将来のために投資逍遥から引用。竹田和平さんの記事竹田和平氏の投資法 竹田氏の鉄則3カ条 1. 情報源としては『会社四季報』1冊で十分。PER、PBRなどを見て割安株を探すべし 2. 大企業よりも成長企業、小さな企業の分散投資を心掛けるべし 3. やる気がある会社を狙うべし。大株主に個人投資家の名前がある会社がよい 大企業よりも成長企業に投資 市場の灯台の役割を果したい ―東洋経済調べで竹田さんの名前が上位20位の大株主に登場する会社は126社もあります。 竹田さんの投資スタンスは明確ですね。 割安の株を買い、買った株は手放さない。あくまで配当収入が基本です。大企業は買わない。この投資方針を決めたのは山一證券が倒産したときです。私は150万株の山一株を持っていました。会社が大きすぎると責任がどこにあるかわからなくなります。大きいところだけだと危ない。身に染みました。それで投資方針を変更して、小さな会社に変えたんです。中小企業というのは投資の歴史です。常に世の中が求めるもの、利益の出そうなものに対して投資をしていくのが、経営者の仕事です。明日の会社のために今日投資をするということを、ずっとやってきました。その一環として、投資も行ってきたわけです。小さいというのは小さいだけで魅力です。小さい株の分散投資というのはやはり個人投資家の狙い目じゃないですか。特に利益率を上げたい人には。 私個人の立場では、配当だけを期待しています。若い会社がどんどん発展して、価値が上がっていくのが楽しみです。新しい価値の創造のために経営者の方と話し合う機会を持ちたいという気持ちは当然あります。 ―どういう基準で投資する会社を選ぶのですか。 なんといっても割安株。『会社四季報』でまずPBR(株価純資産倍率)を見ます。PBRは会社の活力を示しています。体温みたいなものです。PBRはまさに解散価値を表しています。PER(株価収益率)やROE(株主資本利益率)も見ます。 自己資本比率も会社の健全性として大事なポイントです。自己資本比率が低いと意思決定しても新しいものにチャレンジできない。つぶれる会社を見ていると、皆自己資本比率の低いところです。自己資本比率の良しあしは業種によって違うでしょう。知識産業では物的投資がいらないから、必然的に自己資本比率は高くなります。これが低いとかえって危ない。立ち上がったばかりの製造業などは一つの種類の品種にかけて立ち上がるわけですから、そこに強力な競争相手が現れれば、かけた資本が無価値になります。だから高率のほうがいい。 ―個人投資家は『会社四季報』でPBR、PER、ROE、自己資本比率を見ればいい…。 成長率も大事ですね。いちばん簡単な指標は1株利益ですね。小さい数字だからケタを考えないでいい。 『会社四季報』はイチロー選手です。要は打率です。イチローだって三振はしますが、打率がいいのは『会社四季報』です。伝統もあるし、いかに的確な情報を提供するかということを熱心にやっている。他のものを見ると迷います。不動の1番バッターを決めているほうが楽でいい。迷うことはないです。迷って結果良ければいいけど、かえって悪くなりますよ。 ―大株主欄に個人投資家の名前が出ている企業にも注目されていますね。 それは自然の姿です。会社はみな法人に化けて無責任化する。これは一つの社会主義思想です。経済的には悪夢の思想です。皆平等という考え方は、結果として誰もやる気がなくなります。やる気があるから豊かになるんです。個人投資家が株主に出ている意味はそこにあるんです。 ―今後5年、10年で注目する業種は何ですか。 私は本当は世界の企業に投資がしたいんです。でも、残念ながらその能力がありません。ですから、技術と能力を持って海外市場を開拓していこうという企業を応援したい。一緒になって投資していこうという考えです。 経済効率、投資効率というのは、平均的に見れば経済成長率とイコールです。経済成長が止まったときは日経平均も止まります。日本の成長が止まったら日本以外の世界の成長市場で稼げる会社というのが狙い目です。 ―日本一の個人投資家として今思うことは。 自分で望んだわけではないんですが、日本一と言われた以上は、それなりの責任が発生してくると思います。その責任は何だろうと考えたときに、これから日本は投資大国になっていかなきゃいけない。投資家を勇気づけていかなくてはならないだろうと。そこでイメージしたのが、灯台です。つねに市場には嵐も風もありますが、灯台が不動の位置で一定の光を発していれば、それを見るとほっと安心します。励ましと安心を提供する、一つの役割があるのではないかと思います。(構成・早川美帆) (会社四季報机上版2005年4集より) ジャンル別一覧
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