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2024.12.13
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昨日成田市坂田ケ池で観察したミコアイサは雄が白く雌の頭が茶色い特徴的で、パンダガモと呼び親しまれていると探鳥会で説明を受けたことがある方が多いと思います。
鳥友から国内での繁殖はいつ頃観察されたのか、どんな環境が必要なのかについて質問をもらいました。
(主要の図鑑類での国内の繁殖、分布についての記載)
吉井(1988)が「日本では北海道で少数が繁殖するが大部分が冬鳥として渡来」桐原(2000)が「ユーラシア大陸亜寒帯で繁殖し(中略)日本では北海道で少数が繁殖」、
叶内(2011)が「冬鳥で北海道北部で少数が夏鳥」、氏原(2015)が「主に淡水域に冬鳥として飛来するほか北海道で少数が繁殖」、石田(2015)が「北海道では少数が繁殖する」と記しています。いずれもいつ繁殖が確認されたのかは、記載がありませんでした。
その後、文献を見ていくと、藤巻(2023)がサロベツ原野の鳥類の調査結果を報告している中に「1961年に稚咲内の砂丘で雌と幼鳥の家族群が観察され繁殖していることが確認された」とあり国内最初の繁殖記録と記されています。また、この報告により、日本産鳥類目録(第4版)まで冬鳥とされていたミコアイサが日本産鳥類目録(第5版)で北海道北部で繁殖とされるようになったと報告されています。
長谷部(2019)は、ミコアイサの繁殖に関する知見と調査結果を報告しています。
それによると、「1970年代までに北海道開発局や環境庁の調査で、複数つがいが確認されてきました。しかし、1980年代に行われた調査では1つがいしか確認されず、繁殖数の減少が懸念されていました」と述べています。
さらに、「2012年に北海道豊富町と幌延町の境界付近で親子が確認された後は、繁殖生態は明らかになっていませんでしたが、2019年に行われた調査で雛8羽連れの親子が発見」と記されています。
さらに、繁殖できる環境として、水位が低下していない砂丘林の沼とミコアイサの雛が外敵から身を隠すことができる岸辺のヨシ原が必須で、ミコアイサ親子が砂丘林で針広混交林に囲まれた狭い水域を好む傾向があるがあるのはそうした背景があることを示唆しています。
(引用)
吉井正.1988.コンサイス鳥名事典.p484.三省堂.
桐原政志.2000.日本の鳥550.水辺の鳥.p152.文一総合出版.
叶内拓哉.2011.日本の野鳥.p94.山と渓谷社.
石田光史.2015.野鳥図鑑.p57.ナツメ社.
長谷部 真.2019.サロベツ海岸砂丘林 世界南限のミコアイサ繁殖地.
Bird Research Water Bird News.2019年12月.
藤巻裕蔵.2023.サロベツ原野の鳥類・1961年
利尻研究第42巻.p01-04.利尻町立博物館研究紀要.
(写真)
成鳥雄:2021年2月7日茨城県神栖市
成鳥雌:2013年2月1日茨城県神栖市
雄エクリプス:2019年12月21日茨城県菅生沼











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最終更新日  2024.12.13 13:52:02
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