冷麺 エンスト 地下鉄北朝鮮旅行記3日目冷麺 エンスト 地下鉄 「平壌でいちばん美味しい」といふ冷麺専門店へ向つた。 個室に通され、ここは冷房が動いてゐる。 が、効いてゐるとまでは言へず。電灯は点いてゐない。 もちろん昼間なので十分に明るかつたのだが、トイレはうす暗かつた。 特に大のはうは扉を閉めるとまつくら。かつ、高級料理店でこれかい? といふお粗末さ。 端的に言つて、ボロで汚い。 ガイド2人と運転手と私の4人で食べるが、キムさんだけは冷麺が好きではないといふこ とでオムライスを食べてゐた。 北朝鮮の人でも冷麺嫌ひがゐるのねと感心。 肝腎の冷麺のお味については、どうやら私はキムさん派のやうでした。正直、金払つてまで 食べる気はしない。 食事中、蝿が数匹飛んでゐたが、ま、そのくらゐのことでは驚きません。 昼食後、人民大学習堂へ。 <トロリーバスです。トロリーバスも路面電車も満員。朝夕は超満員> と、ここで2台目だつたアウディが動かなくなつた。 下はそのときの写真です。 <後ろの人々は「学習」に来てゐた学生さんの一群> <同じく「学習」に来た小学生の一群。赤いスカーフは特にエリートの印といふわけではなく、 平壌の小中学生はみなしてゐるとのこと> (上の写真の建物で朝鮮の古代からの歴史を見学するがほとんど覚えてゐませんでした。 朝鮮が如何に同一民族であつたか力説されたやうに思ふ) どうやら完全に駄目なやうなので、喫茶店に入り、代車を待つことに。 キムさんが缶コーヒーを頼むので私も一緒に。 缶コーヒーをコップにあけて飲むわけで、これが「ポッカ ミルクコーヒー」だつた。 ロゴも絵も日本でお馴染みの柄なのだが、ハングルも大きく書いてある。 コピー商品かとしげしげと眺めると、英語で"License in Japan"とかあつたので、正式な ライセンス商品らしい。ずゐぶん甘いが、「ミルクコーヒー」であれば、納得の範囲内。 キムさんは行く所どこでも顔で(当り前だが)お店の人と親しげに話をしてゐる。 他のところでは同じ年頃の女性とばつたり会つてキャーキャー言つてゐた。 朝鮮語なので内容は不明だが、勝手に推測すると、 「あ~、キムぢやない?」 「パクちやん!」 「久しぶりー」 「元気してた~?」 「元気、元気。わあ~、今日は仕事?」 「うん、ね、また今度会はう!」 「うん、会はう、会はう」 と、こんな感じでした。 日本の女の子と変らんわな、と思ひ、ほんとにいい子だなあ、可愛いなあと頬がゆるみ ました。でへへ。 代車が来た。 1日目の黒のアウディ、運転手も1日目の李さんでした。 地下鉄乗車へと向ひます。 お約束の一駅だけの乗車ですが。 <ホームの写真です> <同じくホームの写真> ほんたうに深い所にある。 エスカレーターは歩くのも坐るのも禁止とのこと。 たしかにここでコケらた生命にかかはりさう。 坐るのも駄目といふのはみつともないからか? さて、ほぼ初めて一般市民のなかに入るといふわけで、やや緊張した。 と、同時に「やらせ」云々、つまり、外国人向けに乗客を仕込んでゐるのかと観察しました が、結論をいへばそんなことはなかつた。 ホームのシャンデリアはたしかに豪華といへば豪華だが、これも「作つた当初はすごかつた んだらうなあ」といふ部類。全体には荒涼とした雰囲気が漂ふ。 ホームを見学しつつ、1本をパスして、次の電車に乗る。 時間が時間だけに空いてゐてラクに坐れた。 地下鉄だから当然灯りは点いてゐるが、蛍光灯の半分は切れてゐて、残り半分のうちの半分は切れ かかつてをり、まともに点いてゐるのは1車両当り2本くらゐか。 電力事情も悪いが、物資も(特に消耗品が)不足してゐるなあと実感。 車両もひとことでいへばボロ。 空いてゐるとはいへ一般市民が大勢ゐるところで撮影もなんだなと遠慮してゐたが、キムさ んが写真撮りますかと言つてくれて男の李さんと記念撮影(大した写りではないのでアップ はせず)。 まはりの人は当然こちらを注目する。 降車。 をばさんの後ろに並ぶ。 扉が開くとホームに待つてゐた子供たちが、わあーっと一斉に乗り込んできた。 それををばさんが(勝手に日本語で推察すると)、 「おら! どけ!」と突き飛ばして道を開けた。迫力があつた。大阪のをばはん並みか? 子供たちは屁も気にせず。 このとき私は「やらせ」はないわなと確信しました。 地下鉄乗車の感想のまとめ。 ・一般市民の視線はやはり怖い。こちらは特別待遇丸見えだしね。 ・一斉に乗り込んできた子供たちはマナーは悪いといへるが、日本の子供だつて、まあ、 似たやうなもの。むしろ生き生きと子供らしくて好感を持つた。 ・地下鉄は無駄。地上がガラガラなんだから地上の交通機関を充実させよ(非常時の防空壕 としての役割もあるらしいけどね)。 地上に出て、妙香山へと向ふことに。 |