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じゃくの音楽日記帳

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2016.08.27
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カテゴリ:演奏会(2016年)

(この記事は、「カンテムス合唱団を聴く その1 カザルスホールでの思い出」 の続きです。)

さて、カンテムス合唱団2016年日本ツアーを知ったのは、たまたま、とあるホールのコンサートカレンダーをつれづれにみていたら、「カンテムス」の名前を偶然にも発見し、なにっ、カンテムスが来るのか!、と驚いたのが最初でした。そこで調べたところ、今回のツアーは、7月22日埼玉から8月4日大阪まで、日本各地を巡るもので、東京近郊では東京、埼玉、神奈川などで演奏会が行われることがわかりました。しかしこれを知ったときには、それらの日程はすべてもろもろの予定が入っていて、聴きに行くことができません。これは困った、遠くでも聴きに行ける演奏会がないものかと、ツアーの日程と自分の予定をにらめっこしました。そうして、8月2日の名古屋、8月3日の神戸の演奏会を聴きに行けるように、なんとかスケジュールを調整しました。

2016年日本ツアープログラムの表紙です。

Cantemusu2016 50.jpg

 

【8月2日名古屋公演】

8月2日午後、新幹線に飛び乗り、一路名古屋へ向かいました。会場は三井住友海上しらかわホール、名古屋駅から地下鉄で一駅の立地です。地下鉄を降りると、あいにくの雷雨となりましたが、無事会場に着きました。しらかわホールは座席数約700で、響きの良いことで知られているので、この機会にここの響きを聴けるのも楽しみでした。

最初に地元の児童合唱団とおとなの合唱団のふたつの合唱団の歓迎演奏が30分ほどあったあと、カンテムス合唱団のステージです。総勢約40名の合唱団です。僕の記憶の中では小さい子供たちばかりと思っていましたが、比較的大きい子供もいました。プロムジカ合唱団のメンバーも若干名(3名?)参加していたそうです。

演奏会の進行はプロムジカ女声合唱団と同じ方法で、プログラムに数十曲載っている演奏予定曲目の中から、ホールの響き、雰囲気、合唱団の調子に一番ふさわしいものを当日選んで、1曲ごとに合唱団のメンバーがマイクをもって日本語で曲紹介をしてくれるというスタイルでした。プロムジカ合唱団のときは、その朴訥で聞きとりにくい日本語の発音がほほえましく、楽しかったです。今回は、なかには日本語の発音が結構うまい子供もいて、感心しました。来日を重ねるうちに、メンバーは変わっても、日本語がスキルアップしているのでしょう。

第一部は宗教曲で、何が歌われたかもう詳しくは覚えていませんが、ハンガリーの作曲家からジェンジェシの新作やコチャールの「イ調のミサ」、それからカッチーニのアヴェ・マリアなどが歌われていきます。サボーさんは、指揮棒は使わず、両手と身のこなしで指揮しています。その指揮ぶりが全身、本当に音楽的で、見ているだけでうっとりしてしまいます。サボーさんの指揮に導かれて歌われるカンテムスの響きは、ppからffまで、まったく無理ない発声で、そのハーモニーが本当に美しいです。

そしてサボーさんは、プロムジカ合唱団のときと同じように、曲ごとにメンバーの配置を大きく変えます。しばしばメンバーの多くが舞台から降りて、客席通路の広い範囲に散らばって、そこで歌います。その際には、比較的ゆったりとした長い音の多い曲が歌われることが多いので、その純正なハーモニーに、文字通り立体的に、身体ごと包まれて聴けます。音量バランス的には、たまたま自分のすぐそばで歌っているメンバーの声が当然大きく聴こえてきますが、そんなことお構いなく、極上の響きが体感できるのです。一人一人の発声が本当にきれいで、他と十分に調和しているからこそ実現できることだと思います。第一部の最後は、まさにそのようにして歌われたホルストの名作、アヴェ・マリアでした。

休憩をはさんで第二部は、きれいな民族衣装に着替えて、ハンガリーの数々の世俗合唱曲と、日本の歌を日本語で歌ってくれました。プロムジカ合唱団の演奏会でも毎回ほぼ必ず歌われる、若松正司編曲の「さくらさくら」も歌われました。最後の方には、「花は咲く」。これは、最初は一人で歌い、フレーズごとに二人三人と歌う人が増えていくという歌われ方で、震災からの復興をあたたかく応援してくれる気持ちが、心に沁みました。会場のあちこちで涙がすすられていました。最後の最後は日本の合唱団も一緒に舞台に上がり、「ふるさと」やコチャールの合唱曲で、お開きとなりました。

もう何もいうことありません、至福のひとときでした。この日は名古屋に泊まり、心的余韻をゆっくり味わいました。

 

【8月3日神戸公演】

翌8月3日は、ゆっくり朝寝坊して昼頃に新幹線で名古屋を出発し、午後に三宮に到着しました。この日はすごくいい天気で、陽ざしが強く、ともかく暑いので涼しい喫茶店などで時間をつぶしました。夕刻になって、会場の神戸朝日ホールに向かいました。三宮駅からぶらぶらと徒歩10分位で着きました。

このホールも、僕は今回初めて訪れました。座席数は500ちょっとで、横に細長く奥行の短いホールです。カンテムス合唱団が神戸で歌うのは初めてということでした。この日の歓迎演奏は、珍しく児童合唱団ではなく、おとなの合唱団がふたつでした。邦人作曲家の歌が、なかなか聴きごたえがありました。

そのあとにカンテムス合唱団の登場です。今日の第一部の始まりは、ブリテンの「キャロルの祭典」(ピアノ伴奏)です。20年前、カザルスホールで聴いた曲です。キャンドルを持っての「入唱」から「退唱」まで、20年前と同じ(はず)の響きをじっくり堪能させていただきました。第一部は全部宗教曲で、数々の歌が歌われたあと、第一部の最後はビーブルのアヴエ・マリア。プロムジカ合唱団で何回か聴いている、本当に美しい曲です。

第二部では、民族衣装に着替え、ハンガリーのジェンジェシの他、バルトーク、コダーイなどの世俗合唱曲が歌われ、日本の歌からは「さくらさくら」や「ソーラン節」が歌われました。

今日のホールはこの合唱団にとってはやや容積が狭く、響きもやや少な目ですが、さすがにサボーさんです、大胆でたくみな配置を多用し、ここでも十分に美しい響きを実現しています。最後の方は、昨日と同じ「花が咲く」、最後の最後は、日本の合唱団も参加してコチャールの歌、そして最後の最後の最後は、聴衆も一緒に皆の大合唱で、「ふるさと」でお開きとなりました。

連日あちこちに移動して、その日ごとに、そのホールの響きの特性などから、最適な配置をその都度決めて実行するのですから、同じ曲でも日によって異なる配置になるわけです。サボーさんも大変だし、子供たちにも大変なことだと思います。ときに少し配置を間違える子供もいて、そうするとサボーさんは適切に指示して正しい位置に修正していました。といっても厳しい雰囲気ではなく、サボーさんの大きな包容力の中で、子供たちは、のびのびと歌っていました。聴衆もくだけた感じで、昨日の名古屋とはまた一味違った、和やかで楽しいコンサートになりました。

帰りに撮った、神戸朝日ホールのあるビルの入り口付近の掲示です。

Asahi1 20.jpg

明日8月4日は、日本ツアーの最終日で、大阪いずみホールで歌うそうです。いずみホールでは、さぞや素晴らしい響きに包まれることだろうと思います。そしてその演奏会は録音され、CDも発売される予定ということでした。カンテムス合唱団とプロムジカ合唱団の合同演奏によるCDはいろいろ出ているのですけれど、カンテムス単独の録音は比較的少ないので、この録音は貴重なものになると思います。

しかし8月4日は僕は朝から仕事なので、3日夜、三宮駅からサンライズ号に乗り、東京へ向かいました。乗車してひとしきり眠ったら、朝5時ごろにふと目が覚めました。外を見たらもうだいぶ明るくて、東の空はオレンジ色に染まっていました。しばらくぼーっと車窓からの景色を眺めていたら、富士山が見えてきたので、写真をとりました。

Fuji1 25.jpg

カンテムスの日本ツアー終盤の二日間、異なるホールで、異なる雰囲気の演奏会を聴けたことで、それぞれの良さがより深く味わえ、カンテムスの素晴らしさをより深く体感できたような気がします。サボーさんも子供たちも、ますますお元気で、歌い続けていってください。また次の機会を、楽しみにしています。

 






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Last updated  2016.08.27 19:54:12
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Re:カンテムス少女合唱団を聴く  (その2 2016年日本ツアー)(08/27)   快調家族 さん
お暑い中アクティブで驚きました、しかしそれほどこの合唱団が素晴らしいという事ですね。

>指揮棒は使わず、両手と身のこなしで指揮
100人も居るオーケストラとは違い、両手の方が指揮棒よりは細かい指示が出せるのかもしれませんね。棒は1本、指は10本・・・

>ホルストの名作、アヴェ・マリア
恥ずかしながら知らなかったので、ネットで聴いてみました。
ああ、こんなに美しい曲を聴いたらもう何も要りません・・・

>ときに少し配置を間違える子供
こういう間違いは嬉しいです、セミプロでしょうが公立小学校の児童ならなおさら!

>神戸朝日ホール
私も行ったことが無いので、神戸によくある古い洋風建築に惹かれて調べたところ、低層階は神戸証券取引所の復元らしいですね。復元!に驚きました。

>サンライズ号
これも知らず、サンライズはわかりますが^^;え?バスだったのですか、また驚きました。
若い頃ならいざ知らず・・・寝台車は平気でしたが、高速バスに長時間は身体が固まるというか痛くなるというか、じゃくさんはお若いのですね!(うちの娘ですら関東から関西、安いし寝ている間に来られるよ?と勧めても身体が痛いとか寝られない等ゴチャゴチャ言ってました^^;)

>カンテムス
どなたかヤカンで蒸すとか仰ってますが、これはカンテキ(七輪)で蒸し焼きにする・・・と覚えた方が良さそうな? 以後チラシ類を気を付けて見るようにします♪ (2016.08.27 21:25:36)

Re[1]:カンテムス少女合唱団を聴く  (その2 2016年日本ツアー)(08/27)   じゃく3 さん
快調家族さんこんばんは、いつもありがとうございます!

>お暑い中アクティブで驚きました、しかしそれほどこの合唱団が素晴らしい

そうなんです、カンテムスのためならヤカンの中でも蒸し器の中でも(アチッ!)。

>両手の方が指揮棒よりは細かい指示が出せるのかもしれませんね。棒は1本、指は10本・・・

棒を持たないことで、柔らかなニュアンスがつけやすいかもですね。サボーさんの指揮は、いわば優雅に舞うような、身体の中から音楽がどんどん湧き出てくるような、そんなイメージです。見ているこちらも思わずつられて、ムジツィーレンしちゃいそうです(^^)。

>ホルストのアヴェ・マリア、

気に入っていただいてうれしいです。ほんとに素敵な曲ですよね。

>古い洋風建築に惹かれて調べたところ、低層階は神戸証券取引所の復元らしい

そうなんですか!確かに素敵な建物でした。この界隈は、他にも素敵な古い建築物が多く、街並みが美しくて、さすが神戸だなと思いました。

>サンライズ号

大変しっつれいしました!!寝台特急のサンライズです(^^;)。深夜バスのサンライズ号ってあるのかなと思って検索してみたら、あるんですね!もしもそれに乗っていたら、朝起きたら熊本で、えらいことになってました(爆)。

ワタクシも腰を痛めてからは、さすがに深夜バスはこわくて乗ってません。体の芯から固まってしまいそうです。  深夜バス、芯やばし。

>以後チラシ類を気を付けて見るようにします♪

カンテムスは、普通のコンサートではチラシがほとんど出回らないんです。合唱のコンサートならば出るのかもしれませんけど、そのあたりは良くわかりません。「日本ハンガリー合唱交流委員会」をネットでときどきチェックするのが一番良いかと思います。でも僕の場合、そのうちにチェックをさぼりがちとなり、聴き逃してしまう、というパタンに陥りやすいです。
(2016.08.28 01:33:25)

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