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2005.08.31
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――――――黒を身に纏う故に小さい幸せに怯える君という――――――

「…っ。」
それは思わず目を背けたくなる現実。
白いシーツに眠る彼女。その背に生々しく引かれた赤い傷。
『痛くはない。止血はした。大丈夫だ…。』
うつ伏せなので彼女の表情は読めない。
でも痛みがないのは、痛感を絶っているからで。
痛みがないから倒れるまで全力で戦って…
いつかそのまま死んでしまいそうで。
「…怖いです。あなたが帰ってこなくなりそうで。」
僕を見つめるあなたの瞳は生に溢れていて。
それでいて黒を着て魂を葬る。
そして自らも… 死に近い。
『私は死なない。 …大丈夫だっ。』
大丈夫という言葉が、赤く深い傷に呑まれていく。
「あなたはいつも瀬戸際で大丈夫だと繰り返すからっ!! …もう言わないで、下さい。」
どうかお願い。
痛みを感じて、悲鳴をあげて、助けを呼んで。

『他にどういえば強くあれるか、私には分からない…。』

強くある必要はないんです。
きっと通じない。
彼女の生きざまを否定することになるから。
でも、自らの血を糧に動くカラクリの様な彼女を見る度に…

僕は君に恐怖する。





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Last updated  2005.08.31 22:32:39
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