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じゃくの音楽日記帳

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演奏会(2013年)

2014.01.09
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カテゴリ:演奏会(2013年)
2013年演奏会のまとめの最後に、自分にとってのベストコンサートをあげておきます。いつもと同様に、順位にはそれほど大きな意味はありません。自分が受けた感動の大きさという視点に、演目の稀少度(自分にとっての貴重度)なども加味した、あくまでパーソナルな (自分勝手な)ランキングです。

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1. マーラー3番 アルミンク/新日フィル 8/3 (すみだトリフォニー)
2. ラヴェル 歌劇「子どもと魔法」 大植英次/大フィル 7/24 (シンフォニーホール)
3. チャイコフスキー5番 大植英次/東フィル 6/7 (サントリー)
4. マーラー6番 アルミンク/兵庫芸術文化センター管 10/13 (兵庫県立芸術文化センター)
5. マーラー2番 大植英次/大フィル 4/26 (フェスティバルホール)
6. ライマン 歌劇「リア」 下野竜也/読響 11/10 (日生劇場)
7. ブルックナー5番 アルミンク/新日フィル 4/11 (サントリー)
8. ブルックナー9番 ハイティンク/ロンドン響 3/10 (みなとみらい)
9. 神尾真由子 ヴァイオリンリサイタル 10/15 (東京オペラシティ)
10. ラヤトン  11/25 (武蔵野市民文化会館小ホール)
その他 ウィーン・シュルツ室内合奏団と吉野直子 5/27(武蔵野市民文化会館小ホール)
     ピアソラ「ブエノスアイレスのマリア」バルタール・小松亮太ほか 6/29 (東京オペラシティ)
     マーラー3番 現田茂夫/TAMA21交響楽団 10/14 (府中の森芸術劇場どりーむホール)
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ベスト10のうち6つが、アルミンクと大植さんによる演奏会です。
僕にとって、このお二人による名演群を中心にまわった2013年の音楽生活でした。

これに加え僕の初体験の曲や演奏者としては、ライマンのオペラの衝撃と、「ラヤトン」のアカペラの美しさとの出会いが収穫の年でもありました。

2014年も、音楽から受ける感動を糧に、日々を過ごしていきたいと思います。






Last updated  2014.01.09 23:34:48
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2014.01.08
カテゴリ:演奏会(2013年)
2013年印象に残ったコンサートの最後は、声楽編のその3、合唱です。

合唱のコンサートは、6回行ったすべてを書き出しておきます。

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 6月12日 タリススコラーズ結成40周年コンサート   東京オペラシティ
 8月 9日 テルツ少年合唱団               みなとみらい
11月25日 ラヤトン(北欧のアカペラグループ)     武蔵野市民文化会館小ホール
11月26日 チェコ少女合唱団 イトロ            日経ホール
11月28日 同上                        東京カテドラル関口教会 聖マリア大聖堂
12月11日 チェコ少年合唱団 ボニ・プエリ        東京文化会館小ホール
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タリススコラーズを聴くのは何回目になるのでしょうか。いつものように素晴らしい合唱を聴かせていただきました。このところ、響きのよい東京オペラシティで歌ってくれるのが、とてもありがたいです。本当はもっと残響の長い、響きのよい教会で聴いたら、さらに良いのでしょう。

昨年は児童合唱を3グループ聴きことができました。いずれも初めて聴くグループでした。ひとつめは名にし負うテルツ少年合唱団で、さすがにひとりひとりの声の美しさが印象的でした。ただし指揮者が若くて、指揮ぶりがやや単調で、この子たちの真価を引き出せていないように思えたのは、僕だけでしょうか。。

ふたつめは、チェコの少女合唱団イトロです。11月26日の日経ホールは、かなりデッドな会場で、合唱にはハードな環境でしたが、それでも美しい響きを本来持っている合唱団であることは、はっきり感じられました。とくに自国チェコの民謡や、それに基づく作品は、のびのびと歌い、生き生きした息吹きがあり、とても魅力的でした。ピアノの伴奏も、時々みかける合唱のおまけのような伴奏ではなく、繊細な味わいを持つしっかりした伴奏でした。それから、アカペラの曲が多くセンスの良いプログラミングも、この合唱団の魅力を味わえた理由の一つと思いました。

この二日後には、同じイトロによる、目白の東京カテドラル関口教会聖マリア大聖堂でのコンサートを聴きました。ここは十分に長い残響がある空間なので、彼女たちの響きの美しさが充分に味わえました。彼女たちも日経ホールよりずっと歌いやすかっただろうと思います。この日のプログラムは、一昨日よりもさらに一段と考えられたもので、前半の最後に歌われたのが中村雪武さんという方の作曲による「虹よ永遠に~真実井房子原爆体験記より~」という、原爆の悲惨さをストレートに真摯に歌った重い曲でした。この合唱団の今回の日本ツアーは、約3週間全国をまわるもので、うち福島も訪れて歌ったそうです。福島でのプログラムが何だったのかはわかりませんが、この原爆の歌は、明らかに原発震災に被災している福島の方々への応援メッセージであるし、脱原発のメッセージもこめられたものと思います。(プログラムの文章には何も書かれていないけれど、それだけに、訴えかけの強さを感じます。)このメッセージ、日本人として本当にありがたいです。帰りに彼女たちへの応援の意味をこめて、この合唱団のCDを、マルティヌー作品集ほか、計5枚買って帰りました。

三つめは、チェコ少年合唱団ボニ・プエリ。彼らもまた、東京では東京カテドラル関口教会聖マリア大聖堂でのコンサートと、東京文化会館小ホールでのコンサートの2回を行いました。教会では祈り系の歌をメインとしたコンセプトで、東京文化会館では楽しいクリスマスコンサートのコンセプトで行われたようです。是非とも教会のほうを聴きたかったのですが、日程的に都合がつかず、東京文化会館のほうに行きました。団員の少年の日本語によるお話を随所にはさんだ、サービス精神あふれる、楽しいクリスマスのコンサートでした。しかし、歌唱そのものの完成度は正直今一つでしたし、アカペラの曲がごく僅かしかなく、ピアノ伴奏に繊細さが乏しかったことなどから、個人的にはもの足りなさを覚えた演奏会でした。カテドラルの響きの中での祈り系の歌を聴いたら、また違った印象になったかもしれないです。

それにしても、児童合唱は本当にいいものです。はるばる日本に来てくれた子どもたち、ありがとう!

さて昨年の合唱で一番感銘を受けたのは、北欧はフィンランドのアカペラグループ、ラヤトンの公演でした。男声3人、女性3人の6人からなるこのグループのことはまったく初耳でしたし、公演のチラシには、「もしかしてPAを使うかもしれない」という断りも書かれてあったので、あまり期待しないで臨みました。しかしこれが素晴らしかったです!まず発声が、あるときは正統的な西欧系の発声、あるときは民族的な発声と、その両者がうまく交代したり混ざりあう、独特なものでした。さらに、ひとりひとりの声の質がそれぞれ相当に異なっていて、異質な6人の声が適度にぶつかりあうそのブレンド感がユニークで絶妙でした。豆腐にたとえれば、絹ごしでなくて木綿ごしですね(^^)。曲目は、フィンランドほかのヨーロッパのさまざまな国の伝統歌、クリスマスの歌、それから「となりのトトロ」など、静かな祈りから楽しく浮き浮きする曲まで、多彩で素敵なプログラムでした。曲のいくつかはメンバーの編曲になるものということでしたが、その編曲のセンスも実に素晴らしかったです。ちょっと心配だったPAも、結局まったく使われませんでした。もしも大きな会場だったり響きが厳しい空間だったらPAを使ったのだと思いますが、会場の武蔵野市民文化会館小ホールは小さくて響きが豊かで美しく、このようなアカペラグループには理想的な場所でしたので、PAを使わないですんだのでしょう。(実は2003年の彼らの日本での最初のコンサートが、この会場だったそうです。)

ラヤトン。昨年の僕の音楽的出会いの最大の収穫になりました。次回の来日が非常に楽しみです。






Last updated  2014.01.09 01:57:29
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2014.01.07
カテゴリ:演奏会(2013年)

続いて2013年印象に残った演奏会、声楽編その2、オペラです。コンサート形式のものも含めて書きます。

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 2月21日 J.シュトラウス二世 「こうもり」 二期会/大植英次(指揮)/白井晃(演出)/都響  東京文化会館
 6月29日 ピアソラ 「ブエノスアイレスのマリア」 バルタール(歌)、小松亮太(バンドネオン)ほか  東京オペラシティ
 7月24日 ラヴェル「子どもと魔法」 大植/大フィル シンフォニーホール
 9月 3日 モンテヴェルディ「ポッペアの戴冠」 アントネッロ   川口リリア音楽ホール
11月10日 ライマン「リア」 二期会/下野竜也(指揮)/栗山民也(演出)/読響 日生劇場
12月 4日 モンテヴェルディ「オルフェオ」 アントネッロ   川口リリア音楽ホール
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大植さんが日本で初めてピットに入りオペラを振った二期会の「こうもり」は、ともかく楽しい上演でした。きびきびしてメリハリのある中に、歌わせるところはたっぷりと歌わせる大植節は今回も快調。途中、酔った看守がオケピットの中にオーウェーっと吐きそうになると、親切にもホルン奏者がホルンのベルを上にかざして受け止めてあげようとするし、その声を聞いた指揮者は指揮者で「オーウェー、エイジー!」と叫ぶし、波瀾万丈抱腹絶倒。歌もせりふもすべてが日本語による上演で、子供にも(僕にも)わかりやすかったと思います。急に禿げ頭が露呈したりすると客席の子供が大声で笑ったりして、老若男女がリラックスして楽しめた上演でした。大植さんのインタビューを見ると、「生きているといろんなことがある、でも『こうもり』を観ている時間はそれも消えて幸せな気持ちになれる。東日本大震災があって、今、日本に大切なものはスマイルだと思うから。この作品が求められている時代なんじゃないでしょうか」「僕は、みなさんに笑顔になっていただきたいんですよ。劇場にいる最初から最後まで楽しんでいただいて、ここにいる時間は何も心配しなくていい、平和なひとときを提供したいんです。」とあります。こういった大植さんの狙いが、大成功した上演でした。

(これであらかじめ予定された大植さんと都響の共演はすべて終わりました。今後はいかに??)

ピアソラのブエノスアイレスのマリアは、以前クレーメルたちの演奏(コンサート形式)を渋谷シアターコクーンで聴きました。器楽、歌とも最高で、至福の体験でした。それ以来久々にこの作品の上演(コンサート形式)に接することができました。小松亮太さんの他には出演者のことは何も知らずに行きました。会場に行ってプログラムをみたら、女性の歌い手のアメリータ・バルタールさんという方は、この曲の1968年の録音時に主役マリアを歌い、のちにピアソラと結婚し5年間ピアソラの妻だったという方!世界中で歌手、女優として活躍されているということです。この方の歌が、ものすごい存在感があって素晴らしかったです。特に第12場の精神分析医のアリア、魂からしぼり出すような歌唱が圧巻でした。今回が初来日ということですが、この曲のマリアをこの方の歌で聴けて、得難い体験でした。小松亮太さんのバンドネオンは、やや控えめで、バルタールさんへのリスペクトが大いに感じられ、これもまた良かったです。

7月のラヴェルの「子どもの魔法」(コンサート形式)は、記事にした通り、大植さんと大フィルならではの、しかもシンフォニーホールならではの、夢のような、まさに魔法のような、美しい幸せなひとときでした。今思い出しても溜め息が出てしまいます。

 

濱田芳通さん率いる古楽グループのアントネッロが、モンテヴェルディの現存するオペラ3本を順次とりあげるという意欲的なプロジェクトが始まりました。カウンターテナーで活躍する弥勒忠史さんの演出によるシリーズです。昨年は第1回「ポッペアの戴冠」、第2回「オルフェオ」が上演されました。ポッペアの戴冠は、2009年のBCJらによる演奏で初めて聴き、ついで2011年5月にくにたちiBACHコレギウムの演奏で聴きました。どちらもモンテヴェルディの音楽の美しさに感動しました。特に後者は、2011年のマイベストコンサートの1位に選んだものです。これはポッペア役の阿部雅子さんをはじめとしたすばらしい上演で、涙々で心洗われた特別な体験でした。これらのすぐれた演奏に続き、今回が3回目となる僕の「ポッペアの戴冠」体験でしたが、これらと異なる方向性の表現に、いささか戸惑いを覚えてしまいました。打楽器などで現代的・開放的な楽しさを加えたのは濱田さんらしくていいとしても、音楽の静謐な美しさを生かさない伴奏には、大いに疑問を感じました。

それが象徴的に表れていたのは、劇半ばで、乳母アルナルタが王宮の庭で、眠りについたポッペアのそばで、「ぐっすり眠りなさい」と歌うアリアでした。このアリア、僕は最初にアップショーの「ホワイト・ムーン」というCDに入っているのを聴いて知って、大好きになりました。このCDでは、中性的なアップショーの声が、アサド兄弟の編曲とギター伴奏(必要最小限に切り詰められた音!)にのって、ほのかな月あかりに照らされているかのような静謐な美しさをもって歌われています。過去に2回接したポッペアの戴冠の上演でも、同じように切り詰められた音による、静謐な美しさに満ちた歌と伴奏に、心打たれたものでした。ところが今回のアリア、カウンターテナー上杉さんの歌唱は別としても、伴奏が、普通の伴奏とまったく異なる音型で弾かれ、静謐な美しさに著しく欠けていました。確かにメロディーはあのアリアなのに、伴奏だけ聴いていたら同じ曲とは思えない変貌ぶり。もちろん普通の伴奏と違っていても、このひそやかで美しい音楽の魅力を保っているのなら良いのですが、それがまったく損なわれてしまっていました。。。このアリアの伴奏表現に象徴されるように、この上演は、モンテヴェルディの音楽の大きな魅力の一つである、静かな秘められた美しさの表現が、著しく不足していました。つまるところ濱田さんが、モンテヴェルディの音楽にそういうことを求めていないということだと思います。。。

歌手陣では、なんといってもネローネを歌った弥勒さんの圧倒的な声量、存在感の前に、ほかの出演者がかすんでしまった感がありました。そもそもこのリリア音楽ホールは、比較的よく響くいいホールですけれど、客席600の中ホールですので、弥勒さんが持てるパワーで目いっぱい歌ったため音が飽和して、ちょっと聴きにくくなってしまいました。他の出演者とのバランスも考えて少しセーブしていただいたら、さらに良かったかなと思います。他の出演者の中では、ドゥルジッラ役の末吉朋子さんという方が、すばらしい歌唱で光っていました。それにしても、弥勒演出によるオペラといえば、2009年のパーセルアニバーサリーイヤーに横須賀で上演されたパーセルのディドーとエネアスは、もっと美しくて格調高かったのですが、今回は、美しさよりも娯楽性を追及した路線になっていました。


アントネッロ&弥勒演出によるモンテヴェルディ・オペラシリーズ第2回は「オルフェオ」でした。モンテヴェルディのオルフェオは、2007年の北とぴあ国際音楽祭で、寺神戸さんらによる上演をみました。僕が初めて体験したモンテヴェルディのオペラでした。音楽のすばらしさに加え、能の要素をうまく取り入れた気品ある大変格調高いステージで、これはもう最高でした。さて今回は、前回の「ポッペアの戴冠」から、アントネッロ&弥勒演出の求めるものの方向性は分かったつもりだったので、そのような心構えで臨みました。やはり想像したとおりの路線で、そこを割り切ってみれば十分に楽しめました。悪い意味ではなく、大衆路線というか、一大エンターティンメントショーのような、人間ドラマとスペクタクルショーを見るような迫力が楽しめました。器楽演奏は、途中でかなり現代感覚にあふれた打楽器隊などが参入したのは前回同様でしたし、今回はそのうえさらに、強力な金管軍団が多数参加し、ときどき荒々しい音を吹き鳴らし、古楽オペラとしては型破りでした。

極めつきは、劇半ばの黄泉の国の場面で、いつのまにか前方の客席の左右に分かれて座っていた黒服の大合唱団が突如立ち上がって、大迫力の合唱を歌ったところでした。会場全体を包み込むその空間効果は超強力で、まるでマーラーの8番を聴いているような、大スペクタクル的醍醐味がありました。しかも、地獄の底から湧き起ってくるその恐ろしいパワーは、オルフのカルミナ・ブラーナ冒頭に匹敵する凄味さえあったとも言えましょう(^o^)。モンテヴェルディの音楽からこういう魅力を引き出す濱田&弥勒コンビは、ユニークな才能というべきでしょう。歌手陣については、主役のオルフェオは太陽神アポロの子なのですから、半神半人の神的な雰囲気が漂ってほしかったのですが、そういう雰囲気は皆無。まったくの人間的な存在に終始していたのが、とても残念でした。しかしこれも濱田&弥勒チームの求める路線なのだとすれば、仕方ありません。僕がモンテヴェルディの音楽からこそ求めたい感動を得ることは困難でしたが、それはそれとして、なかなかに面白い体験ではありました。今年3月には第3回、「ウリッセの帰還」が上演されます。このオペラは僕は初体験です。どんな舞台になるのか、大体想像はつくつもりです。楽しみたいと思います。

オペラ編の最後に特記したいのは、11月に日生劇場で行われた、ライマンの「リア」日本初演。シェイクスピアの「リア王」をオペラ化したものです。ライマン氏の音楽は初めて聴きました。全編に異常な緊張感が張り詰めた音楽で、オケも歌唱もハイレベルで、すごいものを聴かせていただきました!ダブルキャストで、僕の見た日は、3人姉妹の長姉ゴネリル(意地悪なお姉さんですね)役の小山由美さんが、憎々しいまでの貫禄で見事に歌ってくれてました。大植&大フィルのマーラー大地の歌で急遽ピンチヒッターとして出演し、しみじみとした歌唱をしっとり聴かせていただいた方と同じ人は思えないほどでした。プロの技ですね。また末の妹コーディリア役の臼木あいさんも、独特の緊張をはらんだ歌唱が良かったです。栗山演出の舞台も、無駄を排したモノトーンの中に光が効果的で、時折使われる赤い色が血のイメージをこわいほど引き出していました。そして何よりも音楽のすごさ。このオペラ、1978年にドイツで初演されて以来、ヨーロッパではたびたび上演されている人気作品だそうで、本当に見ごたえ聴きごたえがありました。







Last updated  2014.01.09 02:18:00
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2014.01.06
カテゴリ:演奏会(2013年)
続いて2013年印象に残った演奏会、声楽編です。

まずその1として独唱ものでは、 

 1月17日 青木洋也/イギリスの古い歌               近江楽堂
 2月 6日 シュトゥッツマン/マーラー、シューマン、ヴォルフ   トッパンホール
10月23日 カークビー/イギリスの古い歌              白寿ホール
11月12日 コジェナー/「愛の手紙」                  東京オペラシティ

1月17日は、カウンターテナーの青木さんが、高本一郎さんのリュート1本の伴奏で、ダウランドやパーセルなどのイギリスの歌曲を歌った一夜でした。近江楽堂は、今回初めて訪れました。東京オペラシティの一角にある、白い壁が美しい小さな礼拝堂のようなスペースで、見上げると高い天井は十字架のイメージで作られていました。この小さな空間で、数十人ほどの聴衆とともに、青木さんによるダウランドやパーセルを身近で聴けた、素敵な体験でした。青木さんのパーセルプロジェクトは今年も進行するのでしょうか、情報がなかなかはいりにくく、入ったときにはすでに都合がつかず聴けないことが多いですが、今年はチャンスがあれば是非聴きにいきたいと思います。

2月6日はシュトゥッツマンがマーラー、シューマン、ヴォルフらを歌うという魅力的な一夜で、大変楽しみにしていました。しかしこのリサイタル、ひとりの聴衆のためにさんざんなものになってしまいました。リサイタルが始まってまもなく、どこかからか、ごくかすかなハミングのような歌声が、本当にかすかですが、断続的に聞こえはじめました。最初はピアノ伴奏の方が口ずさんでいるのかと思いました。しかしそのかすかな声は、だんだんと大きく、耳障りになってきます。後方の客席から聴こえてくるようです。聴衆のどなたかがシュトゥッツマンさんと一緒に口ずさんでいるのです!ありえないです。あまりのことに、休憩時間に、ホールの人に訴えました。僕の他にも、何人もの人が、ホールの方に、「歌っている人がいる、なんとかしてほしい」と訴えました。しかしホール側の人は、「その声はどのあたりから聞こえてきましたか?」と尋ねるだけで、その後何も手だてを打たなかったようです。たとえば休憩時間の終わりに、「口ずさまないでください」とうアナウンスを流すわけでもなく、何もなく後半が始まりました。そうしたら案の定、後半が始まって間もなく、今度はさきほどよりももっと大きな声で、ハミングが始まってしまいました。もはや会場の全員が耳にはっきりできる音量です。しかも、前半は断続的だったのに、どんどんハミングしている時間も長くなり、最後のころはほぼずっとハミングが聞こえっぱなしでした。リサイタルはもう台無し。シュトゥッツマンさんは表向きはにこやかに歌っていましたが、内心どう思われたでしょうか。前代未聞のリサイタルになってしまいました。ハミングした人の非常識さが大問題ですが、もしかして軽い認知症の始まりとかだったのかもしれません。誰か同伴で来ているのであれば、同伴者がたしなめるべきでしょうし、もし一人で来ていても、休憩時間にたくさんの苦情がでているのですから、ホール側が何か対応してほしかったです。確かに個人を特定するのは困難だったでしょうけれど、せめてアナウンスを流すとかの最低限の対応は、ホールの責任として、おこなうべきだったと思います。特にこれはホール主催の公演なのですから、単に場所を提供すればいいというものではないはずです。

10月にはカークビーさんが来日し、響き豊かな白寿ホールで、リュートのつのだたかしさん1本の伴奏で、イギリスの古い歌曲をじっくり聴かせてくださいました。プログラムの文章につのださんが寄せた文章に、カークビーさんの伴奏ができるなんてリュート奏者冥利に尽きるということが書いてあり、そのお気持ちが伝わってくるリュートでした。舞台上に、水分補給のためにティーカップがひとつおいてありました。良く見かけるペットボトルではなかったところに、イギリスの気品を感じました。ティーカップの中は紅茶だったのでしょうか、それとも水分だったのでしょうか。カークビーさんいつまでもお元気で歌い続けてください。

コジェナーさんを聴くのは、何年か前に、トッパンホールでのリサイタルを聴いて以来です。そのときは、ピアノ伴奏(マルコム・マルティノーさん)が僕の好みの人でなかったせいもあったのか、今一つの印象で、以後コジェナーさんは特に聴かずにすごしていました。ラトル&ベルリンフィルとともに来日してマーラーを歌った時も、コジェナーさんなら聴かなくても良いかな、と思ってパスしていました。しかし今回は、古楽の伴奏でイタリアなどの古い歌を歌うということでしたので、とても興味を覚えて聴きにいきました。伴奏のイタリアの古楽グループ「プリヴァーテ・ムジケ」という団体は今まで知りませんでしたが、ギター、リュート、ヴィオローネ、パーカッションなどで、あるときはデリカシーに富み、あるときは楽しさ充分の、イタリアらしい歌心にあふれた、本当にすばらしい古楽グループでした。この伴奏の上に、コジェナーさんのチャーミングな、ときに劇的な歌を楽しく堪能できた一夜でした。






Last updated  2014.01.07 01:44:53
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2014.01.05
カテゴリ:演奏会(2013年)

続いて2013年器楽・室内楽の演奏会で印象に残ったものです。

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  5月27日 ウィーン・シュルツ室内合奏団と吉野直子 (武蔵野市民文化会館小ホール)
  6月  3日 アンナ・ヴィニツカヤ ピアノリサイタル    (武蔵野市民文化会館小ホール)
10月15日 神尾真由子 ヴァイオリンリサイタル       (東京オペラシティ)
12月16日 シェプキン ゴールドベルク変奏曲ほか   (すみだトリフォニー) 
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武蔵野市民文化会館小ホールでのシュルツ室内合奏団のチケットが売り出されたのは、コンサートまでそれほど日がないときでした。開催が比較的急に決まったのだと思います。チケットをすぐ購入したのですが、そのすぐあとに、体調不良のためシュルツ氏の来日が中止となるとの発表がありました。そしてそのすぐあとに、今度はなんとシュルツ氏の訃報に接することになってしまいました。なんとも残念なことに、日本での一連のコンサートが、シュルツ氏を追悼する演奏会になってしまったのでした。

この日本ツアーの最終公演が、武蔵野市民文化会館小ホールでの演奏会で、モーツァルトのフルート協奏曲全曲演奏会でした。シュルツ氏に代わってフルートを吹いたのが、ウィーンフィル現首席のワルター・アウアーさんでした。お名前は存じ上げませんでしたが、お顔はテレビのニューイヤーコンサートなどでお馴染みの方でした。プログラムの前半はまだ本調子でなかったようですが、後半はさすがにウィーンフィルの首席をはる方、闊達なフルートを聴かせていただきました。そして、吉野さんが、シュルツさんへの追悼のメッセージをお話されたあと、アンコールにグルックの精霊の踊りが演奏されました。三部形式の中間部は、ハープの吉野さんとフルートのアウアーさんだけの二重奏になりました。ここでのフルートが、あまりにも美しくはかなく、思わず涙がにじみます。その眼でふと、演奏の手を休めている舞台上の室内合奏団の人たちを見ると、コンミスをはじめ、多くの方が、涙を浮かべています。この瞬間、シュルツさんがアウアーさんに乗り移って、アウアーさんと一緒に吹いていたに違いありません。このフルートの奇跡的な響きに、そこにいた誰もが強く胸打たれたことと思います。やがて中間部が終わって、また全員の合奏になりました。アウアーさんの眼にも、吉野さんの眼にも涙がにじんでいました。やがて演奏が終わって、少しずつ始まった拍手が、だんだんと大きくなり、やがて聴衆は一人立ち、二人立ち、最後はほぼ全員がスタンディングして、シュルツさんと演奏者の皆様に、あつい感謝の拍手が長く続きました。シュルツさんのご冥福をお祈り申し上げます。

6月のアンナ・ヴィニツカヤさんというピアニストのリサイタルは、鮮烈な演奏でした。前半はシューベルトとブラームスで、これも良かったですが、後半のドビュッシーとプロコフィエフが圧巻でした。ドビュッシーの「喜びの島」は、これまで接してきたいくつかの演奏には、僕はあまりピンと来なかったのですが、この演奏を聴いて、喜びに満ち満ちたような、この曲の真価がようやく理解できました。最後のプロコフィエフのソナタ第二番は、さらに躍動的で強靭で、ピアノを弾く喜びにあふれた、颯爽とした演奏でした。見事でした!

10月の神尾さんのリサイタルもすごかったです。オーケストラ演奏会の記事でちょっと書いたように、このリサイタルの少し前に、BBC交響楽団との共演で神尾さんがモーツァルトの協奏曲を弾いたのを聴きましたが、そのときは特になんということもない印象でしたし、弾き終えたあとのご本人の表情も、ごく普通で淡々としていて、アンコールもなしにカーテンコールがあっさりと終わってしまいました。おそらくご本人にしても不完全燃焼だったのだろうと思います。しかしこのリサイタルはすごかったです。プログラムはオールロシアもので、前半がラフマニノフ、プロコフィエフの小品と、メトネルを2曲で、後半がプロコフィエフを2曲でした。メトネルのピアノ曲は大好きです。今夜のメトネルの1曲目は、もともとピアノ曲の「二つのおとぎ話」から1曲で、2曲目はヴァイオリンソナタ第一番でした。このソナタは初めて聴きましたが、抒情性と劇性をあわせもったとても素敵な曲で、その魅力を存分に伝えてくれるすこぶる充実した演奏でした。これだけでも大満足でしたが、後半さらにプロコフィエフの2曲も、堂々たる自在な演奏ぶりで、「選ばれし者」たる貫禄ぶりを強烈に魅せつけていただきました。演奏終了後のお顔も、先日のモーツァルトの協奏曲のときとはまったく違って、自信と満足感がにじみ出た、なんとも素敵な表情でした。何曲かやっていただいたアンコールも、熊ん蜂の飛行とか、チャイコフスキーの小品など、全部ロシアもので統一され、徹底していました。神尾さんはメトネルのソナタのレコーディングはされてないようですので、是非録音を望みたいです。

12月のシェプキンのリサイタルは、日本でたびたび(3回?)とりあげているゴールドベルク変奏曲でした。僕は何年か前に彼のゴールドベルクを1度聴いて、今回は2回目でした。今回は、リサイタル当日の12月16日がベートーヴェンの誕生日ということから、シェプキンの強い希望で前半にベートーヴェンの6つのバガテルを弾き、後半がゴールドベルク全曲という、贅沢なプログラムでした。ベートーヴェンのバガテルは、静かに深く思索する味わいが良く出ていて、素敵でした。メインのゴールドベルクは、作品を完全に自家薬籠中のものにして、装飾音や、オクターブの変化とか、いろいろな点に即興的な感性があふれた演奏で、ときにはっとするほど美しく、聴いていて飽きず、あっという間に最初のアリアが戻ってきて、終わってしまった感じでした。テンポの緩急の差が大きく、全体通したときの整合性というか統一性の面よりも、一瞬一瞬の感興を優先した、個性豊かな演奏でした。もちろんどちらが良い悪いということではありません。バッハ解釈の多様な可能性をまた一つ鮮やかに開示してくれたシェプキンさんは、次の機会にも、この曲からまた違った魅力を、きっと引き出してくれることでしょう。







Last updated  2014.01.05 16:08:22
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2014.01.03
カテゴリ:演奏会(2013年)

これからは、マーラー・ブルックナー以外で、2013年の演奏会で印象に残ったものを抜粋して書きます。

まずオーケストラ演奏会です。


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 5月11日 尾高/N響 ウォルトン 交響曲第一番ほか (NHKホール)
 6月 6日 大植英次/東フィル チャイコフスキー 交響曲第5番ほか (東京オペラシティ)
 6月 7日 大植英次/東フィル チャイコフスキー 交響曲第5番ほか (サントリー)
 9月 5日 細川俊夫管弦楽作品集 (サントリー)
10月 4日 アンドルー・ディヴィス/BBC交響楽団 ヴォーン=ウィリアムス 交響曲第2番ほか (みなとみらい)
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尾高&N響のウォルトンは、記事にしたとおりの、力のはいったいい演奏でした。

昨年計4回行われた大植さんと東フィルとの演奏会がいずれも充実していました。なかでも2夜にわたったチャイコフスキーの5番には、非常に感銘を受けました。2011年の大フィルとの5番も素晴らしかったけど、そこからさらに一段と深みがましていました。ポスト・ベートーヴェンの第五交響曲として最高なのはチャイコフスキーかな、と思わせるような、大感動のひとときでした。大フィルとのチャイコフスキーシリーズのときも思ったけど、大植さんのチャイコフスキーは本当に素晴らしいです。

現代音楽では、サントリーホールのサマーフェステイバル2013で行われた、サントリーホール国際作曲委嘱シリーズで、細川俊夫管弦楽作品のコンサートで、興味はあってもあまり馴染みがなかった細川氏の作品にじっくりと触れることができました。とくにオペラ「松風」からの「松風のアリア」に感銘を受けました。このオペラ、2011年にベルギーで初演された、細川氏3作目のオペラだそうです。日本でも上演してほしいと思いました。

アンドルー・ディヴィスによるヴォーン=ウィリアムスの交響曲第2番は、オケが思ったほどには洗練されてなくて、演奏自体は大味で、期待したほどではなかったですが、貴重なロンドン交響曲の実演に初めて接することができました。この日のプログラムは神尾真由子さんとのモーツァルトの協奏曲以外は、沢山のアンコールも含めて全部イギリスもので、ディヴィスさんの暖かな人柄と旺盛なサービス精神が好印象でした。また来日して、ヴォーン=ウィリアムスをいろいろやっていただきたいです。







Last updated  2014.01.06 22:16:33
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2014.01.02
カテゴリ:演奏会(2013年)

続いてブルックナーの演奏会のまとめです。2013年に聴いたブルックナーの全演奏会は以下になります。

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5番 下野/読響            2/19 東京芸術劇場
    アルミンク/新日フィル    4/11 サントリー
    飯守/東京シティフィル    4/19 東京オペラシティ

7番 大野/新日フィル         7/6 すみだトリフォニー
    ラトル/ベルリンフィル     11/19 サントリー

9番 メッツマッハー/新日フィル    1/19 すみだトリフォニー
    ハイティンク/ロンドン交響楽団 3/7 サントリー
    同上                 3/10 みなとみらい

あともろもろの事情で聴けなくて残念だったのが、スクロヴァチェフスキ&読響の4番と、下野&新日フィルの6番でした。それからアバド&ルツェルン祝祭管の来日公演(ブルックナー9番ほか)が実現しなかったのはとても残念でしたが、もう来日はしていただけずとも、ともかくアバドのご健康を願うばかりです。
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5番の下野さんは、もともとは2/18のサントリーホールのチケット(読響正指揮者としての最後のサントリーの演奏会)を買っていました。しかし体調不良で行けませんでした。この演奏会を聴いた友人からすばらしい演奏だったと聞き、これはなんとしても聴きたいと、翌日2/19の東京芸術劇場の演奏会に体調不良をおして出かけ、当日券を買って聴いたものでした。期待にたがわぬ王道のブルックナーを聴かせてくれました。下野さんのブルックナーは、これからが本当に楽しみです。今年は秋に読響と、いよいよ9番を演奏するようです。

それから、アルミンク&新日フィルの5番は、記事にしたとおり、すばらしい体験でした。もうひとつ、飯守&東京シティフィルの5番も、記事にしたように、悪くはなかったですが、下野さんやアルミンクのような悠然たる大きさを感じることはできませんでした。

7番は、大野さんの演奏は僕にとってはまったく感興のわかない演奏でした。もう一つの7番は、ラトル&ベルリンフィル。ラトルになってからのベルリンフィルを聴くのは今回が初めてでした。(前回のマーラー9番とブルックナー9番は油断していてチケットがとれず、聴けませんでした。)

ラトルのブルックナーにはそれほど期待しないで臨みましたが、なかなかに聴きごたえがありました。両翼配置で、コントラバス10台。第一楽章・第二楽章ともに、ある程度ゆっくりと、重さをもった演奏で、じっくり聴かせてくれました。ユニークだったのは第二楽章冒頭の第一主題の途中、第四小節半ばからのゆっくりとした上行音型(ドーレーミーー)を、テヌート気味でなく、短めにひとつひとつ音を切りながら軽めに演奏していたのが新鮮でした。このあとこの音型が繰り返されて盛り上がるところも、この音を短めにするスタイルで統一していました。第三楽章・第四楽章はベルリンフィルの技術とパワーで一段と盛り上って、かなり満足でした。これも第一楽章・第二楽章がある程度の重みを持って演奏されていたからこその充実感でした。

ホルン隊は舞台の上手に配置されてました。これは普通に、前に2人、その後ろに2人でした。その後ろにワーグナーチューバ4人だったのですが、この4人は良くあるように前後2列ではなく、横一列に並びました。すなわち、舞台後方の上手側から、ワーグナーチューバ4人、そのすぐ隣にチューバ、その隣にトロンボーン隊、さらにその横にトランペット隊というふうに、金管隊が横一列にずらりと並んでいました。この曲でこう配置することの利点として、ワーグナーチューバの4人とチューバの計5人が荘重なコラールを奏でるときに、5人で一緒という視覚的な統一感があって、とても良い配置でした。

それにしても久しぶりに聴くベルリンフィルはさすがにすごかったです。以前、アバド&ベルリンフィルの来日公演でマーラー3番を聴いたときに、オケの音の全体としてのすごさに驚きました。またそのときに、そのすごい音の中でもとりわけ、ホルンの盤石の安定感・存在感に、完全に圧倒されたものでした。そのホルンのドールさんは今回も健在で、プログラム前半のブーレーズの曲はシャープで鮮やかな音色で、プログラム後半のブルックナーでは一転してくすんだ渋い音色で、見事に音色を切り替えて、素晴らしいホルンを聴かせてくれました。

9番は、メッツマッハーは、力まかせのブルックナーで、あまり感心しませんでした。そして大御所ハイティンク。ハイティンクの演奏するブルックナー9番を日本で聴けるのはもう本当に貴重な機会でしたので、サントリーとみなとみらいホールの両方に足を運びました。さすがにロンドン響の完璧なサウンドのもと、ハイティンクは巨大で深いブルックナー世界を聴かせてくれました。僕はサントリーは1階平土間席で聴きました。オケの雛壇が高めで、僕の席だと舞台上手のトランぺット隊が良く見えて、トランペットの音がやや聞こえすぎる感がありました。みなとみらいではP席だったので、トランペットの強さが程よく緩和されて、よりよいバランスで聴けました。この完璧な演奏から大感銘を受けたかというと、正直そうとも言い切れないところが、生演奏の不思議さです。でもこの貴重な機会を、長年の友人らや、ぐすたふさんと共有できたのが、とてもうれしいことでした。

 







Last updated  2014.01.03 13:54:26
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2013.07.25
カテゴリ:演奏会(2013年)

大植&大フィルの演奏会を聴きました。

大阪フィルハーモニー交響楽団 第470回定期演奏会
7月24日 ザ・シンフォニーホール (二日公演の二日目)
指揮:大植英次

ブラームス作曲(シェーンベルク編曲) ピアノ四重奏曲第1番ト短調 (管弦楽版)
ラヴェル作曲 歌劇「子どもと魔法」(演奏会形式)

どちらも聴いたことのない曲でした。ラヴェルのほうは、数か月ほど前に、ちょうどBSでこのオペラが放送されたのを録画していたので、折を見て予習しておこうと思っていたのですが、なにかと忙しくて見られないでいるうちに当日を迎えてしまいました。

(もうともかくラヴェルが夢のように素晴らしかったので、以下はそのことだけ書きます。)

symphonyHall.jpg

久々のシンフォニーホール。緑のアプローチをくぐって会場につきました。プログラム解説によると、この歌劇は、乱暴な子供が、彼にこわされたり傷つけられたりした家具やらおもちゃやら木々やら生き物たちから反撃されて怖い思いをし、そして・・・という筋立てのようです。対訳をぱらぱらとみると、「猫のニャンニャン二重唱」などというのもあり、なんだか楽しそうです。

短いオペラですけど、合唱+児童合唱+独唱者が豪華8人(女声5、男声3)という、えらく贅沢な構成です。合唱団は、オルガン席に児童合唱53人、おとなの合唱39人が座りました。独唱者8人は、指揮者の横に左右4人ずつ、舞台最前列に一列に並び、壮観です。マーラーの8番でさえ、8人が舞台上に勢揃いすることはありませんから、これは見ものでした。

オケは、ときにわざと調子っぱずれの音程で演奏したり、木管をはじめとしてかなり個人芸が要求される、聴く方は楽しく、弾く方はかなり難しい曲だと思いますが、大フィルはきっちりと演奏し、ラヴェルの様々な仕掛けをクリアしていきます。弦のひそよかな合奏もとてもきれいです。

児童・おとなとも合唱団の歌唱も充実しています。ときどき交える身振りは誰の発案なのでしょうか、楽しめます。

そして独唱陣のうたの素晴らしさといったらたまりません。唯一の日本人天羽明惠さんも、外人7人も、大植さんの指揮に導かれ、それぞれ役柄の個性を十分にあらわした、本当に素敵な歌を聴かせてくれます。筋立ては特別大感動とかいう物語ではないのに、聴いていてそこかしこで、涙がはらはらとでてきてしまいます。

この体験、かつてここで聴いた大植&大フィルのマーラー3番のときもこうでした。アルトの坂本さんが大植さんの棒に寄りそって歌う第四楽章の歌に、それまでこの楽章の歌から聴いたことのない深い感動が心にしみ、涙したものです。

大植さんの歌心が、天才ラヴェルの音楽の魅力を、あふれんばかりに開花させている、そんな奇跡のようなひとときでした。曲の終わり近くは、出番のなく座っている独唱者たちもうっとりと音楽の幸福をかみしめているように見えました。

二日とも聴かれたぐすたふさんによると、二日目は、初日よりもぐっとテンポが遅く、深みをましていたということです。

字幕も見やすかったです。オルガンの左右の壁にそれぞれ投影された2箇所と、それが見にくい座席の人のために1階平土間の舞台近くの左右にオルガン方向に斜めに置かれたモニター2台の合計4か所の設置というのが親切でした。また誰が歌っているのかがわかるように、いちいち(子供)とか(ソファ)とか表示されていたので、とてもわかりやすかったです。僕の思う字幕の基本3要件(=無音、短時間認識可能、同時理解可能。詳しくは「中島彰子による夢芸能 月に憑かれたピエロ」の記事をご覧ください)をきっちり満たし、しかもそれだけでなく、途中で字幕の字がぱらっと砕け散るという気の利いた演出が1か所あり、センスの光る字幕でした。

終演後、長く楽しいカーテンコール(途中大植さんの手から白い花が突如現れるという大植マジック(^^)あり)が終わって、オケが退場し拍手が一度おさまりました。その後オルガン席の合唱団が退場し始めたのに伴って会場から合唱団の健闘をたたえる拍手がぱらぱらと起こり始めました。良くある光景です。ところがふと舞台の下手をみると、大植さんが出てきていて、退場する合唱団に聴衆と一緒に拍手を送っていました。

何もかも極上のひととき。まさかこれほどの体験になるとは思いませんでした。聴きに来て、本当に良かったです。大植さんと演奏者の皆様に心からブラボーです!そして終演後ぐすたふさんたちと冷めやらぬ感動を語りあえたのも、かけがえのないひとときでした。







Last updated  2013.07.26 02:31:59
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2013.05.13
カテゴリ:演奏会(2013年)
尾高さんがN響を振ったウォルトンの交響曲第1番ほかを聴いてきました。
ウォルトン、力と気合のはいった名演奏でした。
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N響第1754回定期演奏会

エルガー 序曲「フロアサール」 
ディーリアス 歌劇「村のロメオとジュリエット」から間奏曲「天国への道」
ヴォーン・ウィリアムズ テューバ協奏曲
ウォルトン 交響曲第1番

指揮 尾高忠明
管弦楽 NHK交響楽団
テューバ 池田幸広

5月11日 NHKホール
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僕が聴いたのは、2日公演の初日、FMで生中継されてた方です。

オールイギリスの素敵なプログラムです。
エルガーの珍しい曲にひきつづいて、ディーリアスが本当に美しかったです。「さすがN響だな、それにしてもNHKホールってこんなにいい音がしたっけ?」と思わず思うような、良い響きにうっとりしました。

ヴォーン・ウィリアムズのテューバ協奏曲は、N響のテューバ奏者池田さんがソリストでした。この曲は、2007年のオーチャードホールでのN響演奏会で、金聖響さんの指揮で、やはりこの池田さんがソロを吹いたのを聴きました。確かそのときのプログラムに書いてあった文章によると、その昔テューバ奏者を目指すことにした池田さんに、父親は、「テューバ奏者になるのなら、N響のテューバ奏者を目指せ。」と言ったそうです。それに見事にこたえてN響入りしたんですね。なんか「巨人の星」みたいな、お父さんも息子もすごい、というお話でした。今回の演奏、池田さんのソロの実力はもちろんのこと、愛らしい第二楽章が気品をもって演奏されたのは、尾高さんの棒の力も大きかったのかもしれません。

さて休憩を経て、いよいよウォルトンの1番。

第一楽章から尾高さんの指揮は遅めの足取りで、テンション高く、気合十分です。N響も引き締まったいい音を出してくれてます。

第三楽章も、尾高さんはじっくりと遅めのテンポをとり、弦楽の繊細で沈痛な響きがずっしりと深く伝わってきます。実にいい演奏です。
なかでもヴィオラが、随所でソロあるいはトップのふたりによる演奏が奏でられ、地味ながら端整な美しさを放っていて、光っていました。こんなにヴィオラが存在感ある楽章とは思いませんでした。

そして迎えた第四楽章は、尾高さんは堂々たる盛り上がりを作ってくれます。文句なしです。
曲の最後でホルン隊が、フーガ主題の冒頭の上行動機を、何度も何度も繰り返すところ、ここが圧巻でした!すごいベルアップで、ありったけのパワーで吹き鳴らすホルン群の響きは、勝利の喜びに激しく興奮して、胸を打ち叩いてあげる、荒々しい雄叫びそのものでした。この雄叫びで最高潮の渦のうちに、20世紀の大鳴り物交響曲がフィニッシュしました。

終わって尾高さんはすぐにタクトを下しましたが、しばし拍手もフライングブラボーもまったく起こらなかったのが、気持ちよかったです。
わたくし、予想をはるかに上回る満足感が得られました。尾高さんとしても会心の演奏だったのではないか、と想像します。

わたくし事前予想では、終楽章に関しては何の心配もしていませんでした。このところの尾高さんのブルックナー7番、8番などを聴いて、良くも悪くもいずれも終楽章に大頂点を築くスタイルが顕著な尾高さんでしたから、もともと終楽章に大クライマックスがあるこの曲の作りに、ぴったりはまるだろうと思っていたのです。一方懸念していたのが第一楽章でした。もしも抑えすぎたり、軽く流しすぎたら困るな、と心配していました。幸いなことに今回の演奏は、第一楽章から気合十分で、緊迫感ある音楽がきっちりと聞こえてきたので、良かったです。

この第一楽章に注文をつけるなどというのはいささか欲張りすぎ、贅沢すぎるということは充分自覚しています。それを承知ですごーくわがままな贅沢をいわせてもらえば、第一楽章がさらにハイテンションで、金管ももっとパワーを出して、ある意味第一楽章で討ち死にするくらいの音楽が展開されていたら、さらにすごかったとは思います。

いやいや、でも、ここまでやってくだされば、十分ありがたいです。
僕はこの曲の生体験は今回が2回目でした。数年前に大友直人氏指揮の東京交響楽団で聴いたのが初体験でしたが、そのときはなんだかまとまりの悪い、とりとめのない演奏という印象をぬぐえず、演奏するのが難しい曲だと思いました。

今回の演奏をきいて、尾高さんはやはりイギリス音楽を振らせたらすばらしいと思いましたし、N響のパワーもあらためて認識しました。ありがとうございました。






Last updated  2013.05.14 19:29:04
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2013.04.24
カテゴリ:演奏会(2013年)
コバケンの「我が祖国」を聴きました。

読響第525回定期演奏会
4月22日 サントリーホール
スメタナ 我が祖国

指揮 小林研一郎
コンサートマスター 小森谷巧

コバケンがチェコフィルを振った「我が祖国」を、何年か前にサントリーで聴きました。「高い城」の冒頭のハープの力強く美しい響きからもう圧倒され、最後まで圧倒されっぱなしのすごい演奏でした。オーケストラを聴く喜び・幸福をしみじみと感じ、大いに感動した演奏会でした。

今回ふたたび、ようやく、待ちに待ったコバケンの我が祖国です。オケも読響ですから、とても楽しみにしていました。

「高い城」は、まだオケのエンジンが今ひとつ上がりきってない感じがしました。しかし「モルダウ」以後は全開となり、素晴らしかったです。「モルダウ」の、途中の村人の踊りのような場面がありますよね、あそこの弦、もはや単なる明るく楽しい踊りじゃなくて、おそるべき気合の入った音楽が聴こえてきたことに驚きました。そのまま最後までハイテンションを保ち、木管の柔らかな響き、金管の力強い響き、弦の厚い響きも見事でした。「プラニーク」の最後の盛り上がり、コバケンの大見得を切る呼吸もばっちり決まり、炎のコバケンの面目躍如でした。この演奏には大満足でした!






Last updated  2013.04.25 10:18:59
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