「獣人雪男」ソフト化問題
1955年8月14日に公開された東宝特撮映画「獣人雪男」は、現在でも幻とされている封印作品である。なぜ、封印されているのか?作品中の部落の描写に問題があるとして、テレビ放送や完全な形での本編のビデオソフト化は一切行われていない。もし、部落の描写をカットしたものであればソフト化は可能であると思うがカットする部分が多く、本作の半分はカットになりストーリーがなくなってしまい困難になってしまう。劇場での上映は可能な様で、近年でも名画座での上映が行われている。但し、メディアの1部は発売されており、1997年6月には東芝EMIからサウンドトラックCDが発売。1998年8月には東宝の協力を得たとするメーカー「グリフォン」から、本作と同じくビデオソフト化が自粛状態にある「ノストラダムスの大予言」と同時発売で音声のみを収録したドラマCDが発売された。すると間もなく海賊版ビデオが出回りはじめたがドラマCDの発売元との関連を指摘する声もあるが、真相は不明である。1984年に発売された東宝特撮映画のダイジェスト集ビデオ「東宝怪獣・SF大百科6」には10分間のダイジェスト映像が収録されており、唯一公式な形で本編映像の一部を見る事ができる。 予告編は1980年代に発売された歴代東宝映画の予告編集ビデオ「特撮グラフティー1」に収録されている。1993年に竹書房から発売された、東宝特撮の網羅本「ゴジラ画報」及びその改訂版「ゴジラ画報第2版」では本作が紹介されていたが、本作と「ノストラダムスの大予言」のビデオが流出した後の1999年に改訂された「ゴジラ画報第3版」では、この2作品の紹介部分が削除されている。蘇る封印映像 幻の特撮 & アニメ徹底ガイド[三才ブックス]