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能楽師 工藤寛~伝ふる花~花瑶会/天地人花の会

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《能ってどんなもの?》
  能は、600年以上前、室町時代初期に観阿弥(かんあみ)世阿弥(ぜあみ)父子によって大成された、日本が世界に誇る美しい歌舞劇です。

江戸時代にはその高い芸術性が認められ、徳川幕府により武家式楽(貴族、朝廷の式楽である雅楽に対抗)と定められ、日本全国諸藩大名家臣に至るまで武士の教養として浸透し、一般庶民も、能の詞章「謡(うたい)=謡曲=とも」を趣味としてたしなむようになりました。

その伝統は明治維新や太平洋戦争による存亡の危機を乗り越えて、現代の日本に引き継がれ、2001年にはユネスコにより日本の文化として初めて世界無形遺産に認定されるなど、海外でもその芸術的価値が高く評価されています。

 能は、時に「詩劇」とも「楽劇」とも言われるように、大変詩的な表現、音楽的魅力に満ちた舞台芸術で、そこに描かれているのは、愛、悲しみ、喜び、苦しみ、悩み、怨みつらみ、希望、憧れ、煩悩、信仰等、いつの時代にもどのような身分の人にも共通の分かり易いテーマです。
そして、それらを、能は花鳥風月を愛で、自らの生き様をそれらに重ね合わせて述懐する日本古来の和歌のスタイルに乗せて表現します。

 笛、小鼓、大鼓、太鼓による囃子(はやし)と地謡(じうたい)と呼ばれる斉唱団をバックに上演されますが、文学的香気に満ち、豊かな音楽的情緒をたたえた謡、極限まで追求された様式的な美しい動きの中に深い情緒を表現する舞……謡と舞は、能の表現の最大の要素です。

 また、シテ(能の主人公)の多くは面(おもて)と言われる仮面をかけ、様式美溢れる装束を身に着けて、その姿にふさわしい動き(「型」と言います)による演技を行い(それが「舞う」ということ)、その、時代を先取りするような抽象の美こそが、能の芸術性の核心と言えます。そこに描き出される絵画的な美しさも能の得難い魅力です。

 能は決して難しいものではありません。理屈ではなく感性で、その世界に心身をゆだねて頂ければ、大きな感動と共感を与えてくれる舞台芸術なのです。
 

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2017.04.01
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カテゴリ:能Random Thoughts
謡い、舞う、「舞台」は難しい。

能楽界は、玄人・素人の別を結構厳しく言う世界です。

稽古の内容にも、それは如実に現れて、たとえば、お素人の稽古に、
何をどこまで要求するか、どこまで教えるか、指導者はよくよく考え
ます。(少なくとも私はそうだし、私の知る諸先生もそうでした)
それは「出し惜しみ」とは違います。

お素人は、あくまで楽しみとして、お稽古に見えるのだということを
ゆめ忘れてはなりません。
誤解を恐れないで言えば、上手でないのは当たり前で、しかも、
そのことをよそからとやかく言われる筋合いは全くありません。

しかし、忘れてならないのは、上手ではないかも知れないが、
お素人独特の味というか雰囲気を醸し出す場合も珍しくないと
いうことです。
お素人ならではの謙虚さとか、欲のなさとか、人柄からにじみ出る
品とか温かみとか。

指導者は、そういうものに気付き、認め、伸ばし、或いは引き出す
ことができなければならないと思います。

指導する内容は、素人だからここまで、と制限(制限する以前に
「無理」或いは「不可能」な場合が殆どですが)するにしても、
その方の持つ良さには気付かなければならないし、引き出して
あげなければならないと思います。

反対に、どんなに上手であっても(或いはそのように見えても)、
素人はあくまで素人、ということを本人も指導者も忘れてはなり
ません。
当たり前なのですが、やはり玄人とは根本的に違うのです。

それで食べている人間と、楽しみにしている人間の違いでしょうか。

こんなことがあります。
素顔で謡うのを聞けば、実に声量豊かで(うるさいくらい=笑=)
ご立派、節もまあまあ正確に聞こえ、ご自身でも、自分は謡える、できる、
と思っているらしいのだけれど、例えば、面・装束を着けると(着けたと
想像すると)、さまにならない、さまになってない、ということが
結構あったりします。

謡は声量の勝負ではないし、舞は型の手順の飲み込みの勝負では
ありません。

能になるかならないか。

謙虚で欲のないお素人を見ていると、玄人も深く深く学ぶ点が多々
あります。

なぜか悪い癖とかは真似しやすいらしく、自分(私)の僅かな癖を
鏡のように映し出し、その方の謡い方や型のやり方に表して
下さる(苦笑)方が居たりします。

生徒さんは私の鏡と思えば、舞台は油断ならず、能は難しいと、
つくづく思うのです。





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最終更新日  2017.04.02 09:20:42
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■2017年5月3日(水・祝)工藤寛主宰〘花瑶会~春の会~〙ご案内
会場:国立能楽堂
開場:9:45
開演:10:00
演目:能「藤」(16:40頃)
  舞囃子「清経」「東北」「敦盛」「雲雀山」「葛城」「高砂 五段」
  「半蔀」「龍田」
  他に素謡、仕舞など。
  京都に本拠を置き、東京では貴重な存在のみやびな流儀、金剛流をたしなむ
  会員の力演、熱演を楽しみ、応援して下さい。
  入場無料 ご来場歓迎!
■工藤寛の指導のもと、能の謡、舞の教室『花瑶会』会員は、日々楽しく
 お稽古にいそしんでいます。
 入会は随時。ご要望により詳しいご案内パンフレットをお送りします。
 TEL /FAX  03─5378─1205(工藤)

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美しい歌舞劇能を修め、伝え、心に花を

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