2016/07/04(月)12:47
懐かしいワープロ専用機
じめじめした蒸し暑い日が続いています。
滝の写真で清涼感を味わってください。
ニの滝(山形県遊佐町)です。
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先日、私が顧問を務めているカメラクラブのある会員から、事情があって退会するとの挨拶状をいただきました。
32GBの東芝製SDHCメモリカードが同封されていて、自由に使ってくださいとのこと。
彼にはニの滝の写真に礼文を添えてハガキを出しました。
メモリカードは15人ほどの会員全員に贈ったそうですから、結構な出費だったでしょう。
同じカードを価格.COMで調べてみると、3,000円から5,000円ほど。
私が12年前、外国旅行する際に同じ容量である32GBのCFカードを求めたのですが、価格は3万円ほどしました。
カードの種類は違いますが、価格は当時の10分の1ですから、隔世の感があります。
東芝といえば、営業利益を過大計上するという不適切会計処理が発覚して大きな問題となったのは、耳目に新しいところです。
しかし、私にとって東芝は尊敬すべき会社の一つでした。
1979年に日本語ワープロJW-10を初めて世に出した会社だからです。
それに、CFやSDHCなどのいわゆるフラッシュメモリは、舛岡富士雄が東芝在籍中に発明したものです。
JW-10は机一つの大きさで630万円もしました。
しかし、それから各社が開発競争を繰り広げて小型化し、価格もどんどん安くなりました。
手書きを解放させてくれる事務機器として、事務所はもちろん個人にまで爆発的に広まりました。
私の事務所では、日立のOEM製品であるリコー製のワープロが導入されていました。
私もバンバン使いました。
簡素ながら帳票機能も付属していたので、文書はもとより表計算や自動業務処理へと活躍の場を広げたものです。
帳票機能では、四則演算のほかに、わずか9つでしたが関数もありました。
しかし、簡単な集計には重宝しましたが、複雑な計算には向きません。
何よりも困ったのは、EXCELでは多用されるIF関数がないので業態別の振り分けが難しく、頭を悩ませました。
それを、2次方程式の根を求める方式で解決して、ひとり悦に入っていました。
凝りに凝ってあらゆる業務をこなしていたので、他の部署からも随分業務処理開発の依頼を受けたものです。
そのため私は寝る間も惜しいほど業務処理開発に没頭せざるを得ませんでした。
「あいつは本業を忘れているんじゃないのか」と、陰口をたたかれるほどでした。
キーボードを叩きすぎて肩が凝り、首が回らなくなりました。
で、整形外科医院に行ったら、処方は首を引っ張る治療だけでした。
後で分かったことですが、私は「VDT症候群」に罹っていたのです。
そこの先生、発症例が多くなり始めたその当時、VDT症候群のことを果たしてどれだけ認知していたんでしょうか。
ワープロ全盛期、東芝はRUPO、NECは文豪、シャープは書院、そういった名機が幅を利かせていました。
懐かしい昭和時代後半のことです。
今ではワープロ専用機はすっかり姿を消し、パソコンにその座を譲ってしまいました。
なぜ、そうなったでしょうか。
IT企業ごとに独自路線を貫き、OSはもとより、キー操作、用語、文書フォーマットなどあらゆる面で互換性がなかったからでしょうね。
それにIT企業は、ワープロとパソコンの両方を売ろうと考え、双方の融合を図らなかったことも要因でしょうか。
でも、ヤフオク!にはワープロ専用機が出品されたりしていますから、未だに需要があるのは不思議です。