでも前回からは8打改善したので、次に回る機会があれば80台か?


4年前にラウンドした時と比べると飛距離が落ちている事に改めて気づくが、ドライバーが思ったよりも振れて楽しいラウンドとなった


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トップスタートでサクサクと3時間でラウンドを終えた。まだ時間も早かったので、TimにOld Courseを回ると、Robert Trent Jones Sr.が設計したCashen Courseが無料で回れるので一緒に回ろうと誘ったが、母が待つホテルに戻らないといけないとのことで固い握手をして分かれた




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15番のパー3はつい写真を撮りたくなる。 行く道がアスファルトではなく土であることがなんだかホッとする






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バリーバニオンにはOldコースとCashenと呼ばれる新しいコースがある。前回の訪問ではOld Courseのみのラウンドだったが、今回は初めてCashenを回れることになっていて、ドキドキしていた。こちらのコースはロバート・トレント・ジョーンズ・シニアによってデザインされ、1982年に開場した比較的新しいコースだ



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Oldコースでのラウンドを11時過ぎに終えると、1時間後のスタートに備え、食堂でBLTサンドイッチとアイスティーをいただいた。その間に、フェースブックでも写真をアップし、進行を簡単に伝えると、日本からだけでなく、アメリカのカメちゃんからもコメントをいただいた。リアルタイムでやり取りができるのがソーシャルネットワークの良いところだ。特に一人でいる身には、そうした繋がりが心強い


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食事を終え、プロショップで雑談をしていると、ショップの人がしきりにカートでのラウンドを勧める。曰く、「お前は既に18ホールを終えて疲れている。さらに、これからCashenをラウンドしようとしている。Cashenは、ホール間が長いだけでなく、Old Courseなんて殆ど真っ平らに感じるくらいアップダウンがあるんだぞ。悪い事を言わないからカートにしておけ」と。実のところ、キャディに担いでもらえればOKと思っていたがキャディが出払っておらず、しかも一人でのプレーなのでルーティングにも不安があり結局カートを借りる事になった。ちょっとした、罪悪感のようなものもあったのだけれど、、、



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カートの鍵を渡す時に「カートを横転させたり、カートから落ちないように気をつけろよ」と言われたが、その事情をわずか数ホールにして理解した。カートの誘導路に沿って行くと、どう考えても上りきれないと思う坂や、絶対に傾斜に対して垂直でないと体を支えきれない下り坂があちこちに出現する。日本ではこの状態でゴルファーに運転させる事はあり得ないと感じた

またプロショップで言われたとおり、ホール間が長い事もそうだが、コースのルーティングがわかりにくく、これを担ぎで歩いていたら迷う事間違いなかったと思う。次回はぜひキャディを雇ってまわりたい。あるいはルーティングはある程度、理解したので担ぎだろうか。手引きもこれだけアップダウンが多いとかえって負担になりそうだ


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Cashenの印象はアップダウンが多い事の裏返しでもあるが、ホールを見渡す美しい景観が多く、写真を撮りたくなるポイントがたくさあった。一人で球を追いながら、こんなところを「ら、」の仲間と回ったらさぞかし楽しいだろうなぁと想像した。でも、4人のパーティは重そう(進行が)なので、3人が良いかな、などとあらぬ事を考えていた

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コースは16番、17番と美しい海沿いを行く。雨の気配もなく、後ろから追いかけてくる人もない。前には一人、手引きカートで回る人がいるが、お互いに着かず離れずのペースを保って、瞬間瞬間のホールを独り占めして楽しんでいた



18番は海側からクラブハウスがある内陸に向かって戻るレイアウトで、ダラダラと上って行く。そして、最後のアプローチショットは急勾配の崖を打ち上げてグリーンに乗せ、バリーバニオンの36ホールでのプレーを終えた


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プレーを終え、クラブを積み終えるとカートの鍵をプロショップに戻し、グッズを見て回る。カートを仕切りに勧めた兄ちゃんがウィンクしながら「カートがあって良かっただろ」と笑って話しかけてきた。そこへ、ここのメンバーだと言う70見当くらいの男性が会話に入ってきた。日本から来たというと、地震・津波の被害の復旧・復興と、放射能の状況について話を切り出してきた。今回の旅行中、様々なゴルフ場でjunhiroが日本人とわかるとこの質問を受けたが、世界の人に与えた衝撃がいかに大きかったか、そして日本を心配してくれているかがわかる


OldとCashenの両コースを終えた印象は、どちらもとても味のあるコースで、もしまた来る機会があれば必ず両方を回れるようにスケジュールの算段をするだろう



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さて、今回のバリーバニオンでも、前回と同様にCashenコースの脇に建つThe 19th Lodgeに泊まった。ここはトムワトソンがバリーバニオン訪れる時に定宿らしい。ここのおかみさんのメアリーは本当に良い人で、色々なお願いを嫌な顔ひとつせずにせっせとこなしてくれる。昨晩も、洗濯物がたまってきたので、そろそろ洗いたいと思って洗濯機を貸してくれるようにお願いしたがゲスト用のものは残念ながらないとのこと。でも「預けてくれれば、町中のクリーニング屋さんに持っていって、ラウンド中に引き取ってあげる」という



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ラウンドを終えピックアップに戻ると、クリーニング屋さんに催促の電話を何度かしてくれたものの、まだ仕上がっていないのだとか。「ちょっとロビーで待っていて」と言い残し、町まで車を飛ばして洗濯物のピックアップに出てくれた。そして、マージンを一切乗せずに、原価で良いという。もちろん少しの心付けを渡した


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メアリーがピックアップに出ている間、ロビーでモスクワに住んでいるという石油業界に勤めるアメリカ人としばし歓談。同じ会社に勤めるアメリカ人でソウルに住む同僚と、ニュージーランド人でオランダに住む同僚の3人で、しばしの休日をリンクスで楽しんでいるのだとか。この週明けにはロンドンで会議との事。エネルギー業界は人の動きもとてもダイナミックなようだ


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ふたりでバリーバニオンのことや、他のコースのことを情報交換する。リンクスに来るとハードコアなリンクスゴルファーがたくさんいて、様々な情報交換ができるのが楽しみの一つだ。あそこは行っておくべきだとか、評判ほどではなかったなどという話がすぐに始まる



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彼との談笑を終えると、次の目的地であるトラリーに向かうも、泊まるロッジがみつからず難儀する。レンタカーに搭載されているナビが最短距離をベースに狭い道を案内するので街道沿いのロッジが見つからなかったのだ。あたりが暗くなり、不安が増す頃に、ようやく宿にたどり着いた。



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明日はパーマーがヨーロッパで最初にデザインし、そのレイアウトと景観の両方から高い評価を得ているTralee Golf Clubでのラウンドだ!




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