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不良中年・天国と地獄

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ギャオ

2007年11月01日
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カテゴリ:ギャオ

ミシュランの星印に一喜一憂する一流レストランのシェフたち。味覚は個人に属するものではありますが、こういう格付けがある種の権威を持つことは事実のようです。

一級のフランス料理が目で味わえる映画、といったらいいでしょうか。この作品の前では、すべてのグルメ映画は色褪せるようです。

制作=1988年 デンマーク映画 102分。監督・脚本=ガブリエル・アクセル。原作=アイザック・ディネーセン。音楽=ペア・ヌアゴー。出演=ステファーヌ・オードラン、ビルギッテ・フェダースピール、ボディル・キュア、 ビビ・アンデショーンほか

19世紀後半のデンマーク。辺境の小さな漁村に、マーチーネ(ビルギッテ・フェダースピール)とフィリパ(ボディル・キェア)という信心深い老姉妹がいました。厳格な牧師の父に育てられ、牧師亡きあとも、村人を集めては賛美歌を歌い、信仰を説く日々。またわずかな収入を善行に費やす敬虔な姉妹でした。

若い頃の二人は、花咲く果樹、といわれるほどの美人でした。姉には青年将校が、妹には有名なオペラ歌手が求愛しますが、姉妹は信仰の道を選んだため、男二人は傷心のまま村から去りました。

14年後の嵐の夜、ひとりの女性があらわれ、家政婦として雇ってほしいといいます。フランス革命を逃れてやってっきたバベット(ステファーヌ・オードラン)でした。彼女は毎月、パリの友人に頼んで宝くじを買っていました。

亡き父の生誕100周年を迎えた日、姉妹は村人を呼んで記念の集会を開こうとします。1万フランの宝くじが当たったバベットは、フランス式のディナーをご馳走したい、と申し出るのでした。

彼女はパリの高級レストラン「カフェ・アングレ」の女性シェフだったのです。「食事を恋愛に変えることができる女性」と称されていました。豪華な晩餐会がはじまります。はじめて食する料理に、村人たちは至福のときを過ごしました。

これは久しぶりに見た感動作です。見終わったとき、心が洗われました。ランボーの詩に「お前の心はこの汚れた都会の海を離れて」というのがあったと記憶しています。まさにその通り、身も心も汚れた俗人も、清らかな人間に生まれ変わった錯覚を持ちました。

信仰の道を行く姉妹に、ジイド「狭き門」のアリサを思い出し、目頭が熱くなったものです。もちろん錯覚ですから、余韻が去ると、元の俗物に戻りました。しかし、清らかな印象は容易に消えません。

圧巻は、やはり豪華なディナーでしょう。ウミガメのスープにはじまり、次々と供される見たこともない料理。一生お目にかかれないであろう高級ワイン。フレンチの知識がある人なら、羨望を感じずにはいられないでしょう。

娯楽アクションも悪くはありませんが、たまにはこういう琴線に触れる映画も見ましょう。DVDは廃盤になっているようなので、ギャオと繋がっている人は、一刻も早く鑑賞することを強くお薦めします。







最終更新日  2007年11月01日 19時43分03秒
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2007年08月30日
カテゴリ:ギャオ

未公開作品をDVD化する場合、何か基準があるのでしょうか。面白い、売れそうだ、と勘で判断しているのかもしれません。

本作もそのひとつ、未公開作品です。DVDになっていますが、ギャオで見ました。

制作=2000年 イギリス映画 92分。監督・脚本=マイケル・ハースト。出演=キャリー=アン・モス、ジョン・ハート、ニック・モラン、ショーン・ウェイアンズ、ジョー・パントリアーノほか

イギリスのアクション映画ですから、かなりヒネってあります。二転三転するストーリー。意外な人間関係。容易に推理できない真相。なかなか凝った脚本です。ダシール・ハメット原作の「ノー・グッド・シングス」より面白くできていました。

内容は、身代金目当ての誘拐もの、といえるでしょう。しかし、単純な営利誘拐ではありません。いろいろ仕掛けがあるのです。コンゲームに似ている、といってもいいかもしれません。親子の愛憎劇を絡めたところなどは、いかにもイギリス流です。

冷酷非情なボスが、意外に普通っぽかったのはいただけません。配下の者たちも、そんなに個性がないのもマイナスです。ストーリーは工夫されているのに、登場人物が平凡では、興趣を削ぐでしょう。

ヒロインのキャリー=アン・モス。メークか、それとも役柄のせいでしょうか、「マトリックス」とは別人のようです。まったく冴えません。

それに較べると、「エレファント・マン」のジョン・ハートは適役でした。父の暴力に耐えかねて家出するのですが、骨肉の愛情が絶ち難く、というのはいかにもイギリス的です。銃撃戦は、ハリウッド映画には及びませんでした。

小品ですが、合格点でしょう。キャリー=アン・モスのファンは、たぶんガッカリするでしょうから、覚悟して見ましょう。







最終更新日  2007年08月30日 22時01分53秒
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2006年07月24日
カテゴリ:ギャオ

勝新太郎の代表作、座頭市シリーズの記念すべき第1作です。昭和37年制作の大映映画。

原作=子母沢寛。監督=三隅研二。出演=勝新太郎、万里昌代、天知茂、南道郎、島田竜三、柳永二郎ほか。

題材は浪曲でお馴染みの「天保水滸伝」から採られています。飯岡助五郎と笹川繁蔵の出入り、用心棒・平手造酒(天知茂)のエピソードに、座頭市(勝新太郎)を絡ませたフィクション。

助五郎の家に草鞋(わらじ)を脱いだ市は、ある日、溜池へ釣りに出かけます。そこで労咳(肺病)を患う浪人と会い、意気投合します。浪人、平手造酒は繁蔵の用心棒でした。

助五郎と繁蔵は一触即発の状態にあり、出入りになれば市と平手造酒は斬り合うことになります。その日を予感しながら、二人は酒を酌み交わすのでした。

第1作だけあって、全体に地味な印象は免れません。モノクロということもあり、のちの作品と較べても、賭場や斬り合いのシーンはひどくあっさりしています。

比重を占めているのは、市と造酒の交流でしょうか。盲目というハンデを背負う座頭市と、食い詰めてヤクザの用心棒に墜ちた浪人。二人の落伍者がお互いに同類の匂いを嗅いだのは当然でしょう。

若い勝新太郎が、凄味のある演技を見せてくれます。労咳持ちのニヒルな浪人を演じる天知茂も、ぴったりとはまっていました。

映画全盛時代の作品ですから、脇役にも芸達者が揃っています。市が堅気の女(万里昌代)に惚れられるのも、後年の作には見られないエピソード。一見の価値はあるでしょう。

シリーズ化の予定がなかったのか、ラストで市は仕込み杖を封印してしまいます。待っている女を避けて裏街道を行く座頭市。その先には、苦難の道しかありません。シリーズ化されたのは必然でしょう。







最終更新日  2006年07月24日 11時39分41秒
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2006年01月02日
カテゴリ:ギャオ
1990年制作のフランス映画です。監督はパトリス・ルコント。この頃、ルコント作品が立て続けに公開されました。「仕立屋の恋」「タンゴ」「タンデム」「イヴォンヌの香り」などを観た記憶があります。

中でもジョルジュ・シムノン原作の「仕立屋の恋」は、傑作でした。小説もよかったですが、映画もそれに劣らぬ秀作です。雷鳴に浮かび上がる若い女性の顔が、印象的でした。

子供の頃から床屋が大好きで、女理容師の亭主になりたい、と念じていたアントワーヌ(ジャン・ロシュフォール)は、中年になって、やっと理想の女性を見つけます。小さな理髪店を独りで経営するマチルド(アンナ・ガリエ)でした。

結婚を申し込むと、マチルドは承諾します。それから10年、二人は幸福な生活を送ってきました。喧嘩は些細なことで一度だけ。アントワーヌは髪結いの亭主として、至福の時を過ごし、マチルドも満ち足りた日々を送ります。

ストーリーは、いたって単純と言えるでしょう。男の回想、という形式をとっているので、カットバックが多用されていますが、それによって、話が混乱することはありません。

子供の心を持ったまま中年になった男と、生い立ちのわからない謎の美女との不可思議な恋。ひょっとして、これは男の夢物語、幻想だったのでしょうか。

ルコント監督特有の官能美が、この映画のすべてでしょう。少年があこがれる赤毛の女理容師。中年男を虜にする若い美女。彼女たちが存在しなかったら、この物語は成立しません。

終局は、いささか唐突、と言えます。二人が理髪店の前の店主を養老院に訪ねるシーンがあり、あるいはこれが伏線になっているのかもしれません。

ラストで男が踊るアラビア風の珍妙なダンスが、人生の虚しさ、儚さを象徴しているようでもあります。「仕立屋の恋」には劣りますが、ルコントらしさが発揮された作品として、一見の価値はあるでしょう。

蛇足ですが、<髪結いの亭主>とは、妻の稼ぎで暮らす夫、という意味があります。






最終更新日  2006年01月02日 20時00分40秒
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2005年11月01日
カテゴリ:ギャオ
実際にあったとされる実話の映画化。韓国映画ですが、撮影には中国も協力したようです。

14世紀末、大陸では元(蒙古)の勢力が衰え、明が台頭。明との友好関係を結ぶため、高麗より使節団が派遣されました。が、彼らはスパイ容疑をかけられ、流刑に処されてしまいます。

使節団は砂漠を移動中、元軍の襲撃により、図らずも解放されることになるのですが、たまたま居合わせた“明の姫”を助けたことから、彼らの運命は大きく変わってしまうのでした。

この映画の長所は、男たちの個性が単純化され、はっきりと描き分けられていることでしょう。これは娯楽映画の必須条件です。

個性を持った兵士たちは、それぞれの思惑を秘めながら、最後は心をひとつにします。彼らの心意気に、不覚にも、小生は涙を流してしまいました。これぞサムライです。

リアルな戦闘シーンは、しかしハリウッドに較べると、さすがにスケールが落ちます。砂漠を埋め尽くす大軍や、黄河を枯らす大船団などは出てきません。

代わりに、千切れる肉体や迸る血汐が、戦いの苛烈さを表現しています。大画面では、気の弱い人は正視できないでしょう。

もうひとつの特徴は、この映画には倫理的な視点がないことです。兵士たちのこだわりが、漂流する漢人を巻き込みますが、この人たちの悲鳴は通用しません。犠牲をいとわず、軍人は闘い続けるのです。

韓国映画は何本か観ていますが、どうも俳優の顔と名前が一致しません。男優たちは魅力がありますが、姫に扮する女優は、華やかさに欠けていました。役柄の上では、いかにも我が儘なバカ姫を好演していましたが……。

単純なストーリー、わかりやすい人物像、インパクト満点の戦闘場面、いずれも娯楽映画の王道を行くものでしょう。大ヒットしたのも肯ける作品でした。







最終更新日  2005年11月01日 18時04分07秒
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2005年10月25日
カテゴリ:ギャオ
中学生のころ、劇場で見ました。大井セントラルか、武蔵小山プリンス座か、旗の台ミリオンか。3本立て40円、50円の名画座でした。

あのころは、こういうB級西部劇が、たくさん作られていたのです。毎週のように封切られていました。

お金がない中学生は、3番館にまわってくるのを待って、出かけたものです。電車賃がもったいないので、歩いて行きました。

本作は、そういう1本です。列車強盗と、それを追う保安官。再会したかっての恋人は、親友の妻に。

ストーリーといい、登場人物の関係といい、B級西部劇の定番、といっていいでしょう。現代人には、物足りないかもしれません。

1948年の制作ですから、CGなどは使っていません。すべて実写です。従って、アクションは、いまの人から見ると地味でしょう。

アラン・ラッドが、二丁拳銃で早撃ちを見せてくれます。「シェーン」では0,6秒でした。この映画は、それより遅いようです。

アラン・ラッド。大根役者といわれていましたが、「シェーン」で後世に名を残しました。ある意味では幸運な俳優、といえるかもしれません。






最終更新日  2005年10月25日 22時36分56秒
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