姿三四郎（黒澤明） | メタボの気まぐれ

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日本が世界に誇る偉大な映画監督・黒澤明の記念すべき
監督デビュー作が1943年公開の東宝映画「姿三四郎」である。

黒澤明は新聞広告の「姿三四郎」というタイトルを一目見て
何か強く魅かれるものがあり東宝のプロデューサーであった
森田信義に映画化の交渉をお願いした。

しかし松竹や大映も大スターを起用して映画化するつもりで
原作者の富田常雄と交渉を行っており
最終的には富田の妻が読んでいた映画雑誌に
若手の有望株として黒澤の推薦記事を読み
富田の妻の推薦で黒澤の監督デビューへと運びました。

物語は明治15年、会津から柔術家を目指し上京してきた
姿三四郎（藤田進）は門馬三郎（小杉義男）率いる
神明活殺流に入門した。

ところが門馬は警視庁の武術指南役の座を争っていた
修道館柔道の矢野正五郎（大河内傳次郎）の闇討ちを計画。

ところが多人数で襲撃したにも関わらず矢野たった一人に
神明活殺流は全滅してしまい
その様に驚愕した三四郎はすぐさま矢野に弟子入りを志願した。

やがて月日は流れ三四郎は修道館門下の中でも
最強の柔道家に育っており大勢の人々が見守る中
警視庁武術大会が開催された。

大会にて三四郎に挑戦してきたのは良移心当流師範の
村井半助（志村喬）であり、彼は全力を持って三四郎を圧倒するが
研ぎ澄まされた三四郎の必殺技「山嵐」が決まった時勝負はついた。

そして唯一面白くないと憤っている大物柔術家・檜垣源之助
（月形龍之介）から遂に果たし状が届いた。
京ヶ原での決闘、風雲急を告げる中、遂に雌雄を決する時が来た。

この映画は初公開時は上映時間97分であったが
再上映の際、電力節約を理由に上映時間が80分以下に制限された為
関係者の知らない所でフィルムにハサミが入れられて
カットされたフィルムは行方不明になってしまいました。

このバージョンの物が現在ビデオやレーザーディスクで
広く出回っていたがロシアのコズモンドフィルムで
満州国からソ連に持ち去られた一部のカット部分のフィルムが発見され
2002年に発売されたDVDでカット部分が加えられた
91分の「最長版」が収録されました。

ちなみにこの映画を見た小津安二郎は黒澤明に
100点満点で120点と評しました。