国立劇場:新版歌祭文
今日は国立劇場で歌舞伎鑑賞教室「新版歌祭文」(AM11:00)を見てきました。午後にも台風が東京に最接近という状況だったせいもあってか3階席は6~7割程度の入り。歌舞伎のみかたは、松江丈による解説。今回も十二支を子から順に登場させての解説で内容がとても良かったですね。先代萩、忠臣蔵、吃又などの一部紹介があったりして、趣向としてとても良かった。松江丈も落ち着いた解説と時より冗談を交えてよかったですね。黒御簾の中を見せたのと、猪をお客さんに体験させたところなど、幕内をより身近に感じさせてくれる企画が良かったですね。国立の歌舞伎教室も以前のパターン化したものから随分変りましたね。さて、本編のほうは、福助がとってもいいですね。ずばり!当ってますね。前半のウキウキとした感じが外さず、役の中で生きているのがいいです。また、後半はうって変っての哀愁。表情が爽やかで清らかでそれが逆にとっても哀しく映っていました。この一座ではちょっと飛びぬけていましたね。お染は芝のぶ。福助と比べると華やかさに欠け、かつ小ぶりに見えてしまうのは、幹部役者との差があるゆえ仕方ないにしても、可愛らしさがありましたね。謙虚な一生懸命さが好感が持てました。久松は松江。2枚目で品のよさはあるのですが消極的な性格。久作は東蔵。まだまだ元気で老け役は早い?田舎の鄙びたイメージが欲しい。舞台が回ってからの土手の場は、両花道がやっぱり必須。観客席が川になる劇空間の面白さを初心者の方々には味わって欲しかったと思いました。国立を出ると、13:20分。台風接近中でしたが、雨は小康状態。足早に地下鉄出口へと向かいました。