カテゴリ:自然
まるで烏帽子か尖塔のような山体の女甑(めこしき)山である。 見ての如く険しいこと極まりないので、登るのに随分と苦労させられた。 自然の神は、登山者に随分といじわるな山を造形したものである。 足場はあるのだが、灌木の枝につかまりながら腕を思いっきり引っ張らないと体を持ち上げられなかった。 汗びっしょりの顔を拭く余裕もなく、ただ只管頂上を目指してよじ登った。 どうにか克服して標高979mの山頂に達し、周囲の絶景を見渡して一息つき、やっと感動に浸ることができたのだった。 しかし、登攀より下山が更にしんどかった。 傾斜がきつ過ぎるため、梯子を下りる時の要領で、ほとんど体を後ろ向きにして下りるほかなかった。 この急峻な山は、過去に覗き修行の修験者で賑わった時代があった。 登山路の入り口を少し入ると、山中に「寺屋敷・宿坊跡」の標識があり、往時の賑わいが偲ばれた。(写真2枚目) 鎌倉・室町時代というから、随分古い話である。 覗き修行は、上の写真に見る垂直岸壁で行われたのだろうか。 山頂からは怖くて足元がすくむような位置にある。 麓の「及位(のぞき)」地名も、この修行が由来となっている。 及位はまた、戊辰戦争の激戦地でもあった。 それらは当ブログ地名こぼれ話12・厳しい山岳修行の地「及位(のぞき)」に詳しく紹介している。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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