なっつんの毎日

毎日テレビをつけるたびに　「いじめ」　の言葉が目に入る。

またなのか！そうがっくりする反面。実はワタシの心境は複雑なのです。

ワタシの妹は小学校・中学校と　「いじめ」　られてました。

ワタシから見れば、いじめている側はいじめているとは認識していないようで。

あっちの言い分はこうだ！

「あんたの妹のために言ってあげているのよ！」

と。

その言葉に妹がどれほど傷ついているかなんて分からないで・・・・

女の子が言い出せば、それに男の子も加わって、

「きたない」「くさい」「便所虫」を影で言われ続けてきた妹。

トイレに閉じ込められたり、そうやって影でいじめられてきた妹。

もっと汚い言葉も言われ続けたし、されてきたと妹は今でも涙を流して言う。

ワタシもほっといたわけではない。

「先生にワタシから言うよ！」「もしまた言われたら私のところにおいでよ！」

「いじめられるほうが悪く恥ずかしいことじゃないんだよ！

　　　　　　　　　　　　　いじめるほうがよっぽど恥ずかしいことなんだから！！」

って何度も何度も言い続けた。

妹とワタシは１０ヶ月違いの同じ学年。

１度たりとも同じクラスになったことはないけど、それが余計心配で。

先生も見て見ぬふり。

許せないのが、あの当時の先生はいじめる側の子供たちを贔屓していたのだ。

「あの子たちがそんな事言うわけない！

言われる側にも

責任があるんじゃないの？」

要するにいじめられる子に原因があるというのだ！

今だったら、机を蹴り飛ばしてるだろう。いやそれだけで済めばいいのだが・・・

今。ここで。あのときの担任と校長の名前を出したいくらいだ。

んなバカなことってあっていいのか!!!と腹立たしかったが今と違うのは

私の親も学校の先生と同じことを言って妹を叱った。

世界で唯一の味方ではなくてはいけないのが親なのに・・・

とそばで聞いていて悲しくなった記憶がある。

だが妹は強かった。

そんな親に認められようと一生懸命だった。

いじめていた子たちは、親の前と先生の前ではみんないい子だった・・・

うちの子がいじめなんてするわけがない！と言いそうな親ばかりだった・・・

どこの子も親に認めてほしいという感情は当たりまえなのだが、

それによって生じたストレスを弱いものに向ける

それがワタシが目の当たりにしてきた　「いじめ」　である。

ワタシにもそのいじめの矛先が向いたのかもしれないが

ワタシは基本的には一人でいるのが気楽だったため相手にせず・・

その分妹に行ったと思われる。

だが。妹はワタシの助けなど必要とはしなかった。

「ワタシの問題だからほっといて！」

と断固ワタシの助けを拒んだ。

そして。

小学校・中学校と妹はなんと

皆勤賞をもらったのだ。

どんなにひどいことを言われても、されても

一度も学校を休んだりしなかった。

今聞くと、学校を休めば負けたことになる。

ワタシは絶対に間違っていないと思っていたから、

絶対に学校だけは休むまいと思ってただけ！

かっこえええーーー(=ﾟωﾟ)ﾎﾞｰ

別に何の支障もなかった私なんて休み放題の仮病使い放題だったのに・・・

だが。妹はこうも言う。

「死ぬことは何度も考えたの。でも、ワタシが死んでしまったら生んでくれた母親を否定してしまうことになるんだって必死にガマンしたのよ！子供を生むのが母親の役目なら、命をもらった子供はどんなことがあっても生きるのが役目だと思ったの。なぜ両親からもらった命を他人のせいでなくさなければならないの？って疑問に思ってね！」

そう笑顔で言う妹の顔を、心底美しいと私は思った。

そして思う。

生きていてくれてありがとう！

頑張ってくれてありがとう！

妹にしてみれば、耐え難い９年間だったと思う。

その苦しみは妹本人でなければ分からない。

あえてそういう子たちに関わらないようにしてきたワタシが卑怯にさえ感じるくらい

妹は真っ直ぐ前を向いていた。

その妹ももう少しで母親になろうとしている。

「ワタシは「いじめ」の悲しさむなしさを知っているからこそ、この子には人をいじめるような子にだけはさせてはいけないと思うの！」

大きなお腹をなでながらそう言う妹を改めて思う。

こいつには絶対に勝てる気がしない・・・・

なんて言うんだろ！人間の大きさが違うっていうか・・

普通なら、自分はいじめられたから自分の子供はいじられないように！

ってなるのではないかな～と思っていたワタシが子供に感じて情けなくなる。

ワタシとは乗りえてきたものが違いすぎる・・・

ワタシが乗り越えた大きなものと言えばせいぜい太平洋の波くらい・・・・

ワタシが岸にたどり着くまで半日かかったが

妹はもっと大きな波をもっと長い時間さまよって自分で乗り越えてきたのだ。

「あの９年間の苦しみを考えると、どんなことがあっても

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　世の中は平和だと思えるのよ！」

何かを悟った言い方をする妹はワタシの妹でいいのだろうか？と不思議に思うくらいｗ

ただただ。ワタシは妹が今生きていることに感謝するだけだ。

あの時、もし、自ら命を絶っていたらワタシも生きてはこれなかったハズ。

「自分だけの命じゃない！自分の死は自分以外の死をも意味するのよ！」

それが妹の口癖だ・・・・