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テーマ:野鳥好きっ♪(16358)
そろそろ、カシラダカの姿を目撃する時期となります。 過日の読書会で鳥友たちと山階鳥類研究所著「足環をつけた鳥たちが教えてくれること」の中でメンバーの注目を集めたのが、尾崎(2024)が報告している「激減するカシラダカに何が起きている」でした。 1980年には標識調査で捕獲された67000羽のうち、カシラダカが18000羽(27%)を占めていたが、2017年には約4000羽と激減したと報告されています。また、北欧フィンランドとスウェーデン、日本の双方で1985年からの30年間に75~87%減少していることが判明したと記しています。 2017年以降は、山崎・平野(2023)が野鳥の個体数を調査している情報を使って分析したところ、個体数は有意に減少していると判定され、今もなお個体数は減少し続けている可能性があると指摘しています。また、その要因は、カシラダカの群れが越冬していた場所 の中には,草地が縮⼩し数も減少している場所もあると報告しています。 (手賀沼沿岸でのカシラダカ) 1972年から2024年の間の手賀沼と周辺地域におけるカシラダカの観察記録を振り返ると、 2001年1月28日降雪の影響で30羽の群れを観察した以外は10羽未満の観察であり、遊歩道脇にわずかに残されている水田環境がほとんどで採食環境が乏しいことを表していると言うことができます。 これに対して、隣接する茨城県菅生沼では2023年2月8日に250羽のカシラダカが葦原の中に降り立った光景を観察しています。また、上村(1989)が千葉県野田市と流山市の境にある調査地で約400羽のカシラダカを観察したと報告しています。 いずれも、カシラダカが草の種子を食べることができる環境と群れが退避できる林が残っており、手賀沼と周辺地域との違いとなっていると思われます。 (引用) 上村 孝.1989.越冬カシラダカ群中にみられる鳥.Strix第8巻.p292-293.日本野鳥の会. ⼭﨑優佑・平野敏明.2023.2023年冬⿃ウォッチ. https://www.bird-research.jp/1_katsudo/fuyudori/img/fuyudori2023.pdf 尾崎清明.2024.激減するカシラダカに何が起きている?. 足環をつけた鳥たちが教えてくれること.p100-103.山階鳥類研究所著.山と渓谷社. (写真) 一枚目:2016年12月18日手賀沼沿岸、二枚目:2018年1月28日野田市、 三枚目:2017年1月28日流山市撮影 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.11.07 18:59:02
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