不良中年・天国と地獄

2015/06/26(金)05:09

イニシエーション・ラブ

映画(92)

2015年6月19日(金)新宿ピカデリー8 制作=2015年 日本映画。配給=東宝。上映時間=109分。原作=乾くるみ。監督=堤幸彦。脚本=井上テテ。出演=松田翔太、前田敦子、木村文乃、三浦貴大、前野朋哉ほか 原作は読んでいません。が、最後の2行でどんでん返しがあり、評判のベストセラー小説であることは知っていました。   1980年代後半の静岡が舞台。恋愛に奥手な大学生と、歯科助手の女の子のラブストーリーです。持てないはずの若者に、なぜ彼女は積極的に近づいてきたのか。確かに不自然です。 カンニング竹山みたいな男の子と、ロンパリ気味のあッちゃん。前半は、感情移入が難しかったです。が、次第に二人の純愛物語に惹かれていきました。80年代のヒット曲が流れ、いいおじさんが胸キュン(古い)に。時には目頭が熱くなることもありました。 最後の5分で真相が明らかになる、という前ふりが。なるほど、伏線があちこちに貼られています。しかし、ラブストーリーのほうがより牽引力があり、作者の罠にあえて目をつむりました。途中から、前田敦子が抜群に可愛くなったのです。木村文乃のクールな演技にも惹かれました。 ラストのカットバック。ここが本作のミソでしょう。が、このラストは、私的には余計でしたね。真相を暴くことが、常に正義だとは限りません。若い二人の恋愛に酔いたかったおじさんです。失われた青春を返せ、と叫びたいです。 映画の出来は、素晴らしいと評価します。バブル期のトレンディ・ドラマとして、及第点をあげられます。繰り返しますが、後半の前田敦子が可愛い。これだけでも、おじさんには価値があります。久しぶりにいい映画を見ました。

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