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勝新太郎の代表作、座頭市シリーズの記念すべき第1作です。昭和37年制作の大映映画。 原作=子母沢寛。監督=三隅研二。出演=勝新太郎、万里昌代、天知茂、南道郎、島田竜三、柳永二郎ほか。 題材は浪曲でお馴染みの「天保水滸伝」から採られています。飯岡助五郎と笹川繁蔵の出入り、用心棒・平手造酒(天知茂)のエピソードに、座頭市(勝新太郎)を絡ませたフィクション。 助五郎の家に草鞋(わらじ)を脱いだ市は、ある日、溜池へ釣りに出かけます。そこで労咳(肺病)を患う浪人と会い、意気投合します。浪人、平手造酒は繁蔵の用心棒でした。 助五郎と繁蔵は一触即発の状態にあり、出入りになれば市と平手造酒は斬り合うことになります。その日を予感しながら、二人は酒を酌み交わすのでした。 第1作だけあって、全体に地味な印象は免れません。モノクロということもあり、のちの作品と較べても、賭場や斬り合いのシーンはひどくあっさりしています。 比重を占めているのは、市と造酒の交流でしょうか。盲目というハンデを背負う座頭市と、食い詰めてヤクザの用心棒に墜ちた浪人。二人の落伍者がお互いに同類の匂いを嗅いだのは当然でしょう。 若い勝新太郎が、凄味のある演技を見せてくれます。労咳持ちのニヒルな浪人を演じる天知茂も、ぴったりとはまっていました。 映画全盛時代の作品ですから、脇役にも芸達者が揃っています。市が堅気の女(万里昌代)に惚れられるのも、後年の作には見られないエピソード。一見の価値はあるでしょう。 シリーズ化の予定がなかったのか、ラストで市は仕込み杖を封印してしまいます。待っている女を避けて裏街道を行く座頭市。その先には、苦難の道しかありません。シリーズ化されたのは必然でしょう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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シリーズ予定になかったものが
シリーズ物にってことはよほど映画館の入りがよかったんでしょうかね。 (2006年07月24日 23時10分24秒)
たけぞう1959さん
>シリーズ予定になかったものが >シリーズ物にってことはよほど映画館の入りがよかったんでしょうかね。 このシリーズ、ヒットしました。 いま見ても、面白いですよ。 のちに北野武監督もリメイクしたほどです。 DVDでどうぞ。 (2006年07月24日 23時39分58秒) |
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