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カテゴリ:人情話
ここ3か月ばかり、朝晩に渡って練習を積み重ねてきた、新シリーズが、私の中にほぼ定着してきた。
歴史上の著名な人物を題材とするもの。天中軒雲月先生の「巌流島」は、今年の大みそかで667日の練習が終える。登場人物は宮本武蔵と佐々木小次郎。武蔵は二刀流と五輪の書で有名。小次郎は若くして小倉藩の師範となりツバメ返しで有名。この二人の決闘を題材にしたのが「巌流島」。お客様を前にしての口演が4度終わった。不安に思うところは何もなくなっている。
「武田信玄」は、まだ8月に初演をしたばかりで、場馴れはしていない。たが、練習回数はほぼ巌流島と同じなので、話の展開はすっかり定着している。川中島に於いての上杉謙信との合戦が有名。信長と並んで天下を狙うほどの実力者。父に愛される事のなかった青年期の苦労が、布石となっている。
夜の練習に取り組んでいるのが、春日井梅鶯氏の忠臣蔵シリーズ。この3か月で、練習回数は100回を超えた。四十七士を束ね、主君の恨みを晴らした大石内蔵助。赤穂浪士として、忠義の志士としてあまりにも有名。
この内蔵助と、内匠頭の妻の瑤泉院とが、討入り前夜に対面するのを題材にしたのが、「雪の南部坂」。討入りの様子が、寺坂吉右衛門の手によって、鮮やかに語られる。この話は、来年八月、浦山地区にある十二社神社の祭礼日に口演する予定。
自分としては大変気に入っている話だが、寺坂の報告場面が、節回しをつけたもので延々と最後の方に続くので、お客様方が果たして気に入っていただけるのか? ちょっと不安でもあるし、また、楽しみでもある。
もう一つは「赤垣源蔵徳利の別れ」。討入り前夜に、源蔵が兄の塩山伊左衛門と一献傾けようとするお話。顔を見合わせて今生の別れができなかった切なさや、人芸愛に満ち溢れた作品で、思わず涙がほろりとしてしまうもの。これも、あとは、お客様方の前で披露するのみである。
この4つの話を主体にして、これからは情届士洋山の人情話として、口演活動をしていきたい。人物が著名であり、内容も充実している作品なので、お客様の心がつかめなかった時の責任は、全て自分にある事が明らかである。
そう言う点においては、厳しい題材でもある。次年度は、新しいネタをしこむというよりは、この題材をいかに工夫して口演するかということに力を注いでいきたい。情届士洋山の転換期、新しい門出の年になるであろう。
今まで、2度において作って来た名刺は、市井の町人や渡世人を題材にしたものであった。これを機会に、4つの話を掲載した、名刺づくりをPCで行い、新しい年に向けての決意を、実践に変えていくことにする。
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Last updated
2013.12.30 14:04:30
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