1975年「メカゴジラの逆襲」にて終焉した
日本が誇る怪獣・ゴジラ。
ゴジラのいない日本は「ロッキード事件」
「成田闘争」「ホテルニュージャパン火災」
「三宅島大噴火」と国民が不安に思う時であった。

その沈黙を破るように1984年、ゴジラが蘇った。

９年ぶりに製作されたシリーズ第16弾「ゴジラ」は
1954年の第1作を踏まえゴジラ以外の怪獣は登場せず
再びゴジラは恐怖の対象として描かれた特撮映画である。

伊豆諸島の南端にある大黒島付近を鯖漁船第五八幡丸が
猛烈な暴風雨の中を懸命の航行を続けていた。
乗り組み員の奥村宏（宅麻伸）は大黒島の火山が爆破し
やがて巨大な物体が船に接近する瞬間に遭遇した。

東都日報の牧吾郎（田中健）が第五八幡丸を
発見した時、生存していたのは奥村ひとり、
早速、牧は本社に連絡するが、
この記事は何故か握り潰されてしまう。

政府から調査を依頼された生物物理学者の
林田博士（夏木陽介）は警察病院に隔離されている
奥村から話を聞き、その巨大な物体が
ゴジラである事を確信する。

林田博士は30年前にゴジラが東京上陸した際に
二次災害で両親を失い憎しみと復讐心から研究を始めていた。

三田村首相（小林桂樹）はパニックを恐れ
当分の間、ゴジラの事を秘密にする一方で
対策本部を設置した。

牧は特種をにぎりつぶされた代償として
林田博士と接触する事を許され
彼の助手・尚子（沢口靖子）が
奥村の妹である事を知ると
二人が対面出来るように取り計らう。

その頃、ゴジラがソ連の原潜を襲った。
ソ連がアメリカの攻撃だと批難したため、
政府はゴジラの存在を公表する。

ゴジラは井浜原発を襲いエネルギーを吸収し
渡り鳥の鳴き声にひかれて去って行く。
これを観察した林田博士はゴジラに
帰巣本能がある事を思いつき研究を推進する。

ゴジラは東京に上陸し晴海通りを直進して
有楽町マリオンビルを破壊、
永田町を通って新宿副都心へ向かった！

対する陸上自衛隊は首都防衛戦闘機
スーパーＸでゴジラに挑み
西新宿の高層ビル街にて迎撃を開始した。

この映画のゴジラは1954年に一度だけ
日本を襲った怪獣とされ第1作の直接の続編という事で
以後の作品すべてをリセットしており
平成ゴジラシリーズへの布石となった作品である。

その他の出演も小沢栄太郎、金子信雄、加藤武
村井国夫、小泉博、佐藤慶といった映画界
テレビドラマ界でも重厚な人物を起用しており

またゲスト出演も石坂浩二、かまやつひろし
武田鉄矢といった面々が登場している。

尚、９年ぶりに復活したゴジラが公開の際
キャンペーンで芹沢博士の扮装で参加したのが
ゴジラ映画の常連・平田昭彦であり
当然、出演予定であったが出演を前にして
癌性リンパ管症で亡くなりました。

叶わなかったその役は友人・佐藤慶が務めた。



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