「007 オクトパシー」
007シリーズ通算13本目、ロジャー・ムーアのボンドとしては6作目になります。2011年3月29日(火)テレビ東京系午後のロードショーで放送されました。130分の本編に対して、放送時間は正味100分。30分もカットされています。これでは内容がわかりません。DVDを借りてきました。制作=1983年 イギリス映画 130分。原作=イワン・フレミング。監督=ジョン・グレン。主題歌=リタ・クーリッジ。出演=ロジャー・ムーア、モード・アダムス、ルイ・ジュールダン、クリスティナ・ウェイボーン、カビール・ベティほか冷戦時代のお話ですから、悪役はソ連。緊張緩和を模索する米ソですが、当然反対派もいます。ソ連軍部の好戦派が企んだ米軍基地爆破をジェームズ・ボンドの活躍によって阻止するのが主なストーリー。今回の特徴は、お色気満点なところでしょうか。舞台はインドですが、高級ホテルの中庭にあるプールでは、白人のビキニ美女が大勢戯れていて、目を楽しませてくれます。そしてアマゾネス顔負けの美女戦士たち。たまりません(爆)二人の富豪が出てきて、それぞれ豪華な邸宅が紹介されます。男の豪邸はインド人の武装集団によって警護されています。女のほうが今作のボンドガールなのですが、その本拠地は女軍団によって守られています。二人は組んで宝石の密輸入をするのですが、それにソ連軍部のテロ計画が絡み、話が重層的に進行して飽きさせないのは誉めておきましょう。毎度のことながら、ボンドの超人的活躍、アクションの連続もこの映画の見どころになっています。そして毎度のことながら、致命的なのがボンドガールに魅力がないことでしょうか。シリーズを通して、これはと思ったのはソフィー・マルソーくらいですから、いかに人選がお粗末かうかがいしれるでしょう。相変わらず女に手が早いボンドですが、DVDの鮮明な画面で見ると、ロジャー・ムーアはいささか年をとりすぎています。疾走する列車のアクションシーンでは、髪が乱れて薄毛が歴然としていました。面白さは保証できますが、ご都合主義が目に付いたのは、こちらが大人になったせいでしょう。あるいはそれが娯楽映画の特徴であり、限界なのかもしれません。しかし、理屈を抜きにして楽しめる本シリーズが、現在も続いているのは目出度い限りです。