トレインホステル北斗星
今公開しておこうか。宿泊日は明かさないが、もう少し先に公開する予定だった。しかし、感染者が過去最高を更新し続けている時期にGOTOで出かけるとアホに見えるので、すでに過去に出かけたということで公開しておく。 トレインホステル北斗星は「寝台特急北斗星」の寝台廃品を再利用して作られたホテルだ。そうは言っても、B寝台の再利用設備は幅を10cmひろげているし、通路の補助いすも変なところにあるし、窓は無いし、「復元もどき」にしか見えない。私はこのホテル自体に大して興味はないのだが、憧れのツインデラックスの下段席を目当てに行ってきた。 なぜこの秋に泊まりに行ったかと言うと、今ならば外人旅行者が少ないからである。GOTOの特典にたかりたいからではない。また、外人客をあてこんだ安宿に高級な乗り物である寝台特急列車のブランドを持ち込むのは違う気がするのだが。 コロナ禍の今は特別体制の宿泊体制なので、通常はフロアごとの貸し切りプランが主体になっており、一人で気軽に泊まれるのは一部の日だけだ。よって、いつ宿泊したかはあえて明かさない。 ホテル従業員は、ごくごく私服だ。列車乗務員の服装でもしていればそれなりに雰囲気が増したであろうに。 頑張って作ったのはわかるが、古いエレベータ、窓、配管丸見えで無機質な階段、同じく天井、これ等を見ているだけで興醒めだった。 自宅から1時間程度の場所なので、チェックアウトの時間帯に制限が無ければ、宿泊せずに消灯時間後には帰宅しようかとも前もって考えていた。ツインデラックスの下段席を見て満足できれば快適な自宅に戻ればよいと思っていたのだ。一応、着替えは持って来ていた。 暖房がついていなくて寒かった。ところが、消灯に来てくれた際に暖房をつけてくれた。また、私がいるフロアに誰もいなかった。すなわち、高額なフロア貸し切りプランと同じ状況だ。せっかくつけてくれた暖房を無駄にすることもなくなったし、宿泊することにした。 今は食事もホテルの食事も中止になっており、外へ食事に出た。ところが、戻ってくると人の気配がした。すぐそばの個室に人が来たようだ。他に人がいるならば暖房も無駄にならないし、帰ろうかとも思った。だけど、途中で事故にでも遭遇すれば自宅に帰れない危険性がある時間帯だ。もう泊まることにした。 前述のようにホテル然としない建物なので、全裸になるのが嫌なのだが、シャワーを使った。男性用は5つある。他のフロアにも客が少ないようで、シャワーだって誰も使っていなさそうなところを余裕で選べた。濡れたバスマットを使わずに済んだのは良かった。 やはり車両ではない。寝台の横に窓もない。移動している空間でもない。かなり物足りない。だけど、座席その物は存分に楽しめた。いろんなところの寸法も測ってきた。開放B寝台車の下段の座面の位置も結構低かったが、この寝台のソファ時の座面の高さもおよそ32cmと低い。一般的な座席車より7~10cm程度低く、立ち上がるのが結構大変だ。下段は立派な背もたれを倒して寝台にするので、天地方向は狭くなる。ちなみに、背もたれの上げ下ろしは、肘掛内にバランサーがあるようで、ケガしないようにできている。また、上段寝台の長さと幅はB寝台そのものだ。 座席の見た目は好きで憧れだったツインデラックスは、金銭的にあまり魅力がなかった。二人で乗るにしても、一緒のベッドで寝てもいい相手と乗るならばロイヤルの方がよかった。ロイヤルだと数十円高いだけでシャワーも使えた。ツインデラックスは一人で乗るにはあまりにも高額だった。今回のこれで満足できた。宿泊費2,404円なのに1,000円のクーポンまでもらえて、実質1,404円でツインデラックス下段席を楽しめたのだから。 今回改めて思ったことがある。列車や船舶と宿泊施設とは違うもんだなと。乗り物の2段寝台は快適だが、ホテルだと快適だと言い難い。乗り物にシャワーや浴室があれば立派だが、ホテルだと離れた位置にあると不便にしか感じない。座席だってそうだ。例えばシートピッチ120cm、横幅60cmだと、乗り物だと立派だが、ロビーや待合室だと窮屈だよな。