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じゃくの音楽日記帳

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演奏会(2019年)

2019.12.05
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カテゴリ:演奏会(2019年)
アルディッティ弦楽四重奏団を聴きました。

バルトーク:弦楽四重奏曲第3番
ベルク:弦楽四重奏曲 作品3
細川俊夫:パサージュ(通り路) 弦楽四重奏のための(2019)
リゲティ:弦楽四重奏曲第2番

12月3日 武蔵野市民文化会館



アルディッティ弦楽四重奏団を聴くのは4~5回目になるかと思います。いつも高い技術と鋭い音楽性に惚れ惚れし、かつ圧倒されます。今回もそうでした。

全編にわたって集中・緊張が高く保たれたハイレベルの演奏が繰り広げられました。私以前からどうもバルトークは良くわからず、今回もすばらしい演奏だろうとは思うのですが、残念ながらピンときませんでした。ベルクの抒情性に親和性を感じたところでプログラム前半が終了。休憩後の後半が、わたくし的にはすこぶる感興をそそられた、至福のひとときでした。細川作品は、2020年のベートーヴェン生誕250周年に向けて、ベートーヴェンの会話帳の文章(耳が遠いベートーヴェンのために対話者が書いた文章)の返事を、ベートーヴェンの代わりに音楽作品(弦楽四重奏曲)で書いて欲しいという委嘱により作られ、初演者のアルディッティ弦楽四重奏団に捧げられた作品ということです。思索的な、静かな風の流れを感ずるような音楽でした。演奏終了後、客席で聴いていた細川さんが壇上に上がり、メンバーと抱き合っていらっしゃいました。

そしてリゲティが凄かったです。とんでもない緊張を孕んだ微弱音が続くと、その静寂を切り裂くように、強烈な切込みが突如現れます。CDで聴いたときはあまりピンと来なかったですけど、生で聴くとそのエネルギーの強さ、凄さがびんびん伝わってきます。1968年作曲なので、もう50年前の作品なのに、そんなふうには全然思えない斬新な響きです。これは凄いものを聴かせていただきました!

アンコールはクルタークの「小オフィチウム」作品28より最終楽章と言う曲で、リゲティの張り詰めた緊張を和らげてくれてちょっとほっとするようなきれいな始まりでした。さわりが終わってこれから発展が始まるのかなと思ったら、そこではいおしまい、という曲でした(^^)。



サイン会にて。左から Ehlers (Va), Sarkissjan (2nd Vn), Arditti (1st Vn), Fels (Vc)






Last updated  2019.12.05 12:21:42
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2019.12.04
カテゴリ:演奏会(2019年)
メータとベルリンフィルによるブルックナー8番、その2です。

指揮:ズビン・メータ
管弦楽:ベルリンフィルハーモニー管弦楽団
コンサートマスター:樫本大進

ブルックナー 交響曲第8番
11月21日、22日 サントリーホール

11月21日の感想は、ひとつ前の記事に書きました。この記事は、22日の演奏のことを少しと、二日全体としての感想を書きます。

22日は、前日よりも第一楽章がさらに充実して聴こえてきました。当方が二日目で耳が馴染んだせいなのかどうかはわかりませんが、音楽の密度というか緊張感が、昨日より増していると感じました。またこの日は全曲通じて補聴器ほかのノイズもなく、演奏に集中できました。前日と同じ、ゆったりとした自然体でいながら、形がぴしっと決まっている。そういう高次元のブルックナーをより一層満喫できました。

メータは、ずっと座って指揮をしていましたが、終楽章の最後、最高潮に盛り上がったところで立ち上がって、最後の数十秒を立って振りました!終わって残響が消えた後、比較的すぐに指揮棒をさっと降ろしたのは昨日と一緒です。この日も前日同様フライングブラボーがなく、一瞬の静寂がきちんと保たれたのちに拍手が始まりました。

その後の会場の盛り上がりは昨日を上回るものでした。日本ツアー最終日ということも関係していたと思います。次第にスタンディングオベーションする聴衆が増え、最後には満場総立ちとなり、メータの呼び戻しは前日より多く3回で、最後はオケ奏者3人とともにメータが登場して、お開きとなりました。

ここからは二日通じての感想です。今回の演奏はノヴァーク版第二稿でした。僕はこの曲を聴くのはハース版・ノヴァーク版どちらでもいいですが、もしもどちらか好きな方でと言われたら、ハース版で聴きたいと思う者です。しかし今回の演奏の、端整で無駄のない、きっちりした美しさは、今回使われたノヴァーク版が、ハース版より相応しかったと思います。

それからワーグナーチューバのこと。今回のワーグナーチューバは、潤った艶やかな輝きが素晴らしかったです。メータが2016年にウィーンフィルと演奏したブルックナー7番のワーグナーチューバは、これと対照的に、いぶし銀のような渋く美しい音色がとても魅力でした。ウィーンとベルリンでワーグナーチューバの美しさの味わいが大きく異なることをあらためて強く実感した次第です。

そして何より、僕が今回オケで圧倒的な感銘を受けたのは、ヴァイオリン隊の音でした。黄金のように輝かしい音色で、大きな力が漲っていて、いささかも緩みがないのです。これには本当にまいりました。今まで自分の聴いていたヴァイオリン隊の音とは異次元の音です。わたくしブルックナーを聴くとき、内声部がしっかり聴こえることをわりと重視していて、第一ヴァイオリンの音がきつすぎる、強すぎると思うことが時々あります。でも今回のこのヴァイオリン隊、音はとても大きく強いのですが、それがまったくうるさくなく、ヴァイオリン隊のこの音に身を委ねるのを大きな喜びに感じながら聴いていました。ブルックナーが書いたヴァイオリンパートの真の美しさを、今さらながらまざまざと悟った体験となりました。

メータのブルックナーは、3年前のウィーンフィルと、今回のベルリンフィルとで基本スタイルは大きな違いはないと思います。しかしウィーンフィルとの7番からは自由な自然体の印象を強めに感じ、今回の8番からは端整なきっちりした印象を強めに感じたのは、曲の違いだけでなく、オケの特性の違いが大きく影響しているのだろう、と思いました。

今回、メータの健康状態が昨年よりも上向いているようだったのはとてもうれしいことでした。これから80代の半ばを迎えるメータの音楽は、さらなる円熟の境地に入ることと思います。メータさん、またこのような音楽を、僕たちに聴かせてください。






Last updated  2019.12.05 11:24:08
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2019.12.02
カテゴリ:演奏会(2019年)
メータとベルリンフィルによるブルックナー8番を聴きました。

指揮:ズビン・メータ
管弦楽:ベルリンフィルハーモニー管弦楽団
コンサートマスター:樫本大進

ブルックナー 交響曲第8番
11月21日、22日 サントリーホール

2016年のウィーンフィルとのブルックナー7番​の自然体の名演、​2018年のバイエルン放響とのマーラー1番​の奇跡的な名演が強く印象に残っているメータ体験。今度はベルリンフィルです。どんな音楽を体験することになるのか、楽しみにしていました。

11月21日から書きます。 弦は16-14-12-10-8、ヴァイオリン両翼配置で下手側にVcとC bの、オーソドックスな布陣。ハープは上手側に2台。ホルンはハープの奥に3列で、前2列が二人ずつで、3列目は4人のワーグナーチューバ持ち替え隊が一列に並び、そこから下手方向にチューバ、トロンボーン、トランペットがずらっと一列に並びました。すなわちワーグナーチューバとチューバが固まって横一列という、視覚的にも音響的にも良い配置です。

珍しく上手側の通路から、メータが登場しました。昨年のバイエルン放響とのマーラーのときは、杖をつきながら介助者と一緒の入退場でしたが、今回は嬉しいことに、杖をつきながらゆっくりとした足取りではありましたが、介助者なしお一人で歩いての入場です。そして指揮台の段差も一人で登り、壇上の椅子に腰掛けました。昨年よりも体調が回復されていることを嬉しく思います。

第一楽章、かなり遅めのテンポ設定で、奇を衒わず、ティパニもほどよく控えめで、無駄な力みの全くない、丁寧な演奏でした。

第二楽章も全く同じ路線で、やや遅めのテンポでとても端正な音楽が続いていきます。さすがのベルリンフィル、音が重く、ビシッとしています。形が定まっていることが心地よいです。

第三楽章、音楽は一段と遅くなりました。メータの紡ぎ出す音楽は、先行する二つの楽章に引き続き、とても丁寧で、端正です。無駄な力や余分な表現が全くありません。その結果、うまく言えないのですが、音楽の内容だけでなく、音楽の形そのものの美しさといういようなものがひしひしと感じられます。昨年のマーラー巨人の時に受けたのと同じ感興です。 どこか特定のフレーズあるいは間合いについては、より深いというか、凄味を帯びた音楽世界がそこに立ち現れた瞬間を、他の演奏会でこれまで稀ながら体験してきたし、これからも運が良ければ体験出来るかもしれない、と思います。でもこの演奏が素晴らしいのは、そういう個々の箇所ではなく、全体としての音楽の佇まいが、自然体でありながら、かつ形がきちっとしている、ということです。ゆったりとしていながら、きっちりしていて無駄がない、と言う風に言えるでしょうか。この、ゆったりときっちりが両立しているところが、何とも凄いです。メータは現在83歳です。3年前、昨年、そして今回の音楽の充実ぶりは、80歳を超えたメータがついに到達している境地なのだと思います。

そして始まった第四楽章も、それまでと基本同じスタイルで、奇をてらわず、無駄な力みはまったくない音楽が丁寧に綴られていきました。ただ個人的好みとしては、終楽章の後半でテンポをやや速めた2か所(再現部の少し手前の強奏部分と、コーダ前の、第一楽章第一主題が奏される少し前あたり)は、それまでのゆったりとした自然な流れからすると、少し違和感を覚えました。あそこが遅いままだったら、自分的にはさらにやられていたと思います。

あと終楽章が始まって少しして、第一主題の提示が終わった後あたりから、補聴器のノイズが小さいながらも結構長いこと続くというアクシデントがあったのは残念でした。第三楽章でなかったのが不幸中の幸いと思うようにしました。

そしてついに曲が終わり、ホールの空間から残響音が消えると、メータはすぐに指揮棒をさっと下ろしました。「えっそんなすぐでいいんですか」みたいな聴衆の沈黙が一瞬だけ続いたあと、最初パラパラと始まった拍手はすぐに盛大なものに膨れ上がっていきました。フライングブラボーがなくて良かったです。(ブルックナー8番の前日に行われた演奏会、ベートーヴェンの英雄では、フライング単独ブラボーを発する人約1名がいて、それに引きずられて拍手が始まってしまいましので、今夜もそうなるのではないかと恐れていました。)

メータは、足取りはゆっくりでしたが、一人で指揮台を降り、杖をつきながらひとりで出入りを繰り返しました。そしてやがてオケがお開きとなり、拍手は続き、メータの呼び戻しの時になりました。一度引っ込んだメータが、呼び戻しに応えて出てこられたときは、オーボエ奏者の方が軽く手をとって、一緒に出てこられました。昨年のバイエルン放響とのときは、呼び戻しの際には車椅子で登場だったのですから、随分元気になられたわけです。

自然体で端整なブルックナーでした。明日もう一度聴けることを楽しみに思いながら帰路に着きました。






Last updated  2019.12.04 21:46:55
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2019.06.28
カテゴリ:演奏会(2019年)
オーボエの素敵なリサイタルを聴きました。

オーボエ 荒木 奏美(あらき かなみ)
ピアノ  宇根 美沙惠(うね みさえ)

りゅーとぴあランチタイムワンコインコンサート VOL.101
6月21日 りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館コンサートホール

荒木さんは東京交響楽団の首席オーボエ奏者です。新潟に来る所用があり、調べたところタイミング良くこのオーボエリサイタルを聴けそうで、楽しみにしていました。直前に山形県沖地震があり、新潟市内も震度4の揺れがありましたが、その後大きな余震はなく、リサイタルは予定通り開催されました。当日暑い日差しの中来てみると、信濃川の川辺で緑豊かな白山公園の一角に、りゅーとぴあがありました。一度は来てみたかった、りゅーとぴあです。


この建物は上から見ると楕円形で、丁度お寿司の軍艦巻きを巨大にしたような形です。建物のすぐ外側、2階相当の高さのところに、歩道が回廊としてぐるっと囲むように建物を取り巻いていました。

1階入り口です。右上に見えるのが2階の高さにある歩道です。



2階入り口と、そこにつながる歩道です。



内部も近未来的な雰囲気がするデザインです。中にも空中回廊のような歩道があります。


時間が来てホールに入ると、その大胆で斬新なフォルムが美しいです。これはりゅーとぴあのホームページに載っている写真です。

正面のパイプオルガンは、写真ではわかりにくいですが、鍵盤席の左右両側にパイプがぎっしり詰まった大きな箱がせり出しています。そのため鍵盤席が、あたかもオルガンの内部に少し奥まったところにあるように見える立体的な外観で、近くで見るとなかなかの迫力があります。

これもホームページに載っている写真です。ステージから見た客席、なにか未来的な眺めです。


客席は、ステージを360度ぐるっと取り囲むように作られています。座席数はホームページによると1900人、現地では2000人と掲示されていました。

今日のリサイタルは自由席なので、1階ステージ近くの席を確保したあと、ちょっとあちこち移動してみたところ、どこからでも死角が少なく、ステージが良く見えます。このホールで東京交響楽団が定期演奏会を開催しています。ここでのオケやオルガンの響きをいつかは体験したいと思います。

ホワイエの様子です。




いよいよ開演時刻となり、やがて荒木さんと宇根さんがご登場、リサイタルが始まりました。
プログラムは、

 モーツァルトのオーボエ四重奏曲K.370(ピアノ版)から第1楽章
 大島ミチル 風笛~あすかのテーマ~
 モリコーネ ガブリエルのオーボエ
 ラーンキ ドン・キホーテとドゥルチアーナ姫
 ピアソラ アヴェ・マリア
 ブリテン オヴィディウスによる6つの変容から 第4曲「バッカス」
 シューマン 歌曲集ミルテの花から 第7曲「蓮の花」
 パスクッリ 「椿姫」の楽しい思い出

華やかな曲、ちょっとコミカルな曲と、しっとりじっくりと歌われる曲がほどよく交互に配置され、途中にはブリテンの珍しい無伴奏の曲もありと、オーボエの魅力を多角的に味わえるプログラムでした。それにしても美しい音色です。楽譜をしっかり見つめながらも、ときに体を大きく揺らすようにして全身から紡がれる音楽が、とても素直で、ピアノとも息がぴったりでした。とりわけ、大島、モリコーネ、ピアソラ、シューマンのしっとりしみじみとした歌のカンタービレが本当に素晴らしく、反射的に涙が滲んでくることしきりで聴いていました。​以前聴いたシェレンベルガーさんのリサイタル​でも、アンコールにシューマンの歌曲を歌ってくれたものでした。

聴き惚れるうちにあっと言う間に1時間が経ち、最後の曲が終わってしまいました。アンコールは「花は咲く」でした。今回の山形県沖地震では死者が出なかったのが不幸中の幸いですが、今回のことのみならず、地震、台風ほか数々の災害に被災された多くの方々への癒しのメッセージとして切々と歌われました。すでに大島作品からじわじわと緩んでいた私の涙腺はここに来て全開となりながら、ひたすら聴かせていただきました。

終演後、サイン会に並んで、プログラムにサインしていただきました。お礼と共に小声でぽそっと「泣いちゃいました」と言ったら、なんと荒木さんが「もらい泣きしそうでした」とおっしゃたのにはびっくりしました!近場の席だったとはいえ、もろに見られていたとは。泣かせてしまって演奏妨害にならなくて良かったです^_^。



荒木さん宇根さん、心洗われる素晴らしい音楽を、ありがとうございました!
リサイタルの余韻に浸りながら、ホールをあとにしました。




このあと、りゅーとぴあにすぐ隣接する新潟県政記念館に立ち寄りました。明治時代に建てられ、県議会の議事場として長く使われた建物だそうです。美しい洋風建築です。






議場です。2階は傍聴席だったそうです。




階段の窓の外には、隣のりゅーとぴあが見えました。




充実したひとときの、新潟プチ散歩でした。






Last updated  2019.09.14 20:28:55
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