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2005.03.24
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カテゴリ:カテゴリ未分類
昨日の記事で書いたamazonから届いた本。

そのうちの一冊が、これ。

レイコ@チョート校―アメリカ東部名門プレップスクールの16歳

レイコ@チョート校:岡崎玲子著

ここからだとamazonのサイトにリンクするとエラーが出るみたい。メインサイトのほうであとで紹介文載せておきます。


留学体験記である。

紹介文を見て興味を持ったのだけど、著者の岡崎玲子さんは、出版当時(2001年)なんと現役高校生。手っ取り早く裏表紙の略歴を引用させてもらいます。

○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○

岡崎玲子(おかざきれいこ)

1985年兵庫生まれ。米カリフォルニア州や中国広州市で幼少期を過ごす。小学校6年生時に英検1級を取得。静岡県浜松市の公立中学1年生時にTOEFL670点、2年生時にTOEIC975点を獲得し、また国連英検特A級を取得する。2000年、全米トップ3に入るといわれるプレップスクール(寄宿生私立高等学校)、チョート・ローズマリー・ホール校に合格し、中学3年生の9月にチョート校2年生として入学した。

○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○

…と、すごい人ですな。

ちなみに、このチョート校、故ケネディ大統領の母校だとか。地理的に、先日の記事で紹介したGilmore Girlsの娘役が転校するChiltonという高校が、やはり競争の過激な進学校として描かれていて、モデルはこの学校なのかな、と思ったりする。

全米トップのエリートの卵が集まる進学高校に入った秀才日本人が、内部からその様子を紹介…ってことで、興味深々だったけど、読んでみれば、ごく普通の高校生の視点で、学校の様子や寮生活の新しい驚き、不安、感動を伝えているエッセイ。嫌味なところもなく、素直にいいなあ、と思えるような内容だった。

とはいっても、授業への取り組み方、寮生たちとの交流などを主観、客観交えて読者を引き込むような書き方をしているところは、さすが。小学校で英検一級とか、TOEFL何点とか、そういう定規では測れない、人間的なすばらしさもあちこちに垣間見えた。

高校で一年交換留学、大学で寮生活を体験した自分としては、授業内容や寮での生活は大学時代を、クラブの遠征なんかの場面は高校で留学してたころを思い出させてもらった(レベルはぜんぜん違うけど、みんな高校生なんだなあ、って思ったり)。また、メールで宿題とか、家族が日本からネットで誕生日のケーキを注文して寮までデリバーしてくれる、なんて、当時じゃ考えられないことも。

アメリカの名門大学への留学を目指している人にはぜひ読んでもらいたい。そうでない人も、これを読めば、世界のトップに立つような人間は、どのような環境で教育を受けてきているのかが垣間見られて、結構面白いかも。

やはり、興味のあるのは日本の高校との比較。日本にも、超難問の私立進学高校ってあるけど、そういう学校って、基本的にはテストテスト、目的はとにかく有名大学入試、みたいなイメージあるよね。この本で紹介されているチョート校も、そのアメリカ版といっていいんだけど、学生生活というのが本当に楽しそう。

授業は、「入試対策」というより自分で問題を見つけ、解決していく力をつけることを目標にしている。だから、歴史の人物を暗記するのでなく、「もしこのイベントが起こっていなかったら、世界はどうなっていたか」みたいな討論をさせたり、ある事件に関するレポートを書かせたりする。

一番違いが目立つのが、課外活動。ボランティア、寮の管理、クラブ活動、学校行事と、勉強以外のことに非常に力を入れている。生徒も、それを「時間の無駄」と考えず、真剣になって取り組む。こういった経験が、将来自分の意思を貫いて、率先して行動を起こす「アメリカのリーダー」を生む基礎になるんだろう。

だから、例えば、日本の有名進学高校に在籍する学生にとっては、志望大に入れなかったらそこで負け、4年間の学生生活は全て無駄だったことになる。対して、アメリカのプレップスクールで学んだ子達は、もちろん大半は全国トップの大学に入るのだけど、受験に失敗して(あるいは進学しないことを選択して)、新しい道を歩むにしても、学校で学んだことは、その人の人間性そのものの土台となって、あらゆる苦境を乗り越えられる人間性が身についているはず。

そう考えると、日本とアメリカでは「教育」の定義があまりに違いすぎて、比較は難しい、と感じざるを得ない。

一方、忘れてはいけないのは、両国の「国全体で見る教育」のありかただ。

本の中で語られているチョート校は、確かに日本では類を見ないすばらしさである。整った環境、レベルの高い教授や卒業生、生徒のサポートシステム…これだけ至れり尽くせりなら、そりゃ、優秀な人材が育っていくわ、と思わされる。アメリカの億万長者が、自分の息子や娘を入れて大量の寄付をしているからこそ成り立つものであり、日本でこのような学校はまず導入できないだろう。

一方で、治安の悪い町で、予算不足のためにろくな教師の確保も出来ず、金属探知機をつけなければ恐ろしくてクラスルームにも入れない高校が多数存在するのも事実。日本で、ここまでスラム化している高校も、またないだろう。

将来有望な少数のお坊ちゃんたちに集中して金をつぎ込んでエリートを育て上げ、残りはどうでもいいよ、といったアメリカの教育の姿勢も、この本から伺えないこともない。アメリカ留学にあこがれてこの本を読むのだったら、ぜひ、都市の公立学校の様子を描いた本も一緒に読むべきだろう。





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Last updated  2005.03.24 06:29:37
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間違っていたらごめんなさい   CAT0857 さん
この本を書いた本人は結局高校で「燃え尽き」てしまって、後は
転落してったんじゃなかったっけ? 本も本人が書いたんじゃないという話。
何カ所かのHPなどでフォローアップされていて、多面的にかなり情報が
一致してたので、自分は信憑性がある情報として受け止めました。

月並みな結論だけど、親が尻叩いて無理矢理エリート校に入れても
どこかで無理が来るという説。まあ、ポジティブな話のネガティブな側面も
みてバランスをとるのも必要かと思って・・・。

もちろん個人的にはどっちもどっちと思ってますが・・・。 (2005.03.24 06:11:52)

Re:間違っていたらごめんなさい(03/24)   junquito55 さん
CAT0857さん
>この本を書いた本人は結局高校で「燃え尽き」てしまって、後は
>転落してったんじゃなかったっけ? 本も本人が書いたんじゃないという話。

へえ、それは知りませんでした。

紹介文で略歴をみた時、ふつーじゃない「優等生」の体験談なんて、普通の人が読んでも共感できないのでは??と面白半分で買ってみたんですが。意外とふつーの高校生みたいだったのでかえって好感だったんです。

でも、ドロップアウトしたならしたで、そういう話こそ興味を引きますよね。何が悪かったのか、自分や学校に足りなかったものはなんだったのか…まあ、本人にしては話したくない過去に映るかもしれないけど。

「転落談」だったら、私も本出せますしね~(^^)

でも、本文にも書いたけど、たとえ「卒業」とか「有名大入学」とか、「日本をしょって立つ人間になる」といった意味での成功は無理でも、留学という体験そのものは非常に中身の濃いものだったようなので、それを生かして将来をどうするかは、本人次第なのでは。

題名間違ってました。p抜いときます(笑)。
(2005.03.24 06:45:36)

Re[1]:間違っていたらごめんなさい(03/24)   CAT0857 さん
junquito55さんこんにちは。
たぶん検索かければまだどっかのページはひっかかるかも。でも話題に
なったのはずっと前なんですよね。ちなみに「優等生系」留学生だったら
自分がいた大学に10歳だかなんだかの日本人の院生がいましたよ。
最初は教授かなんかが子供連れてきてるのかと思ってたけど。
自分で車運転できないから母親が送り迎えしてたのが笑えました。
日本で「天才ナントカくんのナントカナントカ」(すっごくあやふやな
記憶でごめんなさい(爆))という本を出したはずです。 (2005.03.24 07:36:38)

Re[2]:間違っていたらごめんなさい(03/24)   junquito55 さん
CAT0857さん

コメントありがとうございます。
著者名で検索してみましたが、本の紹介しかなかったです。(ヒットしたヤツ全部は見られなかった…)

飛び級は、アメリカでは聞かれるケースですが。
(Doogie Howser なんて、もう覚えてる人はいないだろうけど、14歳で大学院卒業して医者になったヤツが主役のテレビドラマ、当時、コンピューターで日記をつけているというのがすごく「天才」っぽかった。日本でも放映してたよね??)

○才で大学院!っていうのは聞くんですが、その子達の卒業後の軌跡をリポートするメディアがないのが残念ですね。あまり有名になったと言う話は聴かない。

(映画OutsiderにでてたThomas Howellも、13で大学卒業、十代のうちに自分の稼いだ金を全て管理する権利を親から勝ち取ったということで、当時はトム・クルーズなんかそっちのけでちやほやされてたけど今じゃうわさも聞きませんな。)

やっぱり、そういうのって、親の期待とプレッシャーが大きいような気がしますね。小学生で、将来の計画立ててこの大学に行く!なんて決定は出来ないだろうし。

飛び級で大学は行った子供が、それをエンジョイして、将来に結び付けられればそれなりに有益だろうけど、親が注目を浴びたいがために利用されるとなると問題ですね。本のほうも、お母さんが日本からはるばる授業参観に来たりと、親御さんの協力もものすごいもんだな、と思いましたが、実際、「影から娘を支える親」なのか、「高い目標を娘に掲げて、それを実行させる親」なのかは、娘である著者の側からははっきりうたわれていません。天才少年の背後には、教育ママあり、は、必ずしもあたっているとは思いませんが、そういう子たちが「燃え尽きた」あと、同じく夢破れた親はそれをどう受け止め、我が子をサポートしていくか、というのも、(母親となった今では)非常に興味ある話題です。 (2005.03.27 02:01:06)

Re:間違っていたらごめんなさい(03/24)   ブックワーム さん
CAT0857さん
>この本を書いた本人は結局高校で「燃え尽き」てしまって、後は
>転落してったんじゃなかったっけ? 本も本人が書いたんじゃないという話。
>何カ所かのHPなどでフォローアップされていて、多面的にかなり情報が
>一致してたので、自分は信憑性がある情報として受け止めました。

>月並みな結論だけど、親が尻叩いて無理矢理エリート校に入れても
>どこかで無理が来るという説。まあ、ポジティブな話のネガティブな側面も
>みてバランスをとるのも必要かと思って・・・。

>もちろん個人的にはどっちもどっちと思ってますが・・・。
-----
(2007.09.17 13:00:48)

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