じゃくの音楽日記帳

2018/04/02(月)10:32

プロムジカ女声合唱団2018日本ツアーを聴く:その1 所沢公演

演奏会(2018年)(9)

ハンガリーの少女たちによるプロムジカ合唱団のコンサートを聴きました。4年ぶりの来日ということです。僕は4年前の公演は聴き逃したので、2012年以来6年ぶりのプロムジカ体験となり、とても楽しみにしていました。 プロムジカ女声合唱団  指揮デーネシュ・サボー 3月30日 所沢市民文化センター ミューズ・アークホール 所沢市郊外、航空公園に隣接した所沢市民文化センターミューズは、大・中・小の三つのホールなどがあるところです。アークホールは座席数2002、オーケストラのコンサートも良く開かれる響きの良い大ホールです。(朝比奈隆氏もここでブルックナーを演奏したことがあります。)春の夕暮れ迫る頃に、久しぶりにこちらミューズにやってきました。アークホールの入り口には、桜の花が描かれた手作りの素敵な立て看板がありました。 今回の来日は、埼玉県所沢市の少年少女合唱団が結成20周年を迎えて、プロムジカと一緒に記念のお祝いのコンサートをしたいという強い願いを出し、それを受けてサボーさんとプロムジカ合唱団の来日演奏が実現したということです。関東、中部、関西で計7回のコンサートが予定されていて、今日はその初日です。 いつものように、プロムジカの歌に先立って、まず日本の合唱団による歓迎演奏がありました。今回は、小さい子供たちの合唱団から中学生くらいまで、6つの団体がそれぞれ短い曲を歌いました。  フイーニュ・ジュニア  代々木コーラスクラブ  国分寺市立第三中学校&合唱団「燦」  上尾児童合唱団  所沢市立南陵中学校合唱団  所沢フイーニュ少年少女合唱団 最初と最後が、メージャー佐知子さんという指導者が育てた、今年創立20周年を迎えた合唱団ということです。最初に登場したフィーニュ・ジュニアは、幼稚園児あるいはもっと小さな子たちが、金子みすゞの「すずと小鳥と私、みんな違ってみんないい」、という詩にメロディーをつけた歌などを歌ってくれました。その声が無理のない発声で素直で美しく、とても素敵でした!他の合唱団も、やはり小さな子供たちによるわらべ歌や、中学生らによる「群青」、「島唄」、「てぃんさぐの花」など、親しみやすい歌がいろいろと歌われ、どの団体も素晴らしく、これだけでもかなりの感動をいただきました。 休憩を挟んで、プロムジカ合唱団の登場です。いつものように、前半は宗教曲でした。コチャールのイ調のミサやサルヴェ・レジナ、オルバーンやジェンジェシの作品など、そして最後はビーブルのアヴェマリアが歌われました。久しぶりに聴くプロムジカは、斉唱も、合唱も、いつもと同じく本当に美しい響きで、うっとりとするばかりでした。 ふたたび休憩を挟んで後半は、これもいつものように、ハンガリー民謡などの世俗曲と日本の歌が歌われました。コダーイの「夕べの歌」、「天使と羊飼い」、「踊りの歌」、バールドシュの「ヘンルーダの花が咲いたら」などでした。そして最後は、若松正司編曲の「さくら さくら」でした。このなんとも素晴らしい曲は、プロムジカが日本でしばしば歌ってくれます。ただ彼女たちの日本ツアーは、いつもは夏なのですが、今回は例外的に桜が美しく咲いている時期で、まさにこの歌を歌うには絶好のタイミングでした。プロムジカのメンバーも、今回日本の桜をその眼で実際に目にすることができたことでしょう。 その後は、これもいつものように、歓迎演奏の6団体全員がステージに上がりプロムジカ合唱団と混ざり合い、「ふるさと」の大合唱、そして「最後の最後の最後の最後の最後に」、これもいつもの締めの曲(コダーイだったかコチャールだったか)の合唱曲で締めくくられました。 歓迎演奏・休憩をいれて3時間、美しい合唱の響きをたっぷりと味わえました。休憩の間にロビーでは、歓迎演奏した合唱団が集まっていて、中学校を巣立っていく3年生などを囲んで盛り上がっているようでした。春、別れと、新しい旅立ちの季節ですね。 サボーさんの育んだ合唱の“カンテムス・ファミリー”と日本の合唱を愛する人々との交流は、日本ハンガリー合唱交流委員会の後藤田夫規子さんのご尽力などで支えられ、長く、実り豊かに成長し、昨年には25周年を迎えたということです。サボーさんは、日本とハンガリーの長年にわたる合唱交流の功績を称えられ、昨年日本政府から勲章を授与されたということです。日本の合唱技術の向上にも大きく貢献しているのだと思います。本当に素晴らしいことです!  

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