誕生から療育開始まで◆◆ゆずきについて◆◆◇誕生から療育開始まで◇ 【誕生】 1999年12月、切迫早産で1ヵ月と20日の絶対安静、点滴はエンドレスという入院生活の末にゆずきは生まれた。 在胎週数31週、1850gの小さめ赤ちゃん。 【最初の不安】 生まれた病院の小児科で、ゆずきは1ヵ月半ほどを過ごした。 病院にいる新生児は樹脂製の透明な箱のような物の中に寝かされている。 その箱が乗せてある台に何かがぶつかってカタンと揺れると、ゆずきは一応びっくりしたように体をビクンとさせた。 けれど、周囲で大きな音(新生児室の中なのでそれほど大きな音はしないが)がしても全く反応ナシ。 【もしかして難聴?】 生後3ヶ月になる頃、自宅(その頃は母と同じ家で暮らしていた)で法事をした。 人が大勢いて騒々しい中で平気で爆睡するゆずき。 これは将来大物? いやいや、そういうことじゃなくて・・・ 【検査】 生後3ヶ月。 授乳量が増えないことと、授乳後の嘔吐が気になった。 生まれた時から鼻の奥の管が狭かったそうで呼吸音も大きかった。 授乳量が増えないことが呼吸がし難いことからきているかもしれないと、入院して検査をすることに。 入院中にABR(聴覚の検査)もすることになった。 呼吸は治療や処置が必要な程ではなく、鼻の管は体が大きくなるに連れて広くなるので心配ないとのこと。 聴覚については、聞こえていると思うけれど月齢が小さすぎて分かり難いので3ヶ月後に再検査。 難聴ではなさそう。 それでも音に対する反応が鈍いなら、もしかして自閉症ということもあり? 【4ヶ月検診】 首は全く据わっていない。 目の前でおもちゃを動かしても追視をしない。 顔の横で大きな音をたてても全く反応なし。 泣いている時に体を触れば一時は泣き止むが、声かけだけでは反応なし。 【聴覚検査 2回目】 生後6ヶ月。 1回目と同じ薬で眠らせておいて音を聞かせながら脳波を取る検査。 日常必要な程度の音は聞こえていると思う。 言葉の出方が遅かったりしたら、また連れて来て下さい。 目の前でおもちゃを動かすとそれを目で追うのではなくて払いのけるようになったのは、この頃だっただろうか。 【10ヶ月検診】 検診当日、初めてつかまり立ちをした。 小さい椅子に座って保健士さんと話している私の足につかまって、自分で立ち上がった。 医師の診察。 新生児期に入院していた時の担当医だった。 パラシュート反射なし。 「この反射がないとどういう異常が考えられるのですか?」という質問に答えが返って来ない。 「来月もう一度・・・」と言いかけたけれど、同じ病院で発達のフォローは受けているのが分かっているので、その話しもナシ。 体を触ってあやせば笑うけれど、目の前に顔があっても声だけでは全く反応がないのと、なん語(字が出てこない)が出て来ないのが気になったのがこの頃? 【聴覚検査 3回目】 生後1年。 小児科の医師から3回目の聴覚検査を勧められた。 同じ病院でも出来るけれど、後のフォローが出来ない。 市内にある難聴の幼児の療育施設の中の診療所でも検査が出来る。 どちらか都合の良い方でと言われて、療育施設の診療所で検査を受けることにした。 この頃には、ゆずきが待っていたら話すようになる子でないことは、なんとなく感じていた。 もしも難聴であれば早めに聴能訓練を始めなければと思ったのだが、この時には先々こういう展開になるとは当然思っていなかった。 検査は音を聞かせたり話しかけたりしながら行動を観察する検査と、ABR。 行動観察の結果は軽い難聴を思わせるものだったようだが、ABRの結果は聞こえているとのこと。 「この子、このままにしとくと言葉覚えないよ。」と言われ、市の発達相談センターのパンフを渡された。 【療育開始】 小児科の医師に相談すると、 「行ってみて追いついてきたら止めれば良いことだから。 行って損にはならないから行ってみたら。」 と言われて、センターに相談の予約をした。 私自身、行ってみて止められる時など来ないことは承知していたのだと思うけれど、医師のこの言葉の後押しがあったからこそ、早い時期に療育を始められたのだと思う。 この時1才2ヶ月。 【相談】 女性職員2人と、ゆずきの様子を見ながら生まれてからの様子や気になることなどを話す。 この頃気になっていたのは、視線が合わないことと声かけに反応しないこと。 言葉をかけても、「声がしてるのは知ってるよ。でもそれがどうかしたの?」とでも言うような様子だった。 「自閉症なんでしょうか?」とたずねると、「今の時点で自閉症の特徴が揃っていないからといって、自閉症でないとは言えない。」という答え。 月に2回ある親子教室に通うことになる。 普通に自然に発達していく子でなさそうなことは分かるが、誰もそのことをはっきり言ってくれない。 ネットで自閉症関連のサイトをめぐっては悶々としていた頃。 【親子教室】 月に2回、1時間半ほど、数組の親子と指導の職員(身分、資格は?)2人での活動。 本人の体調その他の事情で全員揃うことはないので、日によって人数、顔ぶれがちがった。 おもちゃなどで自由に遊んだ後、時間になるとおかたづけ。 体操、朝の会、その日の設定遊び、休憩、終わりの会。 知的には全く遜色のなさそうな子や、発達障害などの診断名も付かなさそうな子もいっしょなので、他の子とゆずきを比べては毎回落ち込んだ。 教室に通い始めた頃には立って数秒バランスをとるのがやっとだったが、歩くようになると、部屋から脱走を繰り返して、教室の間ず~と運動会状態だった。 大人しく椅子に座って、名前を呼ばれたらお返事「ハイ。」なんてとんでもない・・・ この頃からクレーンハンド全開。 私の手を引っ張っても、顔は見ない。 手だけスポッと外れても、その手が動いて用が足せればそれで良いような表情だった。 そんな状態がしばらく続いた後で、「ちゃんと本体もついて来てね。」って顔をするようにはなった。 【告知】 親子教室に通い始めて少し経った頃、「どのくらいの年齢になったら診断が付きますか?」と医師に迫った。 「1才、2才で自閉症の特徴が出ていても、4才、5才くらいになってその特徴が消える子もあるので、あまり早いうちに診断はしません。 小学校に上がる頃に必要があれば○○病院に紹介します。」 という答えが返ってきた。 ネットで色々調べて頭の中がグッチャグチャになっていた最中で、医師もたぶんそのことを感じて「今は言わない方が良い」と思ったのかも・・・ その3ヶ月ほど後(1才6ヶ月頃)、「こだわり」が出てきて場面の切り替えが上手く行かないことが目立つようになり、「『自閉』ということをメインに診て行きましょう。」と言われた。 同時に、「他に(療育に)行く所がないか聞いてみて。」と言われて、親子教室の時に相談すると、療育施設の見学の手配をしてくれた。 施設に見学に行き、それから半年ほどの間はセンターの親子教室(月2回)と療育施設の外来の親子教室(月2回)を並行して通った。 【療育施設の外来教室】 施設に通園している子のお帰りが早い曜日の午後に活動。 内容はセンターの親子教室と同じようなもの。 ゆずきは療育施設の教室の方がリラックスして楽しんでいたように思う。 【パニック・自傷行為】 センターと療育施設と並行して通うようになった頃から、自分なりに持った見通しが崩れるとパニックをおこし、自傷行為をするようになった。 これが、年度がかわって正式に療育施設に通うようになって、活動の流れを覚えて、言葉の指示で動ける(かのように見える?)ようになるまで続いた。 足を投げ出して座った姿勢から、後ろに勢い良く倒れる。(当然後頭部を強打) 腹這いの姿勢で頭を床に打ち付ける。 抱き上げると反り返って暴れるので、手で頭をガードしながら見守るしかなかった。 【施設入園のための判定】 子ども相談センター(児童相談所)で判定を受ける。 本人の発達検査と、検査担当者が観察して書き込む物と、親からの聞き取りと3種類並行して行われていたようだった。 発達検査の数値は教えてもらえなかったけれど、申請すれば療育手帳は出ますと言われたが、往生際が悪くて、その時すぐ申請する気にはならなかった。 2才3ヶ月。 4月から、療育施設に通園することになる。 ジャンル別一覧
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