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カテゴリ:教育・学習
「ものつくり」とはどういうことなのか、皮相的には形のある目に見えるものを作ること。 形の無いもの、典型的な例はソフトウェア。 これに対して目に見えるものはハードウェア。 目に見えるハードウェアの底には、ものつくりのノウハウというソフトウェアが潜んでいる。 園芸が好きで、ある本で「水はけがよく、水もちのいい土を造ることが肝要」という説明を読んだとき、何??と表記の矛盾が先立ち、なかなか理解できなかった。 3年くらいしてからようやく分かった。 植物の根も呼吸するため、空気が適度に土中に循環しなければ成長がかんばしくないということ。 また、欲張って苗を密に植えると成長が阻害される。 植物には風と太陽と水が大切なことを知った。 農業の基本だろうと思う。 工業:電子計測器の販売に30年近く携わってきた。 開発部に配属された後輩が名言を吐いた。 優秀な開発エンジニアの技量とは、使用する電子部品の性能を最大限引き出すこと。 商業:江戸時代から続く老舗の百貨店に、同じ販売業でもスーパーはかなわない。 素人には分からない仕入れ、ものに対する目利きのノウハウを持っているのだろう。 古代中国の絹や、陶磁器の製法。有田焼きの柿右衛門の赤など、・・・多くの 門外不出とされるノウハウが「もの」の裏にある。 有用なノウハウは次第に広まる、盗まれる。 しかし、ノウハウは言葉や図だけでは伝えきれない要素が多分にある。 団塊世代(私もその尻尾にかまえているが)リタイヤ元年。 自分が社会で得てきたノウハウを後輩一人にでも伝えることができただろうか? 皮相的な「もの」や「情報-ノウハウ」があふれている。 欠けているのはそれに対する「感動、喜び」。 営業支援で、ある大学をまわったとき電気実習室に入った。 測定器なんぞは一切無い。あるのはパソコンだけ。 シミュレーション実験で済ませている。バーチャル体験というやつである。 別の研究室に飛び込んだ。 助教授は学生に単純な半導体(ダイオード)を作らせ、自らが作ったそれの特性を測定させレポートを提出させたい・・・許可を得て座り込んで話し込んだ。 実体験での感動が興味をさらに発展させる筈と、助教授の指導法にこちらが感動したから。 老いに入りつつある今、自慢話でなく饒舌でもなく淡々と感動した経験を伝え、さらに新たな感動の機会が得られていけたらと、欲の深いことを考える。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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「水はけがよく、水もちのいい土」は経験がないと分からないですね。
なんじゃもんじゃジュンさんが工業・電子計測器の分野で「感動した経験を伝え、さらに新たな感動の機会」をつづることは、面白く有益なものになりそうです。たのしみ、タノシミ。 (2007.05.02 06:27:54)
こんにちは。
特許とか科学等私の頭の中には全然ないんですが、分からないなりに楽しく読まさせてもらってます。 (2007.05.02 14:20:53) |