ツグミの体重変化について
年明けに手賀沼沿岸の葦原で今まで観察した個体の中でもふっくらとした個体を目撃しました。鳥友からツグミの体重は飛来した頃はもっとほっそりとしている記憶があり、これから体脂肪を蓄積すると春には増加するとすると聞いている。どうなってしまうのだろうと質問をもらいました。文献を調べてみたところ、根拠がはっきりとしていない記述が多く見受けられ、渡来したばかりの頃の平均体重は50~55gほどで、渡去前には95~110gまで増えるといった解説などを見受けました。藤巻(1991)は、北海道帯広市周辺で行ってきた標識調査の結果を整理した結果を報告しています。それによると、ツグミの体重は渡来したころは65-88g、平均75gと述べています。その後、2月に平均77gで3月には平均73gに減少し、4月下旬には106g、5月には平均94.6gで,越冬時より明らかに重くなっていたと記しています。渡り前に体重が一旦減少するのは、昨年暮れにハジロカイツブリが渡りに出発する前の2-3週間、絶食し体重を減らし脚筋も縮小することと同様ではないかと考えています。つまり、ハジロカイツブリと同様に脂肪蓄積のために移動運動器官と筋肉を落として消化器官を発達させその後で消化器官を委縮させ渡りに必要な筋肉と心臓の力を増やしているものと思います。(引用)藤巻裕蔵.1991.帯広における標識結果.ツグミ・マミチャジナイ.日本標識協会誌.第2巻.第2号.p54-56.フランク・B・ギル.2007.鳥類学.p292.新樹社.(写真)1枚目:2023年1月20日手賀沼沿岸、2枚目:2023年1月20日我孫子市高野山、3枚目:飛来したばかりの個体、2010年12月18日柏市内、4枚目:渡去前の個体、2020年4月12日手賀沼沿岸で撮影