カテゴリ:歴史あれこれ
![]() 高野山真言宗総本山金剛峰寺(和歌山県高野町)の根本大塔 ![]() 真言宗豊山派の総本山長谷寺(奈良県桜井市)は紅葉の名所 真言宗と「おしどり物語」 鴛鴦の契(えんおうのちぎり)ということわざがある。 故事ことわざ辞典blogによると『おしどりの雌雄はいつも仲が良くて離れることがない。雌雄のうちのどちらか一羽を捕らえたりすると、残った一羽は、その相手を慕い続け、遂にはこがれ死にするとの言い伝えがある。』などとある。 「おしどり物語」の原義は「鴛鴦の契」に求められるといえようか。 鴛鴦(おしどり)は仏教とのかかわりが深い。 空海(弘法大師)が開いた真言宗(しんごんしゅう)がある。 和歌山県高野町にある金剛峯寺は高野山真言宗の総本山で、ユネスコの世界遺産に登録されている。(写真1枚目) 真言宗には宗派がたくさんあり、高野山真言宗は古義真言宗に属し、新義真言宗には真言宗智山派(しんごんしゅうちさんは)や真言宗豊山派(しんごんしゅうぶざんは)などがある。 前日の当ブログで紹介したように、千葉県八千代市の正覚院は真言宗豊山派の寺院で、おしどり伝説で知られる。 千葉県富里市の鴛鴦寺(えんおうじ)は真言宗豊山派の寺院で廃寺となったが、おしどり伝説が今に伝わっている。 真言宗豊山派の総本山は、奈良県桜井市にある長谷寺(はせでら)で、四季折々の花や紅葉の名所として知られる。(写真2枚目) 東京都大田区西蒲田の蓮花寺は真言宗智山派(しんごんしゅうちさんは)寺院である。おしどり物語が寺伝として伝わる。 曹洞宗と「おしどり物語」 曹洞宗にも鴛鴦に関わる寺は多い。 愛知県清須市の曹洞宗寺院天桂寺には、おしどり物語が殿様の話で伝わり、その物語を示す襖絵や伝説に関わる品々が保存されているという。 長野県伊那市富県の鴛鴦山東光寺も曹洞宗寺院で、前日のブログで紹介した。 福島県南相馬市の曹洞宗寺院豊池山円応寺(えんのうじ)は、しばしば火災に遭ったため、名を鴛鴦寺から円応寺と改めたと伝えられる。 福岡県朝倉市の龍光山円清寺(えんせいじ)も曹洞宗で、鴛鴦観音像を祀る。廃寺となったおしどり伝説の寺から観音像を移して今にあるという。 浄土宗と「おしどり物語」 愛知県豊田市鴛鴨町の遍照寺(へんじょうじ)は山号を鴛鴦山といい、浄土宗の寺院である。浄土宗の開祖は法然である。 親鸞が開山した浄土真宗の各寺院には、年中行事の報恩講(ほうおんこう)の際に掲げられる4幅の御伝絵(ごえでん)がある。親鸞聖人の生涯を絵に表したもので、その中につがいの鴛鴦(おしどり)が描かれている。 池の中にいる雌鳥が法然聖人、そして岩の上にいる雄鳥が親鸞聖人を表しているといわれている。 親鸞は法然を師と仰いだ。 横手市大雄の田村にはかつて浄土真宗の大悲山真光寺があった。 菅江真澄の雪の出羽路には、室町時代の宝徳3年(1451年)に9世定明が関東から下向して田村に堂を建立し、その後、天文2年(1533年)に田村の地から移ったとされている。 現在、真光寺は秋田県美郷町六郷にある。(写真3枚目) この真光寺との関わりで、「赤沼のおしどり物語」が伝えられたかも知れない。 ![]() 真光寺(秋田県美郷町)と雪の墓所 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[歴史あれこれ] カテゴリの最新記事
|
|