カテゴリ:歴史あれこれ
新潟県十日町市の美人林は美しいブナの森 八郎潟町の「一日市(ひといち)」は盆踊りの町 「四日市」、「七日町」、「十日町」など、かつて定期的に市が開かれていたことから興った地名は非常に多い。 旧暦のひと月のうち、市日に刻まれた地名は果たしていくらあるか探してみた。 1日から11日まではまんべんなくあるが、それを越すと見つからない日も出てくる。 とりあえず、見つけた範囲で紹介する。 青森県八戸市櫛引一日市(ひといち) 秋田県南秋田郡八郎潟町一日市(ひといち) 山形県天童市一日町(ひといちまち) 富山県南砺市一日市(していち) 青森県八戸市朔日町(ついたちまち) 愛媛県西条市朔日市(ついたち) 秋田県横手市十文字町植田一ト市(ひといち) 「一日市」は「ひといち」が一般的だが、「市」を省略して「一日(ひといち)」や、「日」を省略して「一ト市(ひといち)」もある。 富山県南砺市の「一日市」は、なまって「していち」だ。 「朔日市(ついたち)」は、「市」の読みを省いている。 秋田県八郎潟町の「一日市(ひといち)」は、500年以上も続く一日市の盆踊で知られる。 岩手県陸前高田市気仙町二日市(ふつかいち) 岩手県紫波郡紫波町二日町(ふつかまち) 京都府舞鶴市三日市(みっかいち) 青森県八戸市三日町(みっかまち) 山梨県甲州市塩山三日市場(みっかいちば) 三重県四日市市 秋田県横手市四日町(よっかまち) 秋田県湯沢市相川四日市(よっかいち) 新潟県三条市四日町(よっかまち) 三重県の「四日市」は、高度経済成長期に四日市ぜんそくの公害問題が発生した。 山形県新庄市五日町(いつかまち) 秋田県大館市比内町中野上五日市(いつかいち) 秋田県雄勝郡羽後町六日市(むいかいち) 秋田県横手市平鹿町浅舞六日町後(むいかまちうしろ) 新潟県長岡市六日市町(むいかいちまち) 増田の「七日町」は蔵の街並み 秋田県横手市増田町増田七日町(なのかまち) 秋田県横手市睦成七日市(なのかいち) 山形県山形市七日町 京都府舞鶴市七日市(なぬかいち) 岡山県井原市七日市町(なぬかいちちょう) 「七日」は、辞書によると「なぬか」が本来なのだが、現在では言いやすい「なのか」の方が市民権を得ている。 秋田県横手市増田町の「七日町(なのかまち)」は、商人が築いた町並みや内蔵が今も残されていて、「蔵の町」として知られるようになった。(参考・増田町観光協会) 毎月2・5・9のつく日に、朝市通りで朝市が開かれる。 増田の朝市は300年以上の歴史があるが、七日町なので、かつては7の付く日に市があったのかも知れない。 秋田県横手市十文字町植田八日市(ようかいち) 千葉県香取市八日市場(ようかいちば) 秋田県大仙市長野九日町(ここのかまち) 愛知県一宮市丹陽町九日市場(ここのかいちば) 熊本県人吉市九日町(ここのかまち) 歴史ある増田の朝市 豪雪の町・新潟県十日町市 新潟県十日町市 秋田県横手市大森町十日町(とおかまち) 新潟県十日町市十日町(とおかまちしとおかまち) 広島県三次市十日市町(とおかいちまち) 山形県山形市十日町(とうかまち) 日本有数の豪雪地帯の新潟県十日町市は、棚田やブナ林で知られる。(写真1枚目) 青森県八戸市十一日町(じゅういちにちまち) 大分県日田市十二町(おおいたけんひたしじゅうにちょう) 富山県氷見市十二町(とやまけんひみしじゅうにちょう) ここに掲げた「十二町」の由来が、市日と関係しているかどうかは、確認できていない。 青森県八戸市十三日町(じゅうさんにちまち) 広島県尾道市十四日町(とよひちょう) 青森県八戸市十六日町(じゅうろくにちまち) 青森県八戸市十八日町(じゅうはちにちまち) 「十四日(とよひ)」は、読みやすさからの転化か。 「十五日」、「十七日」、「十九日」が見当たらない。 広島県廿日市市 青森県八戸市廿三日町(にじゅうさんにちまち) 青森県八戸市廿六日町(にじゅうろくにちまち) 岩手県久慈市二十八日町(にじゅうはちにちまち) 「廿九日(ひづめ)」と「日詰(ひづめ)」 石川県鹿島郡中能登町廿九日(ひづめ) 角川日本地名大辞典によると、『廿九日(ひづめ) 晦日とも書く。地名の由来は樋詰の転化と見る説と、古代の越蘇郷院内住人の馬場の蹄跡多きによる説とがあるが不詳。』などとある。 旧暦では大の月で30日、小の月で29日が月末となり、それぞれ日が詰まった日である。 「日詰」の他、「比詰」、「樋詰」、「樋爪」、「飛詰」など様々あり、いずれも「ひづめ」と読む。 秋田県男鹿市船川港比詰(ひづめ) 秋田県大館市比内町独鈷日詰(ひづめ) 岩手県紫波郡紫波町日詰(ひづめ) 富山県氷見市日詰(ひづめ) 富山県高岡市樋詰(ひづめ) 京都府向日市上植野町樋爪(ひづめ) 兵庫県川辺郡猪名川町広根飛詰(ひづめ) 石川県金沢市に「蚊爪町(かがつめまち)」があり、石川県の地名集にその由来がある。 『蚊爪(かがつめ) 「かがつめ」とは「日々詰」で、「日詰」と同じく、月末に市がたつことを意味する。』 また「樋詰(ひづめ)」は、月末の29日を「ひづめ」と呼び、定期市などを開くのが語源との説がある。(参考・名字由来net) 「四十日(しとか)」と「四十物(あいもの)」 新潟県南魚沼市に「四十日(しとか)」があり、その由来は、昔、毎月4と10の日に市が開かれたことにちなむ、という。(参考・角川日本地名大辞典) 新潟県佐渡市相川に「四十物町(あいものまち)」がある。慶長年間に四十物(あいもの)商人が集まって住んだことに由来する。(参考・角川日本地名大辞典) 四十物(あいもの)とは魚の塩漬けのことで、鮮魚と干物とのあいだのものなので、「あいもの」と呼称するようになった。それが四十種に及ぶことから「四十物」という表記になったと言われる。(参考・ニコニコ大百科-四十物) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017/03/07 05:00:04 PM
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