テレビの約束事
元キャリア官僚のコメンテーターが暴走、物議を醸しています。生放送中に、官邸からの圧力があったと暴露。キャスターとひと悶着ありました。官房長官は事実無根と否定。これは当然でしょう。たとえあったとしても、認めるわけがないのです。それが政治家というものでしょう。さてこのコメンテーター、TVタックルにも出ていました。この番組は録画です。放送されたものを見れば、テレビの仕組みがわかるでしょう。どこが放送され、どこがカットされたか。あらゆる番組は、予定調和の上に成り立っています。ハプニングは、許されません。放送事故は、局の死命を制する、と言ってもいいでしょう。報道も娯楽も、進行通りに運ばれます。コメンテーターも、進行から外れるのはタブー。討論番組も、例外ではありません。たとえば「軍歌」について、語り合うとします。全員が賛成、または反対に回ったら、討論になりません。うまく分かれるようにキャスティングします。その上で、放送禁止用語や、差別用語、過激な言質は慎むように注意します。こうして、当たり障りのない番組がオンエアされるのです。毒にも薬にもならない、つまらない番組。テレビに出るのは二流の人。それを見るのは三流の人。恐るべきエネルギーの浪費です。こうして、日本と日本人は堕落して三流の国に。為政者にとって、これほど都合のいいメディアはないでしょう。日本に未来はないようです。