不良中年・天国と地獄

制作＝2010年　アメリカ映画　ワーナー・ブラザース映画配給　147分。監督＝マイケル・パトリック・キング。出演＝サラ・ジェシカ・パーカー、キム・キャトラル、クリスティン・デイビス、シンシア・ニクソンほか

ミスター・ビッグ（クリス・ノース）と暮らしはじめたキャリー・ブラッドショー（サラ・ジェシカ・パーカー）。しかし、毎夜のように着飾って外出したいキャリーに対し、ビッグは自宅で落ち着いた生活を欲していました。

一方子育てや仕事に奮闘する親友のミランダ（シンシア・ニクソン）やシャーロット（クリスティン・デイヴィス）も、それぞれ人生にストレスを感じていました。そんな彼女らにサマンサ（キム・キャトラル）から、豪華アブダビ旅行に無料招待されたから一緒に行こうとの誘いが入ります。

この映画を見て感じたことは、女も40代になると、実に厄介で扱いにくい存在になるな、ということでした。要するに自己主張が激しいのです。特にキャリアウーマンであるこの4人組。いろいろ苦労があるのはわかりますが、もう少し他人への配慮がほしい、と思ったのは私だけでしょうか。

もう一つ、致命的な欠点は、日々容色が衰えていく、という自然現象でしょう。こればかりはどうしようもありません。特に50才を過ぎたサマンサは、サプリメント漬けになっていますが、効果は限定的のようでした。

もしかすると、日々年を取っていくという自覚が、彼女たちを焦らせ、時として無礼な行動に走らせるのかもしれません。この映画の中心人物であり、進行役のキャリーは、理想的な夫のジャックに対し、ことごとく辛く当たります。

見ていて、なんと理不尽な仕打ちだろう、と腹が立ちました。馬面のブスのくせに許せない、と憤りを感じました。小生のロリコン趣味がますます高じたのは、いうまでもありません。すまじきものは、アラフォーとの恋。

後半は、アラブの王様の招待で、4人でアブタビへ旅行します。これが贅沢きわまりない豪華な旅行でした。それはいいのですが、回教の国での4人はじけぶり、特にサマンサの常軌を逸した行動は、絞首刑になっても不思議ではないでしょう。

冒頭のゲイの結婚式といい、この人たち、どこからお金が転がってくるのだろう、と疑問に感じました。こういうリアリティの欠如が、夢見る乙女たちの琴線に触れるのかもしれません。とにかく、女性たちの人気は絶大らしいのですから、女心はわかりません。

結論、普通の男は、心してアラフォーの女性には近づかないこと。恋をするなら、20代の女に限ります。そこにはたしかに別の苦労がありますが、怖いオバサンに悩まされるよりマシでしょう。オバサン度90点で総合点50点、お暇ならどうぞ。