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オトキチ日記

サーカス

北朝鮮旅行記4日目

サーカス


サーカス場へ。

団体客が大勢来てゐるやうだが、例によつて、私たちは正面入口から特別扱ひで入る。
が、中に入ると一般客と同じ観客席。
一般市民のやうすを観察したかつたので、これは嬉しかつた。

でも、よくよく観察すると私とキムさんが並んで坐つたのだが(李さんはどこへ行つたか行方不明のまま
だつた)、その列は外国人専用の列であつたやう。
椅子も他と変らず、目の前には一般市民が坐つてゐたんだけどね。
私の右隣はキムさん、左隣は3席くらゐ空きがあつてその向うは中国人観光客のやう。

と、その空いてゐた席に例の黒づくめの服に黒いサングラスといふ恰好の地元のをぢさんがぱつと坐つた。
係員(女)が飛んできた。(以下は朝鮮語のやりとりを例によつて推測)。
「そこは駄目よ、どいて」
「なんでだよ、空いてるだろが」
「駄目だつたら駄目なんだつてば。どきなさい!」
「なにが駄目だ」
「指示に従へ! どけ!」
かなりをぢさんは粘つてゐました。
係員(女)の言葉も相当にきつい感じだつた。

素直に言ふことは聞かないんだなあと意外に思つた。

さて、チマチョゴリ姿のをばさんが出てきて、オペラ歌手のやうによく通る声で開演を宣言。
中央に丸いプールがあり、シンクロから始まつた。
続いて、プールを使つたコントみたいなものがあつて、水面を渡つてきた天女の舞ひへ。
天女が天井近くまで舞ひ上がる間にプールの蓋がせり出してきて、そこが舞台に。
コミック手品、コントのあと、綱渡り、空中ブランコなどなど。

と、一気に紹介すると上記のやうな演目だつたのですが、いやあ、素晴らしかつた!
シンクロにしても、長い棒の上に花籠を載せて、それを口で咥へてシンクロする。
最後には天井からの輪につかまつてそのまま上空に消えて行つた。
大したもんだわ。
音楽は生伴奏。
天女の舞ひには見とれた。

かういふものをやらせたら共産主義国家は強いね。

コミック手品は手品自体はマギー司郎かゼンジー北京かといふものだつたが、をぢさん2人の掛け合ひで
面白かつた。観客を招き入れてのコントもいい出来。

空中ブランコはどこぞの大会で金賞を取つたものとのこと。
さう言はれなくても普通に凄いのだが、「世界の**大会で**賞を取つた」といふのを自慢するのが好き
なんだねえ。
かういふところは田舎者の感覚と思ふ。

素直に楽しみ、素直に拍手。
が、最初バラバラとした拍手がすぐに、パン、パン、パン、パン、とリズムを刻むのね。
これは党大会とやらのニュースで見る拍手のリズムと同じで、なるほど共産主義国家流の拍手だと思つた次第。

「写真はどんどん撮つてください」とキムさん。
「フラッシュもいいのですか?」
「構ひません」
と言はれたのだが、フラッシュは逆効果のやうで、フラッシュなしで撮影した。
でもあまり上手く撮れませんでしたが、折角ですのでアップを。


シンクロ

<シンクロ。花籠が載つた長い棒を口で咥へて泳いでゐる>


天女

<水面を舞ふ天女>


空中ブランコ

<空中ブランコ。あとで聞くと失敗もあつたやうだつたが、観てゐるときはわからなかつた>


観客席

<観客席。すり鉢状の席が舞台を三方から囲む。軍人さんもたくさん(観客の1/5くらゐ?)来てゐて、ひと
かたまりに陣取つてゐた>

フィナーレ

<フィナーレです>


1時間半で終了。

観客が一斉に退出。

ここで後ろを見ると私の後方に女性の軍人さんが立つてゐた。
見物してゐたふうではなく明らかに警護のお役目中。
ほかに警護の軍人がゐたのか、見物中は気付かなかつた。
察するに「外国人用お席」なので特別に警護してゐたのだらうと思つた。

出口は押し合ひへし合ひ状態。
このときばかりは一般市民とスキンシップと相成つた。
キムさんとも離れてしまつた。

が、出口を出ると李さんが待つてゐた。

遅れてキムさんが出てきたが、人ごみのなかでなにか叫んでゐる。
これも朝鮮語を推測すると、
キムさん「なによ、馬鹿! ふざけないでよ!」
李さん「どうした?」
キムさん「触つてくるのよ! もお、信じられない!」
李さん「わざとぢやないだろ?」
キムさん「汚れるぢやないの! あの親父!」

こんな感じだつたせうか?

ホテルに戻り、そのあとはアヒルの焼肉屋です。


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