644717 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

じゃくの音楽日記帳

全10件 (10件中 1-10件目)

1

原子力発電

2014.08.30
XML
カテゴリ:原子力発電

先ほどの続きで、池上彰さんの、『池上彰が読む 小泉元首相の「原発ゼロ」宣言』の本で書かれているオンカロについて書きます。

池上さんはとてもわかりやすくまとめてあります。
小泉さんが原発メーカーの幹部を引き連れてオンカロを視察して「日本ではこれはだめだ」と喝破し、原発ゼロ宣言につながるわけです。
池上さんもまた、2012年にオンカロを取材で訪れたということです。

歴史的にスウェーデン、ロシアなど近隣の強国から虐げられ続けてきたフィンランド。ようやく1919年に現在のフィンランド共和国が誕生したばかりであることは、ウォルトンとシベリウスの記事にも書いたばかりです。

このような歴史から、フィンランドが安定した自主独立を維持するためのエネルギー源として原子力発電を重視し、その結果、人口500万に対して現在4基の原発が稼働中ということです。人口密度ならぬ“対人口比原発密度“で考えると、日本の約2倍相当になる、原発依存国ですね。

この本で池上さんが明確に指摘しているのは、フィンランド人の責任感の強さです。池上さんは書いています。“フィンランドには、国内で発生した使用済み核燃料を海外に持ち出してはいけないという法律があります。自分の国のゴミは自分の国で処分しよう。よその国に任せるのはやめよう。そう考えて、そういう法律をつくったのです。そういう国なんです。”

・・・モンゴルに押し付けようとしたどこかの国とは、雲泥の差ですね。そういえば、数年前、フィンランドに旅行に行ったとき、フィンランドに住む日本人がガイドをしてくれたのですが、その方が言っていたことですごく印象に残っている話は、「フィンランド人は正直だ、少し前まで電車の改札がなかった。皆がちゃんと切符を買って乗るから、改札が不要だった。」ということでした。もっとも最近では海外からの移住者が増えて、事情は変わっているということですが。

そのような、責任感ある大人のフィンランド人が、長い時間をかけて高レベル放射性廃棄物の最終処理場を構想し、場所を決め、現在作っているのがオンカロです。そして10万年後の人々にいかに危険性を正しく知らせるべきか、その方法を真剣に検討しているわけです。

池上さんは書いています。“2012年にここを訪れたとき、わたしはオンカロを受け入れた自治体の市長さんにインタビューしました。日本的な発想で、つい「ここに最終処分場をつくると、国から補助金が出るのですか?」と訊いてしまいました。ところが、「そんなものは一銭も出ません」という返事です。続けて市長さんはこう言いました。「私たちは原子力発電所をつくることを選択し、そこでつくられた電気を使って豊かな生活を享受しています。豊かな生活を享受している以上、責任が発生します。原子力発電所からはゴミ(使用済み核燃料)が出るのですから、誰かがそれを引き受けなければいけません。」”

この答えを聞いた池上さんはさらに書いています。“市長さんの話を聞いて、私は、「ははーっ、おっしゃるとおりです」と感心してしまいました。フィンランドの国民性なのでしょう。考え方が大人なのです。「ああ、フィンランドは、原子力発電所を持つ資格がある国だな」。そう思いました。小泉元首相もたぶん、日本には原発を持つ資格がないと思ったのでしょう。”

そして池上さんは言います。“そもそも日本に、フィンランドの人々のように考えて責任を引き受けたり、10万年後のことを真剣に考えたりする人がどのくらいいるでしょう。原子力発電所は必要だと言って原発を運転しておきながら、使用済み核燃料を処理するのはイヤだと、みんな逃げ回っている。恩恵は被る、豊かな生活は享受する。だけど、ゴミはいやだよと言いながら、原子力発電を続けている。そんな国に、原子力発電所を持つ資格があるのでしょうか、フィンランドの人々と会って話を訊いているうちに、そう思えてきたのです。”

池上さんに全く同感です。池上さんがずばりここまで書いているとは、うれしい驚きでした。

ところで、オンカロといえば、映画「100,000年後の安全」がありますね。ご覧になった方も多いかと思います。福島の事故後に、渋谷の映画館で上映されたとき見に行こうと思いましたが、チケットがとれず、それで僕はその後DVDを買って見ました。オンカロの目指していること、問題点などが、冷めたタッチでちょっと古いSF映画風に淡々と描かれ、非常に見応えがありました。

r089355361MX[1].jpg

脱線しますが、この映画のBGMが、とても凝っています。見ていてわかったのはシベリウスの悲しきワルツだけで、あとはわからなかったので、それでエンドクレジットを良くみて作曲者、曲名をチェックしました。わかった作曲者などを示しておくと、出現順にKarsten Fundalという人、それからクラフトワーク、シベリウス、グラス、Killmayerという人、ペルト2曲、再びKarsten Fundal。いかにも渋そうでしょう。Killmayerという人の曲とか、ペルトのオルガン曲とか、なかなかです。

そしてそして圧巻なのが、映画の最後に流れる、オーケストラ伴奏によるソプラノの歌で、すごく内容にあっていて、印象に深く残る曲だったのです!クレジットによると、ヴァレーズの、Un Grand Sommeil Nokirという曲でした。調べてみると、「暗く深い眠り」。ヴェルレーヌの詩に、ヴァレーズが作曲したもので、若い頃のヴァレーズの作品としては唯一残っているものだそうです。オリジナルはピアノ伴奏で、それをオーケストラ伴奏に編曲したものもあり、映画で使われているのはオケ伴奏のほうです。静かな恐ろしさを孕む音楽もすごくあっているし、歌詞が、あまりにもこのオンカロの内容にぴったりで驚きです。良くこの音楽をあてはめたものだとつくづく感心します。

曲は3分半ほどの短いもので、映画では全曲流れて、そのあとは無音のエンドクレジットに続きます。音楽はYouTubeで聴けます。http://www.youtube.com/watch?v=H39taxZknP8です。

歌詞は、charlotte sometimesさんという方のブログに堀口大學の訳詩が紹介されていました(http://tateno.txt-nifty.com/blog/2011/07/index.html)ので、そこから転載させていただきました。(リンクのご連絡をしたいのですが連絡手段がなく、無断です。すみません。もしも不都合ありましたらコメントなどでご連絡いただければ幸いです。)

「暗く果てなき死のねむり(暗く深い眠り)」


暗く果てなき死のねむり/われの生命(いのち)に落ちきたる、/ねむれ、わが希望(のぞみ)、/ねむれ、わが慾よ!


わが目はやものを見ず/善悪の記憶/われを去る…、/悲しき人の世の果や!


われはいま墓穴の底にありて/隻手(せきしゅ)にゆらるる/揺籃なり、/ああ、黙せかし、黙せかし!


(ポール・ヴェルレーヌ~堀口大學・訳)

もう、オンカロのために書かれた詩と曲、そういってもいいほどです。「世界BGM選手権」がもしあったら、優勝候補の一角に入りますね。これ、やはり映画のBGMとして視聴していただくのが良いかと思います。YouTubeでも見られます。http://www.youtube.com/watch?v=y4sqFyCHcbgで、67分50秒頃から、この音楽が始まります。

音楽の話にそれてしまいましたが、音楽を抜きにしても、この映画、これからの日本を真面目に考えるために、原発の賛否にかかわらず、見るべき価値あるものと思います。







Last updated  2015.02.09 01:59:49
コメント(0) | コメントを書く


2013.04.12
カテゴリ:原子力発電
原発を巡る日本社会のいびつな現状が、本日配信された田中優さんの無料メルマガの文章で明快に書かれていましたので、一部を転載します。

元はこちらです。
-------------------------------------------
田中優の“持続する志”

優さんメルマガ 第217号
2013.4.12発行

※このメルマガは転送転載、大歓迎です。
http://www.mag2.com/m/0000251633.html
-------------------------------------------

(以下、メルマガから『 福島第一原発事故から2年後の社会構造 』
の一部を抜粋・転載しました。全文は上記よりごらんください。)


・・・・・前略・・・・・
事故前、原発に反対する多くの人が
「日本はきっと大きな事故でもなければ目覚めない」と言っていたことを思い出す。
しかし大きな事故が起こった結果は「それでも目覚めない」だったようだ。

 今なお汚染された土地に多くの人たちが暮らし、百万人に一人か二人しか発生し
ない小児甲状腺がんが、細胞診を含め3万8千人に10人に発生しても、放射能のせ
いではないと言ってのける。福島県は、肝心な事故時の放射能データを上書きして
失わせた。

 原発事故は津波ではなく、地震で起きていた可能性が高いのに、東電は調査委員
会の人たちを「真っ暗で危険で入れない」とウソを言って調査させず、政府は2年
も経ってから放射能をベントで放出する前に周囲に放射能が漏れていたことを発表
した。

 注意深く見ている人以外は気付かないだろう。ここには作為的なコントロールが
ある。事故前、「放射能は危険だが、原発には五重の防護があるから安全だ」とし
ていた。

 しかし事故後は「放射能は言われるほど危険ではない」と変えられてしまった。
放射能が危険でなくなれば、なぜ原発を怖がる必要があるのか。こうして原発事故
は「大惨事」から「怖がりすぎる人のノイローゼ問題」にされてしまった。

・・・・・中略・・・・・

 人々の多くは原発を廃炉にすべきと考えているが、政府は原発再稼動をめざして
原子力ムラ出身者の集まる「規制委員会」の基準に対してすら、厳しすぎると批判
している。津波対策は怪しげながら、少しは改善されるだろう。

 しかし原発事故が地震によるものだったらどうなるか。しかしそれでも原子力ムラ
の意向に沿って再稼動されようとしている。こうした判断は、常人には理解しがたい
ものではないだろうか。


 原発は発電していなくてもおカネがかかる。だいたい100億円/年程度だ。湯水の
如くカネのかかる福島第一を除いても、50基の原発で5000億円だ。再処理工場も維持
費だけで年間1100億円、高速増殖炉もんじゅも200億円。合計毎年6300億円のカネが、
発電すらしない原発関連に消えていく。その金額は石油ガスなどの燃料費増加分に
匹敵する。

 原発の存在が電気料金を高くしているのだ。

・・・・・後略・・・・・







Last updated  2013.04.13 00:00:17
コメント(0) | コメントを書く
2012.01.09
カテゴリ:原子力発電

これまで膨大な費用が注ぎ込まれ、まったく進展・実現の見通しがたたないで破綻している「核燃料サイクル」事業。この事業に、これまで一体いくらかかっているのか、なんと国は総費用を計算していません。それを東京新聞が、各方面への取材により概算した記事が1月5日に大々 的に出ていました。それによると、これまでの45年間に、少なくとも10兆円が投じられています。この巨額のお金、わたしたちの電気料金からまかなわれてきています。

東京新聞の記事によると、主な事業費は以下のようになっています。

20120109A40.jpg

 なるほどほぼ10兆円です。一番多いのが再処理費用の積立金2兆4400億円ですね。これはこの災害からの復興費用にあてるべきだというまっとうな指摘が、 一時期されていましたが、その後うやむやになってしまっているようです。他にも六ヶ所村関連、「もんじゅ」関連、その他いろいろな費用が載っています。こ の中には、使用済み核燃料を再利用しないで廃棄する直接処分方式で必要となる費用は含まれていません。また核燃料サイクルで使うMOX燃料の製造費用も、 「非公表」(東京電力)のため含まれていません。そして過去の金額は現在の貨幣価値に換算していません。これらの点を考慮すると、実際の事業費は、もっともっと膨れ上がるということです。

 次に財源。この膨大な費用の主な財源は、電気料金に上乗せされる「電源開発促進税」です。電力会社の出費分も、その税金とはまた別に、「総括原価方式」により電気料金に上乗せされ、電力会社が利益を上乗せして回収してきたのです。電力会社は、どんなに費用がかかっても、利益までつけて全部回収できるのですから、こんなおいしい無駄遣いはありません。無駄遣いがとまらないわけですね。

 記事には、原子力資料情報室核燃料サイクル問題担当の沢井正子氏の話が載って い ます。それを引用しますと、“国の事業は、本来なら青写真を示して行うものだ。それが原子力政策では全くなく、情報を出さないまま青天井で予算が付いてきた。実用化のめどが立たないのに、本当にこれだけのお金をかける意味があったのか。どの国にもこんな例はない。

 記事にはさらに、立命館大学の大島堅一氏のコメントも載っています。

20120109d40.jpg

経済的な面は、以上です。しかしもちろん核燃料サイクルは、経済的な面だけでなく、本質的な大問題を抱えています。紙面にはそのあたりのことも、核燃料サイクルの現状を詳しく述べられていますが、それは今回は省略します。

原発推進したい人々は、さかんに「原発が再稼動しないと、電気料金が高くなる」と言っていますが、すでに原発が稼動していたときから、日本の電気料金は極めて高い状態でした。

核燃料サイクル事業をはじめとした、原発への野放図な出費がなければ、電気料金はもっと安かったことでしょう。フランスも、アメリカも、イギリスも、ドイツ も、技術的に実現不可能と判断され中止となった核燃料サイクル計画を、なぜ日本だけが見切りをつけられずにいるのでしょうか。いつまで無駄使いを続け、その尻拭いを国民に押し付け続けるのでしょうか。







Last updated  2012.01.10 10:57:22
コメント(0) | コメントを書く
2011.05.25
カテゴリ:原子力発電

これは4月10日の拙ブログの記事「内部被曝」について、5月25日に丸井様という方からいただいたコメントへのお返事です。長くなったのと、大切な問題を含むので、独立した記事としてこちらに書きました。

>人間は、生まれた時から内部被曝をしています。

自然界に放射性物質があるのですから当然です。人間の体内には、たとえばカリウム40があり、それによる自然放射能の内部被曝を当然しています。これは地球上に暮らす生物であれば避けられません。

問題は、人間の営み(核実験や、稼働中の原発、事故の原発など)によって、自然放射能以外の内部被曝を、余分にしてしまうことにあるのです。それらの人間の営みがなければしないですむ内部被曝を、してしまうことが問題なのです。

>赤ん坊の死亡率が減少したからです。

乳児死亡率は、衛生状態の向上、医学の進歩などにより、徐々に下がってきています。もし核実験や原発の影響がなければ、もっと死亡率が下がったという可能性が高いのです。このあたりのことは、以前拙ブログでもご紹介したアーネスト・スタンバーグ博士のグラフを見れば良くわかります。すなわち年々減少をしていたアメリカの乳児死亡率が、核実験の始まりとともに、その減少傾向に歯止めがかかっているのです!

>人体は、ヨウ素以外の放射性物質を体内に取り入れても、その大半を体外に排出してしまうのです。

もし大半が排泄されても、少しは体内に残留します。その残留分によって、健康に被害があるかどうかを論じなければ、まったく意味がありません。

たとえばロシアのマヤーク・プルトニウム生産体による放射能汚染により、付近住民のストロンチウム90は、一般地域住民の100倍以上の値が測定されていて、しかもそれが40年たってもそれほど下がっていない、というデータがあります。またセシウム137についても、たとえばチェルノブイリ近くの村に住む住民から、体重1Kgあたり1.5キロベクレルもの内部被曝が1997年に測定されています。セシウム137は、物理学的半減期は30年ですが、生物学的半減期は成人の場合約100日と短い物質です。それでも住民はこういった高い内部被曝をしているというデータがあるのです。1997年の測定ですから、事故から10年以上たっていても、これです。ヨウ素以外は気をつけなくてもいい、というのは大いなる誤解です。


>これまでプルトニウムを吸引したり摂取した人で、癌になった人はいません。

どうしてそのように断言できるのでしょうか?どの本にも、危険が書いてありますよ。プルトニウムは、物理学的半減期は2万4千年、生物学的半減期は骨では100年、肝臓では40年。プルトニウムは骨、肝臓、肺などに集積しやすく、プルトニウムによって、骨腫瘍、肝臓ガン、白血病、肺がんなどのリスクが指摘されています。やっかいなのは、被曝してから発がんして症状が出るまでの潜伏期が、一般にきわめて長い(20~30年たってから現れることもある)ので、因果関係が証明しにくいということなのです。

>これまで多くの科学者が、内部被曝の問題について多くの議論がなされ、動物実験を含め多くの研究もなされてきました。その結果、瞬間的に広島長崎の原爆以上の放射線量でないと内部被曝の影響は、ほとんどないことが判ってきているのです。

これは、アメリカの言い分そのものですね。アメリカは、広島・長崎で、実態とかけはなれた被害の過小評価をしてきました。

チェルノブイリの事故評価でも、IAEAの評価は、健康被害をきわめて小さい評価しかしていませんが、それよりももっと甚大な健康被害があったという報告がいろいろ出ています。

内部被曝を軽視するIAEAに対して、欧州放射線リスク委員会は、より慎重に、内部被曝の影響をきちんと評価しようとしています。欧州放射線リスク委員会が2003年に出した勧告は、それ自体すぐれているものでしたが、その後も新しい知見(たとえばスウェーデンにおける疫学研究で、チェルノブイリで出たセシウム137により発ガンが11%増加するなど)をとりいれて、2010年に新しい勧告を出しています。

内部被曝の詳細については、まだまだわかっていないことが沢山あるのです。「ないこととされていた」内部被曝の本当の怖さは、これからより明らかになっていくことでしょう。







Last updated  2011.05.26 09:43:09
コメント(3) | コメントを書く
2011.04.24
カテゴリ:原子力発電

福島原発事故の対応が、ますますひどくなっている。

4 月 19 日、文部科学省は、学校の放射線量の目安として、年 20 ミリシーベルトという基準を決めた。きわめて高く、危険きわまりない基準。大人でも危険なのに、子供は放射能の感受性が高くてさらに危険だし、内部被曝も考慮していない。滅茶苦茶な方針。

わが国の政府は、自国の国民を守るつもりがないことが、事故以来どんどん明らかになっていく。電力会社も政府も、ここまで無策で無責任だったとは。

・・・ところで、広瀬隆著「原子炉時限爆弾 大地震におびえる日本列島」を読みました。福島事故の前、2010年8月に刊行された本ですが、この本の存在を最近まで知らないでいました。

原子炉時限爆弾.jpg

この本を読むと、地震国日本に原発を作ることがいかに危険なことか、実に良くわかります。その危険性を無視して、国と電力会社は原発を作り続けてきた。たびたび事故が起こっても、その場しのぎの対応だけで、なおも作り続けてきた。そのことが、実に良くわかります。

そしてとうとう、このような大事故が起こってしまいました。汚染は今も広がり続けています。数年後から、日本国民のがんの死亡数が激増することでしょう。日本がこの危機を切り抜けられるのかどうか、予断をゆるしません。

それなのにそれなのに、まだ日本各地で、同じリスクをかかえているたくさんの原発が、何事もなかったかのように動いています。なかでも一番危ないのが、浜岡原発ですね。先日の国会で、福島瑞穂議員が首相に「浜岡原発をただちに止めるべき」と質問しましたが、首相は「今は福島事故を収束させることに全力を注ぐ」という答えに終止していました。なぜ、ひとまず止めないのか。ひとまず止めて、福島事故が収束したのちに安全性を検討し、再稼動するかどうかを決める、ということができないのか。(再稼動ができるような「安全性」が成立する見込みはゼロですが。)

このままでは、さらに大きい事故が起こるでしょう。

日本の原発の事実を知る、現状を知るために、この本を多くの人に是非読んでほしいです。

広瀬隆著 「原子炉時限爆弾 大地震におびえる日本列島」 ダイヤモンド社  1500円
2010年8月26日 第1刷発行
2011年3月30日 第2刷発行

 








Last updated  2011.05.04 09:44:59
コメント(0) | コメントを書く
2011.04.20
カテゴリ:原子力発電

それにしても日本にどうしてこんなに沢山の原発ができてしまったのか。

毎日新聞の特集記事に、戦後日本の原発推進史が出ました。

http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/life/20110420dde012040004000c.html

”政府が計画を立て民間の電力会社が運営する「国策民営」の二元体制”
による原発発展の忌々しき歴史の流れが書かれています。

こういう歴史の流れを許してきたのは、結局は(僕のような無知・無関心を含めて)日本人全体の責任だと思います。今回の福島の大事故を教訓として、こういう歴史の流れを、日本人は変えられるのか。今度こそ変えなければ、あとはない。

 







Last updated  2011.04.21 02:48:07
コメント(0) | コメントを書く
2011.04.17
カテゴリ:原子力発電

今まで原子力発電に無関心だった自分が、このところ、原子力発電に関心を持ち、本を読んだり、You Tubeを見たりしています。にわか勉強ですが、原子力発電のことを知れば知るほど、驚き、腹立たしくなります。自分の無知さにも腹立たしくなります。

原子力発電がクリーンエネルギーとは、誰がいいだしたのだろうか、これほどでたらめな表現は、そうはないですね。これほどダーティなエネルギーがあるだろうか。

1)原子力発電は、事故のない通常の運転でも、周囲に放射能の被曝を生ずる。
ウ ラン採鉱から燃料製造、日々の運転を維持するための点検や修理に携わる作業労働者への被曝(外部被曝と内部被曝)がある。そして、前回の記事に書いたス ターングラス博士らが明らかにしている、通常運転にともなう「基準値」以下の放射性物質排出による、周囲の人々への内部被曝!

2)原子力発電はCO2を出さない、ということが強調される。しかし原子力発電の場合発生するエネルギーの3分の2は、熱として捨てられる。つまり周囲の水をあたためる。この暖め方が、半端でないのに驚いた。

小出裕章氏によると、標準的な100万Kwの電力を生み出す原発の場合、それが周囲に捨てる熱量は、毎秒70トンの水の温度を7度上げるという。利根川の水 量が毎秒約30トン、淀川の水量が毎秒約100トン。すなわちそういった巨大河川の水を7度あげるだけの熱を、環境に出し続けている。これがCO2換算で どのくらいになるのかは知らないが、ともかくCO2を出さずとも、地球の温暖化に直接多大な貢献をしていることは無視できない。

3)そして何よりも、原子力発電をすれば必然的に、使用済み核燃料という放射性廃棄物、いわゆる死の灰が、生ずるという大問題がある。これも小出裕章氏によれば、 ひとつの標準的な原発が1年稼動すると、なんと広島原発の1200発分!の死の灰を生ずる。日本全体で年間4万8千発分の死の灰が生じている。すでに日本 の原子力発電所で、これまでの累計で広島原発120万発の死の灰が発生しているというのです!

そしてこれらの放射性廃棄物は、半減期がやたらに長い。

1トンの使用済み核燃料の1000年後の放射能レベルは、最初の核燃料1トンを製造するために使用したウラン鉱石全体に含まれていた放射能レベルの10倍であるという!(高田純著、世界の放射線被爆地調査 講談社 ブルーバックス B-1359  59ページ)

原子力発電すればするほど放射性廃棄物が増えて、それの管理に1000年から万年単位の管理が必要になる。膨大な量の、気が遠くなるほど長期間の放射能を持 つごみ。そのごみの安全な処分法が見つかっていないのに、どんどん作り出し続けている原子力発電。これがなぜクリーンと呼ばれるのか?

4) 以上の1)から3)は、事故が無い、通常に運転をしている場合である。事故がなくとも、これほど被曝や放射性廃棄物の問題が大きいのに、もしも事故が起 こったらどうなるのか。それが福島原発事故で現実になってしまった。ひとたび事故が起これば、これほどおそろしい汚染が広がる。そういう危険を原子力発電ははらんでいる。

5)以上の1)~4)のダーティさだけでも実に立派なものですが、さらにもう一重のダーティの上塗りがある。原子力発電を推進する人々が、これらの問題点を隠しているという点です。内部被曝の危険を隠し、労働作業者の被曝を隠し、安全対策の無策を隠し、「他のエネルギーがないから必要なのだ」ということにして、原発を作り続けて現在に至っている。そして今回の福島事故でも情報を隠し、被害を過小評価し、安全としか言わない。

「原子力発電所」には五重の壁があるから大丈夫、などと言われていましたが、これが実にもろい壁であることが今回の福島事故であらわになりました。

「原子力発電」にも同様に、上記1)~5)の「五重の壁」があるようです。厄介なことにこの壁は、「原子力発電所」の壁と違って、実に頑固で頑丈で、ほとんど乗り越えがたい難攻不落の壁のように思えます。。。

福島原発がこんなになっているというのに、電力会社は原発を止めようとしない。原発を作るメーカーの認識もかわらない。たとえば4月15日の東京新聞に乗っていた、東芝社長のインタビュー。エネルギー政策の中での原子力発電の位置づけはどうなる、と訊かれた東芝社長の答えは、「エネルギーの安定的な確保と、二酸化炭素の排出規制の問題を解決する、本当に有力な選択肢であることは変わらない。」

福島原発がこんなになっているというのに、政府のえらい方は、原子力は必要だ、といい続けている。そして政府は、日本国内に作るのみではあきたらず、ヨルダ ン、ベトナムなどにも、原発を輸出しようとしている。こんな危ないものを売って、もうけるつもりですか。死の商人ならぬ、死の灰の商人になるのですか。

みんな、これでいいんですか?

 







Last updated  2011.04.17 17:18:13
コメント(2) | コメントを書く
2011.04.14
カテゴリ:原子力発電

内部被曝に関する話題の3回目として、アーネスト・スターングラス博士の講演記録をご紹介します。低レベル放射線の危険を長年にわたって調査・研究している方です。

スターングラス教授のお名前は、昨日ご紹介した書籍、「内部被曝の脅威」-原爆から劣化ウラン弾まで、の第2章(肥田舜太郎氏執筆)に登場していて、僕はそれで初めて知りました。肥田氏はスターングラス教授と出会ってその著書を読み、「眼を開かれた」と書いておられます。

そこでネットをいろいろ見ていたら、このスターングラス博士が2006年に初来日し、講演会を開いていたことを知りました。2006年3月に青森で行われた講演内容が、インターネットで詳細に見ることができます。この講演がすごいです。核実験で生じた放射性降下物や原子力発電所による健康への影響について、驚くべき内容が語られています。

http://1am.sakura.ne.jp/DEW/Fukushima/dic/exposure.htm

明快な内容で、見ていただければ良いのですが、
蛇足ながら、スライド2と5について、書いておきます。

これらはアメリカの乳児死亡率の経年変化の話です。
スライド2を見る前に、そもそも、1950年代から繰り返し行われた核実験により、全地球にセシウム、ストロンチウムなどの放射性降下物が降り注いだわけですね。これについてはたとえば前々回ご紹介した「内部被曝」について、の第4章第2節「核の世紀」のグラフなどをご参照ください。


そのことを踏まえてスライド2を見ると、もともと減少傾向が続いていたアメリカのニューハンプシャー州の乳児死亡率が、核実験が行われた時期に、上昇しはじめたことがわかります。しかもその上昇の程度が、
1)全地球上に降り注いだストロンチウムやセシウムなどの放射性降下物の世界的な影響
2)ネバダを主とする核実験の量(キロトン)
の二つの和として、見事なまでにほぼ平行して増減しているではありませんか。

その後核実験が行われなくなって、幸いにも乳児死亡率が再び下がってきています。
しかし、果たして充分に下がったのでしょうか。それを見たのがスライド5です。
スライド5は、原子力発電所がたくさんある州と、ない州とで、乳児死亡率を見たものです。なんと、原子力発電所がない州では、乳児死亡率が充分に下がってき ているのに対して、原子力発電所がたくさんある州では、充分に下がりきっていないことがわかります。スターングラス博士は、これがすなわち原子力発電所の 存在が、乳児死亡率に関係していることを示す明確な証拠である、と指摘しています。まったく驚くべきことです。

もうひとつ蛇足ついでに、 スライド7と8のストロンチウムの量についても触れておきます。スライド7は7~8歳の乳歯中に含まれるストロンチウムの量の経年変化です。核実験の時代 に増加し、核実験が終わって一度減少傾向になったものの、その後再び増加傾向に転じています。この増加がおそらく原子力発電所による影響であろう、という グラフです。

そしてスライド8は、ある原発からの距離と、ミルク中のストロンチウムの量のグラフです。原発に近いほど多量のストロンチウムが含まれていることが示されています。

このようにスターングラス博士の講演は、原子力発電所、それも、事故なく普通に運転している原子力発電所が、核実験による放射性降下物と同じように、アメリカの住民の健康に確実に悪影響を及ぼしている、ということを明確に伝えてくれています。

原子力発電所から排出されるごく微量の放射性物質による内部被曝。
原子力発電を考えるときには、僕たちはこのことにもっと注意を向ける必要があることを知りました。

 







Last updated  2011.04.15 00:16:34
コメント(0) | コメントを書く
2011.04.13
カテゴリ:原子力発電

今回の福島原発事故に関する政府、東電、いろいろな専門家のコメントが、どうみても内部被曝を軽視した発言になっている。なぜこんなことになっているのか。

肥田舜太郎・鎌仲ひとみ著「内部被曝の脅威」-原爆から劣化ウラン弾まで
筑摩書房  ちくま新書 541  2005年
2011年4月10日 第三刷発行)

内部被曝の脅威.jpg

を読みました。前回の記事でご紹介した「内部被曝」について、を書いた方が、「私の発端」として紹介されている本です。先日本屋に行ったら、第三刷が増刷されたばかりで、沢山置いてありましたので、早速読んだわけです。肥田舜太郎氏は、広島で被爆した医師で、広島で診療にあたった体験から、内部被曝の問題を追及している方ということです。本書の第2章に、広島市郊外で被爆し、直後から大勢の被爆者の診療にあたった肥田氏の体験が語られています。かいつまんで書くと、

------------
直接被爆し、まもなく死亡する人々を診ているうちに、やがてピカ(閃光)にもドン(爆風)にも遭わず、爆発後何日もたってから広島市にはいってきた人に、直接被爆した人と同じ症状が出て死んでいくことを目の当たりにし、大きな疑問がわいてきたこと。しかし翌年になると米軍から、原爆被害はアメリカの機密であり、被害の実際について見たこと、聞いたこと、知ったことを、話したリ、書いたり、絵にしたり、写真に撮ったりしてはならない、違反したものは厳罰に処す、 という理不尽な命令が出て、正規のカルテには何も書けなくなったこと。1949年、広島にアメリカのABCC(原爆傷害調査委員会)が開所し、被爆者を集 めて診察、検査を行い、治療は一切行わず、死亡者は全身を解剖してすべての臓器をアメリカに送って、放射線障害研究の資料とした。はじめは藁をつめた遺体が遺族に渡されたが、最後のころは親指だけになったこと。
------------

こうして、アメリカは被害の実態を自分だけの秘密としたわけです。前回の記事でご紹介した「内部被曝」について、の第一章第4節で指摘されているように、アメリカは内部被曝を認めない態度を広島・長崎当時からとり続けています。つまり実に1945年9月6日!の段階で早くも、アメリカのファーレル准将が東京帝国ホテルで、
「原爆放射能の後障害はありえない。広島・長崎では、死ぬべきものは死んでしまい、9月上旬現在において、原爆放射能のため苦しんでいるものは皆無だ。」
という声明を出しています。初めから結論ありき。そして1968年に日米両国政府が国連に提出した原爆被害報告で同じように「被ばく者は死ぬべきものは全て死に、現在では病人は一人もいない」とされた。

今回の福島原発事故に関する政府、東電、いろいろな専門家のコメントが、どうみても内部被曝を軽視した発言になっている。この根っこが、非常に根深いという ことが、脳天気な僕にもようやくわかってきました。内部被曝の危険は、核開発の最初から認識されていて、隠されていた。これは日本だけの問題ではないし、 原子力発電だけの問題でもない。アメリカがリードし世界に広がる核開発、原発、そして劣化ウラン弾に共通する、病んだ根っこからきているものだと。

自分が今まで如何になにも知らなかったか。。。しかしそれを悔やむより、これから何ができるのか、それを引き続き考えていこうと思います。







Last updated  2011.05.04 09:55:51
コメント(0) | コメントを書く
2011.04.10
カテゴリ:原子力発電

福島の原発事故がいっこうにおさまらない。放射能汚染が日々どんどん広がり続け、抜本的対策がまったく決まっていない状況で、おちおち音楽を聴く心境になれません。このブログ、「音楽日記帳」として音楽のことだけ書こうと思っていましたが、この状況で、方針変更しました。今もっとも関心があることについて、書くことにしました。

放射能のこと、原子力発電のこと、僕はまったく素人です。これまで、知識もなく、関心もほとんどなく、日々原子力のことを意識せずに生活してきました。おそらく大半の日本人がそうだろうと思います。

しかしそういう僕のような人間から見ても、今度の原発事故での、東電や政府の対応、テレビ報道に出てくる「専門家」の解説が、なんだかとても変です。「安全だ安全だ」と言っているうちに、事態がどんどん悪くなっているんですから。

特にわかりにくいのが外部被曝と内部被曝の違いです。外部被曝というのはなんとなくわかるんですが、内部被曝というのは、どのように、どのくらい危険なのか?テレビでいうように、現状ではあまり心配しなくて良いものなのか?

そのあたりが気になったので、ここのところ少し本を読んだり、ネットであちこちを見ているうちに、すごく良いサイトを見つけましたので、ご紹介したいと思います。

「内部被曝」について

です。いろいろな研究、書物を引用しながら、広島・長崎の原爆投下前後のアメリカの態度から始まって、綿密に、わかりやすく書かれています。全8章にわたる内容で、全部一度に読むのはしんどいと思います。ともかく第一章だけでも読んでいただきたく思います。

僕は第一章で、特に、乳がんの死亡率の上昇の事実に衝撃を受けました。詳しくは上のサイトの文章をじっくり読んでいただきたいですが、アメリカで、時代とともに乳がんの死亡率があがり、1950年から1989年までの40年間で2倍になった。それがアメリカ全体で一様に上昇しているのではなく、原子力発電所が近くにある地域(100マイル以内)で上昇して、遠い地域(100マイル以遠)では横這いだった、ということなんです。

別に事故があったわけでもない、普通の運転をしている原子力発電所が、「基準値」以下の低濃度の放射性物質しか排出していなくても、その近くに住む人は乳がんの死亡率が高い、ということです。これがつまり、基準値以下の微量の放射性物質による内部被曝の影響であろう、と指摘されています。

いうまでもなく、乳がんの死亡率には、発病率(食生活、喫煙、肥満、少子化などなど)や、早期発見率(検診など)など、いろいろな要因が複雑に絡みあうと思います。しかし、原子力発電所から近いか遠いかで一定の違いが出ているという事実には、驚きました。

この第一章を読んで興味が湧いたかたは、是非後続の章も読んでみてください。内部被曝の意味が、良くわかります。どのように、どのくらい、危ないのか。

○内部被曝には、これ以下なら絶対安全という閾値はない。
○内部被曝によって、(乳がんに限らず)発ガン性が増加する。しかしガンが現れるのは長い年月がたってからである。
○被曝した個人が、のちに発ガンしても、その人のガンの原因が被曝だったかどうかは、わからない。疫学的な(統計的な)数値の上昇としてわかるだけである。

という、漠然とはわかっているつもりだったことが、かなり良くわかりました。

いまさらわかっても、もう手遅れかもしれません。何もできないかもしれません。

でも、僕はわかって良かったと思います。わからなければ、何もできない。
わかれば、何かほんのちょっとしたことでも、何かできるかもしれない。







Last updated  2011.04.11 02:09:10
コメント(4) | コメントを書く

全10件 (10件中 1-10件目)

1

PR


Copyright (c) 1997-2020 Rakuten, Inc. All Rights Reserved.