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空想作家と専属イラストレーター&猫7匹の     愛妻家の食卓

2009.03.23
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大感謝企画『願い石~夢猫チャーリーの贈り物・最終話』

〔夢の中で映像を見せてくれたの〕

「どんな?」

〔和義と・・・私と私の家族と涼兄ちゃん、そしてチャーリーとで1つのテーブルを囲んでみんな幸せそうに笑ってた・・・そんな映像を見たの〕

「それがカツの願い事?・・・それはチャーリーが言ったように無茶な話だよ」

〔そうよね・・・でも、夢の中でチャーリーは無理なこともあるけど努力するって、涼兄ちゃんの苦しみを無駄にはしないって言ってくれたわ〕

そう言ってかおりちゃんはチャーリーを抱き上げた。

「そう言ったって・・・」

〔当時あの子、口癖のように涼兄ちゃんが本当のお兄ちゃんだったらって言っていた・・・〕

ずっと気にしていたカツの願い事があまりにも非現実的だったことが僕にはショックだった。

〔そういえば、チャーリーが言った涼兄ちゃんの苦しみって何?ずっとチャーリーはそれを気にしていたわ〕

「かおりちゃんには言っても信じてもらえるかな?」

〔うん〕

「僕はカツの願い事を叶えられるようにチャーリーに力を渡したんだ、僕の夢を」

〔夢?〕

「うん、僕の一生分の夢・・・だから僕は眠っても夢は見ないんだ」

〔和義のためにそんなことを?・・・私は夢の中が唯一の逃げ場所だったから・・・辛かったでしょ?〕

「うん・・・だからこそカツの願い事をずっと今でも願ってるんだ・・・」

〔願い事、無理かなぁ?・・・もちろん和義は現実には居ないけど・・・でも、今日、涼兄ちゃんに会ったし、チャーリーは現実に私の胸に居るよ、涼兄ちゃんは今日の事どう思う?〕

「今日の事?・・・チャーリーは偶然のような運命だって・・・ハッピーエンドになるって・・・だから僕はここに来たんだ」

〔私もよ・・・涼兄ちゃん、もう少しこの偶然に身を任せてみない?〕

「そうだね、これ以上何があるのか分からないけど・・・」

僕はこの偶然に賭けてみようと思った。

〔そうだ!涼兄ちゃん、これから家に来ない?きっとお母さんも喜ぶし、和義も・・・〕

全て受け止める・・・僕はそう思っていた。

「うん、喜んで」

そうして僕らはあの家へと向かった・・・

「変わってないね・・・うっ!」

何かあるごとに胸が痛む。

〔大丈夫?〕

「うん、大丈夫だよ、頓服も持っているから」

〔そう・・・じゃあ入って〕

「うん」

〔ただいま!〕

ウニャ!

家に入るなりチャーリーはかおりちゃんから飛び降り、家の奥に走っていった。

〈きゃっ!何?この猫!〉

悲鳴が聞こえた。きっと、おばさんだ・・・

〔ごめん、お母さん!その猫は大丈夫、今日から私が飼うの〕

〈飼う?和義の部屋に行ったわよ!〉

〔いいの、それより来て、お客さんが居るから〕

〈お客さん?・・・〉

少し歳をとったおばさんが顔を見せた。

「お久しぶりです」

〈どうも・・・どちら様でした?〉

〔お母さん、涼兄ちゃんだよ!〕

〈うそ?・・・涼君なの?〉

「はい」

おばさんは本当に信じられないという顔をしていた。

〈かおり、どういうこと?〉

〔近所で偶然に会ったの、それで話が盛り上がって・・・お母さんも喜ぶかなと思って来てもらったの〕

〈そりゃ嬉しいわよ・・・立派になって・・・元気だった?〉

「はい、おばさんも元気そうで」

〔お母さん、話は中で〕

〈そうね、涼君上がって〉

「はい」

僕はかおりちゃんについて家の中に入った。

ここも時間が止まっていたようだ、みんな変わりない・・・

〈ここに座って、紅茶でいい?〉

〔それよりお母さん、まずは和義に会いたいんじゃない?〕

「はい、先に会っていいですか?」

〈そうよね、かおり、部屋に案内してあげて〉

そうして、かおりちゃんに案内してもらって僕は初めてカツの部屋に入った・・・

「・・・」

物が少なく、本の多いい子供部屋だった。

〔あっ!チャーリー!〕

チャーリーは勉強机の上に座っていた。

〔そこに写真が飾ってあるの・・・チャーリー、涼兄ちゃんと変わってあげて〕

ニャーオ・・・

チャーリーが少し体をよけると、そこにはにこやかに笑うカツの写真が飾ってあった。

「カツ・・・」

胸がまたギュッとなったけど、それはいつもと違った・・・何だか胸から痛みが抜けていくような感じで、すぐに治まってすっきりした。

「やぁ、カツ・・・誰だかわかるかい?・・・涼お兄ちゃんだよ・・・変わっただろ?でも心は変わってないよ・・・今でもあのまま時間が止まってるんだ・・・」

僕はかおりちゃんが居るのも忘れて無意識に涙が流れた。

「会いたかったよ・・・ずっと会いたかった・・・ごめんな・・・あれからみんなが口をそろえて忘れろって、兄ちゃんは会いたかったのに・・・ごめんな」

ずっと言いたかったことだった。

「やっぱり答えてはくれないんだな・・・でも感じる、ここに・・・胸に・・・」

僕はしばらく時間を忘れて語りかけた・・・そしてそれと同時に体が軽くなっていく気がした・・・

「かおりちゃん、チャーリーありがとう・・・」

〔ううん、お礼を言うのは私たちの方、きっと和義も喜んでいるわ・・・涼兄ちゃん、この少しの時間で目が変わったね、何て言うか・・・すっきりした感じ〕

「目が変わった?」

〔うん、私があこがれた目に戻った〕

ニャーオ

「気が楽になったからかな・・・」

それからまた話し込んでいると、おばさんがやってきた。

〈かおり、涼君、少しお茶でも飲まない?〉

〔もうこんな時間?・・・涼兄ちゃん一息入れよ〕

「そうだね」

〈涼君だったら、いつまで居てもいつ来てもいいんだから。ねっ、かおり?〉

〔う、うん・・・〕

〈そうだ涼君、もうこんな時間だし晩ご飯も食べて行かない?おばさんも沢山話したいし、かおりもそうだと思うわよ〉

「・・・いいんですか?」

〈かおり、いいわよね〉

〔うん〕

「じゃあ、お言葉に甘えてゆっくりさせていただきます」


毎日、何事も無く、平凡な日々を過ごしていた僕には急展開だったけど、ここまで来たら全てに身を任せようと思った。

決して色あせない記憶とチャーリーが起こした奇跡、カツを感じながらカツの家族とカツの家で過ごす時間が夢を見れなくても夢心地だった。

そうして、僕は自然とここに通うようになり、それが僕の治療になったのか定かではないけど胸の痛みもなくなった・・・

そして、僕はこの歳になって、かおりちゃんに初恋をした。

僕らは恋に落ちた・・・

時は今までが嘘みたいに和やかに流れた。

そして僕はかおりちゃんと結ばれて、カツの本当の兄になり、家族となった・・・



チャーリー

今はもう答えてはくれないけど、これがカツの望んだ願いだったのかな?

ありがとうチャーリー・・・

ありがとうカツ・・・

僕は今、幸せだよ・・・

                 おわり。







エピローグ


しばらくして近所の子供がこんな歌を歌いながら石を蹴って歩いていた。

〔コロ~ン・コロ~ン・願い石~♪コロ~ン・コロ~ン幸せ運ぶよコロ~ン♪・・・〕

僕が声をかけて話を聞くと、夢の中で小さな男の子がそうやって歌いながら現れると答えた。

そして、僕の娘の夢の中にも・・・

どうやらこの物語はこれから始まるのかもしれない・・・






良平です。
長い間、ご観覧ありがとうございましたm(__)m

いかがだったでしょうか?

この殺伐とした今の世の中であえて『純粋なもの』をテーマに!

こんな時代だからこそ『夢や希望』を描きたかったのですが、上手く伝わったかな・・・

途中、敦聡が描いてくれたイラストも『純粋さ』が感じられて良かったですね(^_-)-☆

『純粋』『命』『運命』『夢』『希望』『幸せ』『愛』・・・

難しく、人の永遠のテーマとも言えるけど、僕は単純に思いたい

どんな国でも、どんな宗教でも、どんな難しい書物でも

『大切』だというところに辿り着くでしょう。

それは、決して多くは無く、難しくとらえる必要は無いと思うこの頃です。

いつかまた、僕の夢が叶ったらこの物語の続きを書きますね。

よかったら、この物語の感想をください。チャーリーじゃないけど、それが僕の力になりますm(__)m


↓まだまだ、沢山の物語が眠っています。応援よろしくおねがいします↓


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Last updated  2009.03.23 07:22:10
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