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テーマ:野鳥好きっ♪(16655)
昨日1月18日茨城県神栖市神之池でサカツラガンの家禽化個体を2羽観察しました。 鳥友から家禽化したガン類のルーツについて質問をもらいました。 従来は、ルーツは約3500年前のエジプトに端を発するとされてきましたが、近年の調査によりガン類の家禽化個体のルーツは約7000年前にあったことが判明しています。 (1)日本の家禽 日本の代表的な家禽は、カモ科のアヒルとガチョウです。 アヒルはマガモを、ガチョウはサカツラガン、ハイイロガンを家禽化したものです。 (2)家禽のルーツについて 北海道大学ほか(2022)は、7000年前の中国長江下流域の遺跡から出土したガン類の骨を調査し結果を報告しています。「組織学的分析によってガン類の骨には越冬地に渡ってきたものとは考えにくい幼鳥の骨が含まれ(中略)成鳥にも渡りを経験していないと考えられる個体が含まれることがわかりました。また、在地性のガン類は渡りをしていたガン類とは異なる食性をしていたことがわかりました」と報告しています。 江田ほか(2022)は、「約7000年前にガン類が飼育されており家禽化の初期段階にあった」と結論づけています。 上記により、家禽化されたガン類の歴史が約3500年前のエジプトに端を発すると考えられてきたが、従来の考え方を大幅に遡りガン類の歴史がよリ長かったことを示していると結んでいます。 (サカツラガン家禽化個体) 神之池で観察した個体は、頭から頸まで色がはっきり分かれていました。 嘴基部にこぷ状の出っ張りがあり、嘴の色は一羽が真っ黒、別の一羽は黒い部分が多いが基部に黄色がありました。 野生のサカツラガンは嘴は黒く、基部の羽毛は細い白帯となっていますが、帰還化個体にはこれらの特徴はありません。 (ハイイロガン家禽化個体) 全体に灰色味があることと下面にも灰色味があり、脇に縞模様がありました。 (若鳥では脇に縞模様がないことから成鳥と思われました) 野生のハイイロガンは嘴と足はピンク色ですが、家禽化個体では一羽は野生のものと同様に嘴、足はピンク色、もう一羽は嘴のベースが黄色で黒く汚れたように見えました。 (引用) 北海道大学・筑波大学・東京大学.2022.プレースリリース. 世界最古の家禽はガチョウ. 約7000年前の中国の遺跡からガン類の家禽化の証拠を複数発見.pp5. (写真) 一枚目、二枚目:サカツラガン家禽化個体、2025年1月18日茨城県神栖市神之池 三枚目、四枚目:ハイイロガン家禽化個体、2024年10月31日茨城県常総市菅生沼 ![]() ![]() ![]() ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2025.01.19 17:49:19
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