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2005.12.07
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カテゴリ:カテゴリ未分類
重なりあう金属音。
擦れる鉄、しばし続くつばぜり合い。


―――――キシン―――――


弾かれた剣は、中を舞う。


「はぁ…ッ、…ぁ」
「アメ様、大丈夫ですか!?」

コイツはいつもそうだ。
今も、私から剣の練習に付き合えって頼んで、やってるのに。
魔力は強い自信はある。
雷も重力も珍しい能力だし。
…元に魔物より、人である私の魔力が強い。
でも分かってるんだ。
女だし、やっぱり力業では敵わないって事くらい。
魔封じなんてされたら戦えなくなる。
現に今だってそう。
私は床に倒れていて、レイスは心配そうに見下ろしている。
と、思う。
今、私の目に映るのは石畳だけ。
上を見上げる勇気なんて…
持ってない。
守られている姫になんか、なりたくない。
そんなの嫌。
私の価値が無くなるから。
そう思って、剣技を覚えようと練習してるのに。
本当にさっきから、アイツは心配ばかり。

「…大丈夫だッ!次いくぞ、次!!」

落とした剣を拾って、私はまたコイツと対峙する。
石畳の部屋に響きわたる真剣の音が、私は好きだった。

「アメ様、無茶しないでください!と言うより、もうやめましょうよー…」

そう言うお前を、昔は私が一方的に守っていた。
左手で互いを確かめて、私は右手で戦っていたのに…
いつの間に逆転してたんだろう。
レイスは私を全身全霊で守ろうとする。
たとえ、私がそれを拒否しても。
守らなくていい、私なんか。
強くなりたいのに…
奥歯を強く噛み合わす。
なんだろう、視界がうるんできた。

「…分かった、やめる!」

馬鹿… 馬鹿。
本当は礼を言わなければならんのに。
…もう精神的にも負けているのかもしれないな。
今だって強いはずだ。
そういう風に生まれて来たんだから。
レイスは華奢だし、戦いには向いてないはず。
なのに‘忍’として突出したものを持っている。
私も華奢。
戦いはお世辞にも向いていると言えない。
それなのに四天王の1人を倒すために生まれてきた…
もう最悪だよ、私の人生。
レイスに勝てないようじゃ、戦っても負けるに決まってるし。
…自分のこんな考え方、大っ嫌い。
あーぁ、私レイスにどう思われてんだろう。


「アメ様、魔封じ解除で戦いません?」


僕、一体アメ様にどう思われてるんだろう。
最近、僕はとにかく嬉しい。
仕事と称して、ずっと一緒にいられるし。
多少強くなったから、修行の相手も出きるし。
剣の腕もだいぶ上がった。
でもアメ様は、元気なさそうだし機嫌も悪そう。
綺麗に反比例ってわけだ。
彼女の方から素直に修行をやめるのは、けっこう珍しいこと。
何か変だなぁと思って、僕も珍しいことをした。
それは彼女が僕につけているハンディを外すこと。

「…雷の方は封じとく。焦がしそうだし。重力は使うからな。」

そう言って彼女は剣を捨てた。
靴紐をきつく結びなおし、手袋をとり、上着を脱ぐ。
纏うのは布じゃない、能力。


「じゃあ僕も

―――――剣じゃなくてナイフでいきます。」

剣なんかいらない。
薄く研いだ刃だけでいい。

「覚悟はできた?」

唇の端を持ち上げ、軽そうに聞いてくる彼女。
それでも、纏うものは殺気と能力で。
剣を構えている時とは段違いだ。
別に構えているわけじゃない。
否、攻撃体勢でも防御体勢でもない。
ただ、楽なように立っているだけ。
それでも隙は見せてくれない。

「負ける覚悟じゃないですけどね。」

言うと同時に空に混ざる。
床を蹴ったら、空気となれ。
言葉が彼女の耳に届くまえに、流れとなって回りこめばいい。
細い首筋に突き付けた刃。

「上等じゃん… 言う前に先制攻撃とか。」

「その言うわりには、反応速いです。」

僕が仕掛けた速攻を無効化できたのは、彼女が僕の手を捕まえていたから。
白い首と薄い刃の間。
瀬戸際での攻防は彼女に軍配が上がった。

――――――――――――――――
戦闘アクション書きにくい…
アメ姫さまは強いですよぉー。
(全然書けてないけど;





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Last updated  2005.12.07 23:34:38
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