テーマ:★留学生活★(629)
カテゴリ:留学-生活編
一年以上前の記事に書いたのだけど、村上春樹氏のやがて哀しき外国語再び。
英語が好きで勉強しているわけでなく、海外暮らしで必要上仕方なく使っている立場からの、けっこう投げやりな「英会話論」が、ちょっと面白いので、引用させてもらいます。 (プロの、というか、日本でトップクラスの翻訳家の言葉として読んでみると、なかなか面白いかも)
自分は、どの言語にも関わらずすごく「会話下手」なので、これにはすごく共感できる。 もともとそんなに外交的な性格ではないので、高校あたりから留学を目指して英語を勉強し始めた時も、基本的には読み書きが出来るように、という事を中心にして、会話の練習というものは、ほとんどしなかった。 会話なんて、リスニングが出来て(=相手の言っていることが分かって)、頭の中でとっさに文章が作れる文法力があれば、あとは実践の慣れでどうにでもなるだろう、と思っていたのだ。 (実際、世間でもそういっている「英語の達人」は多い) だけど、会話をするっていうのは、さまざまな言葉から話し手の意思を読んで、それにぴたっとあう言葉を返す技術が必要で、これは、英語(に限らず、日本語でも、他の言語でも)の知識があるからといって、どうなるものでもない。 (言語の知識が必要なのは当然だけど)。 冗談で相手が言った言葉を額面どおり受け取って、場違いなコメントを返したり、軽い会話の質問を真面目に考え込んでしまったり、大げさなリアクションをして会話の流れを切ってしまったり、というのは、英語で会話している日本人に多いと思う。 (一番典型的なのは、"Your English is perfect."とか誉められて、「え~っ?きゃ~。ノーノぉ~~」と照れまくり、"My English is really bad." とまで言ってしまう例。これじゃ、相手に"You are wrong"といっているようなもんで、相手がどう返事していいか困ってしまう。"Thanks, I wish I could communicate better, though."とでも返事をすれば、そこから話が発展しやすいんだけど) 英語のレベル、というより、ユーモアのセンスとか、異文化理解とか、そして何より、会話そのものを操る能力に大きく関係しているので、英会話がぎこちない人というのは、日本語で会話してもどうも話がかみ合わない人が多いのでは。 そうなると、英会話できないから、と英語を勉強するのは、見当違いで、まずは会話センスを身につけろ、ということになる。その上で、日本の会話のテンポと海外の会話のテンポの違いとかを勉強(これは、実践に拠るところが多いけど、内気な人には海外のドラマやトークショーなんかお役立ち)、そして英語力、という風になるんだろう。 自分も、メキシコに来て6年目になってしまったけど、普段コミュニケーションするのが5歳と2歳の子供だけで、普通の大人と10分以上の会話をする、という事がないので、たまに話をするとものすごく疲れる。 言ってることはほぼ理解できるし、普通の会話するくらいの語学力はあるのだけど、相手の言うことに、どういう風に答えるのが適切なのか、という手ごたえがさっぱり分からないまま会話をするので、神経が磨り減るのだ。 大学に留学していた頃の英語力のが、いまのスペイン語よりはなかったのではないかと思うけど、学生同士の会話のテンポが身についていたので、自分のできない英語を、そのテンポに合わせる、という事はできた。 それで、英会話も上達したけど、例えば今、社会人のアメリカ人とビジネスの話をしろ、と言われると、自分が身につけた会話のテンポとはまた違ったものになるので、英語の知識自体はあるにしても会話はやっぱり疲れるし、場違いな事を言うと思う。 こうなると、外国人と上手くコミュニケーションをするには、というと、村上氏のいうように、性格的傾向から直していかないといけないんだろう。言語の違いに関わらず、進んで違うタイプの人たちとの会話に積極的に参加して、自己表現法を身につけていかないとダメなのかも。 最後に、村上氏の「外国人に外国語で自分の気持ちを正確に伝えるコツ」を。 (日本語でも同じだけど)
英語に長ければ長けるほど、これらを実行するのが難しい(特に2番はね。できる事を見せようとしてカッコつけの言葉を使ってみたくなる。とくに他の日本人の前では。笑)。自分も、他人との会話の際には気をつけたいです。 (つーか、もっと他人と話す機会を作らないと。汗)
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