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じゃくの音楽日記帳

全7件 (7件中 1-7件目)

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原発を推進する人々

2014.09.03
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原発本続けます。
鈴木真奈美著 『日本はなぜ原発を輸出するのか』
平凡社新書 745
発行 2014年8月14日

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著者の鈴木さんはフリーのジャーナリストで、これまでにも原発関連の本をいくつか出されているということです。

この本は、普通の新書なら2冊分くらいの内容がぎっしりと詰まった労作で、読むのにちょっと骨が折れましたが、アイゼンハワー大統領の「アトムズ・フォア・ピース」宣言以来の、世界の原発輸出入の狙いと、実際の量的推移などの歴史的展望をしっかりふまえ、アメリカをはじめとする核保有国の目論見、日本政府の目論見などをわかりやすく示し、今の日本の原発輸出の狙うところとその問題点を、明確に示した良書です。非常に詳細・綿密に書かれています。僕なりに非常に大雑把にまとめてみると、以下の感じでしょうか。

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かつて日本は、米ソの冷戦構造の中で、アメリカとの思惑が一致し、アメリカから原発を輸入して、沢山の原発を作ってきた。その裏には、日本政府の核保有願望もあった。世界でも原発が増えていった。

しかしスリーマイル島、チェルノブイリと大事故が起こり、原発先進諸国では新規原発の建設は著しく減少した。その後アメリカでは「ニュークリア・ルネッサンス」の掛け声で原発を復興させようとしたが、もはや原発の危険性、高コストで経済的に割があわないことが露呈し、それはまったく滞っている。そこに福島事故が起こった。

もうアメリカでも日本でも新規の原発需要は見込みが乏しい。なんとか日米共同で海外輸出に需要を切り拓かないと、原発技術が途絶えてしまう。一方で、世界の原発は老朽化を迎えて2030年ごろまでに多くが廃炉を迎える。それまでに原発を輸出して原発技術を保っておけば、2030年ごろからの原発リプレースに対応できるだろう、と原発を維持したい人々は考えている。

すなわち原発輸出は、世界的・長期的には今後先細りになっていく原子力発電を、ともかく延命させるということが目的化している。

日本政府は、福島原発事故があっても、まったく反省ないどころかますます強く、原発輸出を推し進めている。そのためにいろいろな形で税金が投入されることになる。しかし原発建設には長期的な時間がかかり、相手国の政権交代による方針変更や市民運動ほか、いろいろな大きなリスクがある。(これまでに日本の原発輸出の試みが中途で失敗した事例が、本の中でいくつか紹介されています。)
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細かなところは違っているかもしれませんが、大体上のようなことが詳しく書かれています。著者は最後に指摘しています。

「核エネルギー利用を維持したい勢力が狙っているような“第二の原発建設ブーム”が現実に興るかどうかは、依然として未知数だ。日本政府はそうしたブームが興る(より正確には、興すことができる)ことを前提に、原子力輸出に公的資金を注ぎ入れている。本文でもたびたび言及しているように、それは現世代と将来世代に莫大な借金をしながら、原子力産業の海外進出に投資しているに他ならない。」

国内の放射性廃棄物だけでも将来世代に対して大変な負担を押し付けているのに、それ以上の負担が上乗せされるということですね。

かつてアメリカから原発を輸入し、原発列島になった日本。福島事故で大規模放射能汚染を引き起こし、収束できない日本。その日本が、今度は原発を輸出して、発展途上国を原発ラッシュにする。原子力産業を維持するという目的のために。

そんなことしていいのでしょうか。







Last updated  2014.09.04 00:39:37
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2013.07.20
この2ヵ月仕事で非常に忙しい日々でした。ようやく一区切りがついたので、久しぶ
りにブログを書きます。

もうすぐ選挙。
「原発に依存しない社会を目指そう」と良く耳にします。大賛成です。

考えるに今の日本、もう「原発に依存しない社会」は実現していますよね。
だって原発がほとんど止まっていて、電気は充分足りているんですから。

電気は足りている。
しかし余分なものがある。

「原発に依存する会社」です。

日本の社会全体のためでなく、自分たちの会社の経営のため、自分たちの利益のため
に、原発に依存している電力会社。

電力会社だって、そもそもは原発なんかやりたくなかった。
それをいろんな法律を作って誘導してきたのが日本の政治ですよね。
福島事故があっても、
いまだに、なんのためかわかりませんが、原発を推進しようとする政治。

原発に依存する会社は、いりません、原発に依存する政治は、いりません。

心底、そう思います。

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Last updated  2013.07.20 20:23:53
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2013.05.03
中東歴訪中の首相、原発輸出に精力的ですね。

○共同通信社のニュースを引用します。
http://www.47news.jp/news/2013/05/post_20130503083955.html
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【アンカラ共同】中東を歴訪中の安倍晋三首相は2日夜(日本時間3日未明)、最後の訪問国トルコに到着した。エルドアン首相との首脳会談に臨み、アラブ首長国連邦(UAE)に続き、日本の原発輸出を可能にする原子力協定に署名する見通しだ。

 安倍首相は今回の中東歴訪でサウジアラビアとも原子力協定締結交渉入りに向けた事務レベル協議開始で一致した。日本の原子力関連技術を輸出しやすくする環境を整備し、安倍政権が目指す成長戦略に取り込む狙いがある。

 エルドアン首相との会談では、日本とトルコの経済連携協定(EPA)交渉開始に向け、意見交換するとみられる。

2013/05/03 08:34 【共同通信】
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○産経新聞には、首相を強く応援する記事です。見出しからしてすごいです。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130501/plc13050121010018-n1.htm
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「最高の耐震技術で協力 安倍首相、トルコ原発受注獲得に意欲」
2013.5.1 21:00
 安倍晋三首相はトルコのジハン通信が1日報じたインタビューで、日本が受注を目指すトルコのシノップ原発建設について「日本は地震に強い、世界で最も高い安全基準を満たす技術でトルコに協力したい」と述べ、地震国での原発受注の獲得に強い意欲を示した。
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日本が最高の耐震技術って、どういうことでしょう??

○これらに関連して、ブログ「四丁目でCan蛙」さんに素晴らしい記事がありましたので、
是非ご覧ください。

http://d.hatena.ne.jp/cangael/20130502/1367469818

です。






Last updated  2013.05.03 17:52:28
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2013.04.17
東京新聞4月17日朝刊に
「大飯原発 停止認めず 大阪地裁 仮処分却下」
という腹立たしい記事が載っていました。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013041702000113.html

です。(以下全文引用です。)
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 関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)は、地震によって重大な事故が起きる危険性があるとして、近畿を中心とした八府県の住民約二百六十人が運転停止を求めた仮処分の決定で、大阪地裁は十六日、「合理性がある安全上の基準を満たしている」として、住民の申し立てを却下した。

 3、4号機は昨年七月に運転を再開し、国内で唯一、運転中。東日本大震災以降、各地で原発の安全問題を追及する訴訟が相次いでいるが、東京電力福島原発以外の運転の可否に対する司法判断は初めて。

 小野憲一裁判長はまず、福島原発事故後に国が示した安全性に関する基準を検討。ストレステスト(耐性評価)の評価項目や再稼働に当たっての判断基準、緊急安全対策の内容は「福島事故の教訓を踏まえ、現在の科学技術水準に照らし、相当な根拠と合理性がある」と判断した。その上で3、4号機は対策を実施しており「国が示した基準を満たしている」と結論付けた。

 住民側は、三つの活断層が連動する地震が起きれば、核分裂反応を抑える制御棒が原子炉に入るのが遅れると主張したが、決定は「具体的な危険性があるとは認められない」として退けた。

 さらに「敷地内に活断層がある」との主張についても「現状では活断層と認める証拠はない」と否定。大津波の危険性についても「原発の安全限界を超える大津波が襲来する可能性は認められない」とした。

 住民側は昨年三月に申し立て、当事者の主張を聞く審尋が八回開かれた。仮処分は通常の民事訴訟で争っていては時間がかかることから、暫定的に行われる手続き。住民側は決定を不服として即時抗告する方針。
(引用おわり)
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電力会社の主張をそのまま無批判に認定した、ありえない司法判断ですね。
福島事故があって、なんでこのような判決がでるのか。。
こういう裁判官を弾劾する制度はないものでしょうか。







Last updated  2014.08.26 15:40:33
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2012.10.22

朝日新聞10月22日の記事を引用します。
http://newsmail.asahi.com/c/acmuawqi6fpr5Wam

(以下引用)
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○東電、東通村にも「寄付」 原発事故後に7600万円

東京電力が福島第一原発事故後、青森県東通(ひがしどおり)村に対し、7600万円を支払っていたことが朝日新聞の調べでわかった。東電は東通原発(同村)の建設費として処理したが、経済産業省は「寄付金に近い」と判断している。

 東電は事故後、同じ名目で隣の同県六ケ所村にも約2億7千万円を支払っていた。東電は今年5月、賠償に伴うコスト削減策として寄付金の廃止を表明しており、両村への支出について「寄付金とは異なる」と説明している。

(中略)

 経産省は今年7月、東電の家庭向け電気料金の値上げ申請を受けた審査で、東電の両村への支出について「電気を供給するうえで必須とはいえず、寄付金や地元対策費に近い性質を持つ」と判断。今年度分以降の支出について、電気料金算定の基礎となる経費「原価」に組み込むことを認めなかった。

 朝日新聞の取材に対し、東通村経営企画課は「東電からの入金はない」と説明していた。しかし、朝日新聞が8月、六ケ所村への入金を報道すると一転して事実を認め、「支払いがあったことを確認した。質問に対する誤認があり、おわびする」と文書で回答した。

 東通村は東電や東北電からの入金を決算上、「雑入」に組み込み、金の出どころや金額、使途を明記していない。同課は「東電などから非公開にすることを求められている」と説明している。

(後略)
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(引用終わり)

経営が苦しいといいながら、多額の「実質寄付金」を現地に払っている東電。しかもそれを 「非公開にすることを求め」ていた。受け取った東通村も、当初「東電からの入金はない」と説明していた。

福島の人々への賠償はけちっても、こんなことに多額のお金を使い続けている東電です。







Last updated  2012.10.22 11:53:12
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2011.10.02

古賀茂明さんが9月26日、ついに経産省を辞めました。残念です。氏のプロフィールを書くと、

東大卒後、通産省(現経産省)に入省。
2008年国家公務員制度改革推進本部事務局の審議官に就任し、急進的な改革を次々と提議、「改革派の旗手」として有名になる。
省益を超えた政策を発信し、公務員制度改革の必要性を訴え続けた。
2009年9月、民主党が政権をとり、古賀氏は仙石由人行政刷新担当大臣から大臣補佐官就任を要請されるにいたった。
しかし2009年末、突如として古賀氏は経産省に戻され、大臣官房付の閑職に据え置かれ、その後仕事を与えられない状態が続いた。
今年6月には同省幹部から退職を進められていた。氏は海江田経産省大臣(当時)、そして枝野経産省大臣に仕事への意欲をアピールしたが受け入れられず、辞職にいたった。

古賀さんが書いた講談社の「日本中枢の崩壊」は、買ってはみたものの、ぶ厚さにひるんで、まだ読んでません(^^;)が、PHP新書「官僚の責任」を読みました。この本、実に明快に現在の日本の官僚の問題点が記されています。

たとえば、天下りについて。同書第二章の一部、天下りはなぜ悪なのか(56-59ページ)から引用してみます。(” ”が引用部分です。)
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”誤解を恐れずに言えば、私自身は、天下りというシステムは必ずしも否定されるものではないと考えている。”

”広義にとらえれば、それは一つの転職であり、その人間が持っている知識やナウハウ、技術を活かすことにもつながる。それが国民のためになれば、決して悪いことではない。
ところが現実にはそうなっていない。だから天下りは悪であり、禁止されなければならないのである。
禁止されなければならない理由の第一は、キャリア官僚の独法や公益法人への天下りが、霞ヶ関の人事ローテーションにがっちり組み込まれていることにある。このため、毎年のようにそのポストを退職者にあてがえるよう、ポストの確保と維持が至上命題となっており、天下った人間にもそれなりの仕事が必要ということで、無駄な仕事と予算がどんどんつくられてしまう。さらに、受け皿が足りない場合は、適当な理屈をつけて新たな団体を立ち上げるようになる。また、民間企業に天下る場合、その役人が優秀な人材であればいいのだが、現実には必ずしもそうではないわけで、一種の体のいい人員整理といった側面が強い。 そういう、企業にとって不必要な人間を受け入れるためには、それなりの見返りやメリットがなければならない。そこで、その企業に対していわば阿吽の呼吸で 便宜を図るようになる。これがもう一つの理由である。”

”要するに、省庁では活用する場のなくなった知恵やナウハウを、国民生活を向上 させ るべく独法や民間などで再利用するために天下りがあるのでなく、ひたすら自分たちの生活を守るためにあり、しかも無能な人たちに高給を保障するために税金 が使われる。だからこそ天下りは悪であり、禁止しなければならないのだ。”
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それから、利権について。同書第三章の一部、利権拡大が「目に見える成果」(133-135ページ)を要約・引用してみます。(” ”が引用部分です。)
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官僚の主な仕事は、政策を実行するための法律を作り、運用することである。それなら官僚は、その政策が社会に及ぼした効果で、評価されるのだろうか。否。

ある政策を実行した結果、社会になにがしかの効果が出たとしても、その効果が本当にその政策のためなのかどうかを評価すること自体が難しい。そもそもそう した政策・法律の策定・運用には短くても二年はかかるし、具体的な効果が出るにはさらに何年も先になる。したがって、普通1~2年で異動を繰り返していく 官僚が業績としてアピールするには、もっと「目に見える官僚のための成果」を出すことが必要になる。そのために彼らはどうするか。

”いちばん手っ取り早いのが、役所の利益権限をどれだけ拡大したかということになってしまう。だから、法律を作ると同時に予算を取り、関連団体を作る。そうすることで、「私は天下りポストを一つ作りました。」、あるいは「数百億もの予算を取ってき て、民間に配分する権限をこれだけ拡大しました。」と成果を公言できる。役人にとっては、これが民間企業における営業成績になるわけだ。言うなれば、利権 が官僚にとっての「売り上げ」なのである。”

かくて、法律作成の作業にさいしては、

”すなわち、権限と予算と天下りポスト。
この3点セットをつけることを自動的に考えるように思考回路が形成されているのだ。

たとえば何か国民を巻き込む事故が起こったりしたとき、「今後それを防ぐためにこうします」と政策が発表されると、一般の人は「国が支援してくれるのか。厳しく取り締まってくれるんだな」と思うだろうが、官僚の感覚ではこうなる。
「ああ、またナントカ協会をつくって、金をバラまくのだな・・・・・」”
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なるほど。なんとなくわかっているようでわからなかった天下りや利権って、そういうことなのか、とわかりました。

しかも、官僚がこういった権限拡大を目指すと、結局のところ、異なる省同士で権限の争いになり、「国のため」でなく「自分の属する省のため」、すなわち「国益」でなくて「省益」のために動く、という発想になってしまう、ということ。

日本全体のことは考えない、ともかく自分の省の力を拡げ、ポストを増やし、自分の同僚や後輩が高い地位と高給をとっていい生活ができればいい。

・・・これでは本当に日本は滅びます。こういう方面にまったく疎かった僕でも、とてもわかりやすく、いまさらながら、危機感がつのります。


ではどうすればいいのか。ただ単に公務員の数を減らし、給料を下げるだけではだめだ、と古賀氏は言っています。
官僚が、国民のことを考えて働いたら報われず、省庁のために知恵を絞ったら高い評価を得られる今の構造が問題、それを変えなくてはならない。それが真の公務員制度改革だ、と古賀氏は指摘し、そのために具体的な提言をしています。

古賀氏によれば、少し前までは経産省自体にも、改革に向かう方向を許すだけの度量があったということです。だからこそ古賀氏がその方向で活動をできたわけですね。だがいつしか、守旧派、つまり急進的な改革をのぞまない人たちが経産省の主流になっていき、ついに古賀氏は辞職に追い込まれてしまいました。

原子力発電をこれからも続けるというのは、日本全体のことを考えたらありえない選択です。しかし、経産省の守旧派官僚を中心とした原子力ムラの人々にとって は、日本はどうなっても良く、自分たちの巨大利権のかたまりである原子力発電をなんとか続けたいと躍起になっているんですね。

古賀氏のような方こそ、本来の官僚の世界の中で活躍することが、もっとも有効に力を発揮できたことでしょう。その意味で残念です。

古賀氏が経産省を辞職した当日(9月26日)夜の「たけしのテレビタックル」に出演されていたのを見ました。再就職先は未定だが、改革派の政治家や首長に対して、政策立案のお手伝いをしたい、と話されていました。古賀氏のこれからの活躍に、大きく期待したいです!

古賀茂明官僚の責任.jpg

古賀茂明著 「官僚の責任」
PHP選書745
2011年7月29日第一版第一刷発行

 







Last updated  2011.10.04 21:40:11
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2011.06.08

急激に強くなった菅首相批判。その大きな理由に原発があるという鋭い記事が、
6月3日の東京新聞「こちら特報部」に載りました。ご存知の方はご存知でしょうけれど、貴重な記事なので、ご紹介しておきます。
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(まず、記事の前半部分を引用します。)

菅降ろしに原発の影
 不信任決議案や党分裂の最悪の事態こそ回避したものの「辞意表明」へと追い込まれた菅直人首相。首相としての求心力は放棄したのも同然だ。それにしても「菅降ろし」の風は、なぜ今、急に、これほどの力を得たのか。背後に見え隠れするのは、やはり「原発」の影だ。初の市民運動出身宰相は、この国の禁忌に触れたのではなかったか。

 今回の「不信任案政局」を振り返ると、菅首相が原子力政策の見直しに傾斜するのと呼応するように、自民、公明両党、民主党内の反菅勢力の動きが激化していったことが分かる。首相は5月6日、中部電力に浜岡原発(静岡県御前崎市)の原子炉をいったん停止するよう要請。18日には、電力会社の発電、送電部門の分離を検討する考えを表明した。
 さらに事故の原因を調べる政府の「事故調査・検証委員会」を24日に設置。25日には外遊先のパリで、太陽光や風力など自然エネルギーの総電力に占める割合を2020年代の早期に20%へと拡大する方針も打ち出した。
 自民党の谷垣禎一総裁も17日、不信任決議案を提出する意向を表明し、公明党の山口那津男代表も即座に同調した。表向きは「東日本大震災の復旧・復興に向けた2011年度第二次補正予算案の今国会提出を見送った場合」という条件を付けたが、原発をめぐる首相の言動が念頭にあったことは間違いない。
 実際、自民党の石原伸晃幹事長は6月2日、不信任案への賛成討論で、「電力の安定供給の見通しもないまま、発送電の分離を検討」「日本の電力の三割が原発によって賄われているのに、科学的検証もないままやみくもに原発を止めた。」と攻撃。菅降ろしの最大の理由の一つが原発問題にあることを“告白”した。
 民主党内でも、小沢一郎元代表周辺が5月の大型連休後、不信任案可決に向けた党内の署名集めなど多数派工作をスタートさせた。24日には、小沢氏と、菅首相を支持してきた渡部恒三最高顧問が「合同誕生会」を開催。渡部氏は、自民党時代から地元福島で原発を推進してきた人物だ。
 日本経団連の米倉弘昌会長はこの間、首相の足を引っ張り続けた。浜岡停止要請は「思考の過程がブラックボックス」、発送電分離は「(原発事故の)賠償問題に絡んで出てきた議論で動機が不純」、自然エネルギーの拡大には「目的だけが独り歩きする」という具合だ。
 金子勝慶大教授は、福島第一原発の事故について「財界中枢の東電、これにベッタリの経済産業省、長年政権を担当してきた自公という旧態依然とした権力が引き起こした大惨事だ。」と指摘する。
 当然、自公両党にも大きな責任があるわけだが、「菅政権の不手際」に問題を矮小化しようとする意図が見える。
 金子氏は、不信任案政局の背景をこう推測する。「菅首相は人気取りかもしれないが、自公や財界が一番手を突っ込まれたくないところに手を突っ込んだ。自公は事故の原因が自分たちにあることが明らかになってしまうと焦った。それを小沢氏があおったのではないか」

(引用ここまででひとまず終わり。)

そして記事の後半部分では、
与野党に「電力人脈」
という見出しで、中曽根康弘元首相に始まる原発推進政策のなかで、自民党と電力会社に長く続いている蜜月関係を指摘しています。それらを列挙すると、
○ 九電力会社の会長、社長、役員らが自民党政治団体へ個人献金していること。
○ 98年から昨年まで自民党参院議員を務めた加納時男氏が元東京電力副会長で、自民党政調副会長などとしてエネルギー政策を担当し、原発推進の旗振り役を努めたこと。

民主党にしても同様です。
○ 民主党の小沢元代表についても、90年当時に自民党幹事長だったとき日米交流を目的とした「ジョン万次郎の会」を設立した際に、東京電力の社長、会長を務め、90年から94年まで経団連会長だった平岩外四氏の大きな支援があったとされること。この会は名称を変えた今でも小沢氏が会長で、東京電力の勝俣会長 が顧問に名を連ねていること。
○ 「(原発事故は)神様の仕業としか説明できない」などと東京電力擁護の発言をしている与謝野肇経済財相も、上記の会の副会長をしていたこと。与謝野氏は政界入り前に日本原子力発電の社員だった経緯もあること。

さらに、電力会社の労働組合である電力総連は、民主党を支援していて、労働組合とはいえ労使一体で、原発推進を掲げてきたこと。電力総連は、連合加盟の有力労組であり、民主党の政策に大きな影響を及ぼしてきていて、組織内議員も出していて、参院議員には東京電力労組出身の小林正夫氏、関西電力労組出身の藤原正司氏らがいること。

これらの事実を列挙したあと、記事は以下のように締めくくられています。

“つまり、エネルギー政策 の見直しを打ちだした菅首相は、これだけの勢力を敵に回した可能性がある。結局、菅首相は「死に体」となり、発送電分離や再生可能エネルギー拡大への道筋 は不透明になった。「フクシマ」を招いた原子力政策の問題点もうやむやになってしまうのか。すべてを、「菅政権の不手際」で”収束”させるシナリオが進行 している。”

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記事の紹介が長くなってしまいました。読んでいただいた方、ありがとうございます。

菅首相が浜岡原発を止めたのは、アメリカの指令に従っただけという説もありますし、「思いつき」と批判する人もいます。しかし理由はどうあれ、脱原発の契機になるかもしれない、意義の大きい決断だったと思います。

菅首相が退陣したあと、そういうことを「思いつく」可能性すらゼロの人々が政策を決めていく世界に戻ってしまうのでしょうか。そしてこれほど危険性があらわになった原子力発電が「安全性を強化したからもう大丈夫です」とされて、延々と続いていくのでしょうか。。。次の大地震の日まで。







Last updated  2011.06.09 23:26:54
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