「ビリー・ザ・キッド 21歳の生涯」
日本には剣豪というヒーローがいました。その代表が宮本武蔵でしょう。アメリカの開拓時代には、ガンマンが英雄でした。ワイアット・アープ、バッファロー・ビル、ドグ・ホリディなど。ただし、正義の味方は少なく、多くは賞金稼ぎ、列車強盗、牛泥棒などアウトロー的存在でした。もっとも有名なのはジェシー・ジェームス兄弟とビリー・ザ・キッド。制作=1973年 アメリカ映画 108分。監督=サム・ペキンバー。音楽=ボブ・ディラン。出演=ジェームス・コバーン、クリス・クリストファーソン、ボブ・ディラン、リタ・クーリッジ、リチャード・ジャッケルほか。1881年、西部開拓時代。無法者の楽園フォート・サムナーに潜んでいたビリー・ザ・キッド(クリス・クリストファーソン)のもとに、かっての仲間パット・ギャレット(ジェームス・コバーン)が訪れます。パットは保安官になっており、ビリーを捕まえに来たのでした。ギャレットはビリーにフォートサムナーを去るよう頼み、5日間の猶予を与えました。警告を無視したビリーは、派手な銃撃戦を繰り広げた末に逮捕されますが、ギャレットの留守中に2人の保安官助手を射殺して逃亡。ギャレットは彼を追跡します。テレビの深夜枠で放送されていたものを録画して見ました。タイマーは98分となっています。オリジナルより10分も短くなっていて、完全版ではありません。よって今回は評価を控えました。この作品は3人のミュージシャンが出演しています。主役のビリー・ザ・キッドを演じているのがシンガー・ソング・ライターのクリス・クリストファーソン。ビリー・ザ・キッドがどんな風貌をしていたかわかりませんが、クリストファーソンは小太り気味で、シャープさが足りません。孤高のガンマンにはふさわしくないと感じました。この映画での共演がきっかけで結婚することになるシンガー・ソングライターのリタ・クーリッジもインディアンの女性を演じています。「ハイヤー&ハイヤー」の大ヒットで有名です。伊東ゆかりがカバーした「あなたしか見えない」もこの人の作品と記憶していますが、違っているでしょうか。この映画にとって最大の売りとなっているのが、超大物ボブ・ディランの出演。彼は、ビリーの仲間としてナイフの達人を演じていますが、このテレビ版ではカットされているらしく、わずかしか出ていません。噂によると監督と意見が合わず、完全版でも出番が少ないとのことですが、DVDで確かめてみましょう。評価は控えますが、傑作の匂いがしました。是非ともレンタルで見たいものです。