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テーマ:野鳥好きっ♪(16852)
春一番ではないかと思われる強風が抜き抜ける朝となりました。 さて、そろそろウグイスの初鳴き(*)が観察される時期を迎えます。 最近は、地球温暖化でウグイスの初鳴きが早くなっているとしている方の存在がある一方 上田(2023)が「1953年から蓄積されている生物季節の古いデータの中で、1950〜1970年代の宮古島や先島諸島(石垣島、西表島)のウグイスの初鳴きデータを見ると、1月や2月の記録がほとんどです。1980年代になって、3月の記録が混じるようになり、2000年代になるとほとんど3月の記録です。先日、知人からなぜこれらの島の古いデータでは初鳴きが早かったのかと聞かれました。いろいろ考えてみたのですが、結局、納得できる説明は見つかりませんでした」というコメントも存在しています。 全国的なウグイスの初鳴き前線、千葉県での初鳴き日、千葉県柏市での初鳴き日の推移に注目してデータを鳥瞰してみます。 (ウグイスの初鳴き前線) 気象庁(2010)は、ウグイスの初鳴きについて「2月下旬に九州地方、四国地方の一部や関東地方の一部で始まります。3月10日には中国地方、四国地方、近畿地方、東海地方、関東地方、東北地方南部太平洋側を結ぶ地域、3月20日に北陸地方北部から東北地方太平洋側を結ぶ地域に達します。その後、東北地方を北上し4月下旬に北海道地方に達します」と述べ、初鳴きが日本列島を北上していく旨を報告しています。 (温暖化と千葉県での初鳴き日) 気象庁は、「2000年前後から2010年代前半にかけて世界の平均気温上昇は停滞しましたが、その後は急激に上昇し、2016年から2020年の5年間は、1850年以降で最も高くなったとみられています」と報告しています。 気象庁生物季節観測データのうち千葉県(観測地点銚子)の2016年から2020年の5年間の初鳴き日に注目してみます。すると、2016年2/28、2017年3/5、2018年3/11、2019年3/1、2020年2/25という結果で、変動を繰り返していますが、早くなっているとは断言できません。 なお、気象庁が公表している1953年から2020年の生物季節観測データのうち、千葉県(調査地点は銚子市)では、最も早かった年は1972年1月12日、最も遅かった年は2014年3月17日でした。 (千葉県柏市での初鳴き日) 1998年から2024年の間の千葉県柏市での初鳴き日を整理すると次の通りです。 1998/4/4、1999/3/28、2001/1/28、2002/3/10、2003/2/9、2004/2/25、2005/3/1、 2006/2/19、2007/2/25、2008/3/17、2009/2/11、2010/3/20、2011/3/30、2012/3/14、 2013/3/4、2014/3/19、2015/3/15、2016/03/6、2017/03/2、2018/3/11、2019/3/31、 2020/3/16、2021/3/1、2022/3/15、2023/2/19、2024/3/27 最も早かったのは2001年1/28、最も遅かったのは1998年4/4という結果でした。 1月に記録されたのが2001年、2月に記録されたのが2003年、2004年、2006年、2007年、 2009年、2023年、3月に記録されたのが1999年、2002年、2005年、2008年、2010年、 2011年、2012年、2013年、2014年、2015年、2016年、2017年、2018年、2019年、 2020年、2021年、2022年、2024年でした。26年間のうち、3月に記録された年が18年あり、気象庁が平均気温が1850年以降で最も高くなったと評している2016年から2020年に着目すると3月に初鳴きを記録することが多くなっています。 (*)初鳴日は、春にうぐいすが「ホーホケキョ」とさえずるのを初めて聞いた日 (引用) 気象庁.2010.うぐいすの初鳴日 www.data.jma.go.jp/sakura/data/uguisu2010.pdf 気象庁.生物季節観測累年表. https://www.data.jma.go.jp/sakura/ 気象庁.地球温暖化と十年規模変動 https://www.data.jma.go.jp/kaiyou/db/mar_env/knowledge/ohc/hiatus.html (写真) 2022年2月4日都内水元公園で撮影 ![]() ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2025.02.13 11:36:19
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