1041010 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

不良中年・天国と地獄

2006年01月02日
XML
カテゴリ:ギャオ
1990年制作のフランス映画です。監督はパトリス・ルコント。この頃、ルコント作品が立て続けに公開されました。「仕立屋の恋」「タンゴ」「タンデム」「イヴォンヌの香り」などを観た記憶があります。

中でもジョルジュ・シムノン原作の「仕立屋の恋」は、傑作でした。小説もよかったですが、映画もそれに劣らぬ秀作です。雷鳴に浮かび上がる若い女性の顔が、印象的でした。

子供の頃から床屋が大好きで、女理容師の亭主になりたい、と念じていたアントワーヌ(ジャン・ロシュフォール)は、中年になって、やっと理想の女性を見つけます。小さな理髪店を独りで経営するマチルド(アンナ・ガリエ)でした。

結婚を申し込むと、マチルドは承諾します。それから10年、二人は幸福な生活を送ってきました。喧嘩は些細なことで一度だけ。アントワーヌは髪結いの亭主として、至福の時を過ごし、マチルドも満ち足りた日々を送ります。

ストーリーは、いたって単純と言えるでしょう。男の回想、という形式をとっているので、カットバックが多用されていますが、それによって、話が混乱することはありません。

子供の心を持ったまま中年になった男と、生い立ちのわからない謎の美女との不可思議な恋。ひょっとして、これは男の夢物語、幻想だったのでしょうか。

ルコント監督特有の官能美が、この映画のすべてでしょう。少年があこがれる赤毛の女理容師。中年男を虜にする若い美女。彼女たちが存在しなかったら、この物語は成立しません。

終局は、いささか唐突、と言えます。二人が理髪店の前の店主を養老院に訪ねるシーンがあり、あるいはこれが伏線になっているのかもしれません。

ラストで男が踊るアラビア風の珍妙なダンスが、人生の虚しさ、儚さを象徴しているようでもあります。「仕立屋の恋」には劣りますが、ルコントらしさが発揮された作品として、一見の価値はあるでしょう。

蛇足ですが、<髪結いの亭主>とは、妻の稼ぎで暮らす夫、という意味があります。






最終更新日  2006年01月02日 20時00分40秒
コメント(6) | コメントを書く
[ギャオ] カテゴリの最新記事


PR

X

カレンダー

プロフィール


中年ジュリー

カテゴリ

お気に入りブログ

§ Hobby / Intellect… Vixivさん
ヘーゼル☆ナッツ・シ… へーゼルナッツさん
たけぞうわるあがき たけぞう1959さん
山口良一的ココロ あほんだらすけさん
今日、何した? 満月5555さん

ニューストピックス

キーワードサーチ

▼キーワード検索

コメント新着

マイコ3703@ 実は更新の度に見てました(笑) ブログの隅から隅まで読んでしまいました(…
kenngu0310@ Re:エルメス バッグ 新作 2013 秋冬 突然訪問して失礼しました。 ありがとうご…
中年ジュリー@ Re[1]:ブルーレイレコーダー(10/10) GAMMAさん 二度の書き込み、ありがとうご…
GAMMA@ Re:ブルーレイレコーダー(10/10) 上記(下記かもしれませんが)2番目のアドレ…
GAMMA@ Re:ブルーレイレコーダー(10/10) ご無沙汰しております。福岡から無事帰っ…

バックナンバー

2021年06月
2021年05月
2021年04月
2021年03月
2021年02月
2021年01月
2020年12月
2020年11月
2020年10月
2020年09月

© Rakuten Group, Inc.