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テーマ:野鳥好きっ♪(16903)
埼玉県の鳥友からヒバリの初鳴き日の推移について質問をもらいました。 研究報告で埼玉県松伏町でのヒバリの初鳴き日は2月の気温が高いほど鳴き始めるのが早くなっているとの内容を目にしたので、隣接する千葉県ではどうかとのことでした。 (松伏町でのヒバリの初鳴き) 尾上(2020)は、埼玉県松伏町松伏総合公園を中心に調査を行い、2015年からの5年ないし6年間の鳥の初鳴きや渡り鳥の初観測日の推移を気温と比較し報告しています。 初鳴日は、2015年2/28、2016年2/6、2017年2/4、2018年3/3、2019年2/4、2020年2/14だったと記しています。 さらに、「ツバメ初見日、ヒバリ初鳴日、モズ初鳴日は5年ないし6年間で早期化する傾向が認められ(中略)年平均気温は5年間で上昇傾向がみられた」 「年間のヒバリの初鳴日と2月の平均気温には強い負の相関が認められる。このことから、2月の平均気温が高いほどヒバリが鳴き始めるのが早くなっている」と述べています。 (千葉県北西部の手賀沼とその周辺地域でのヒバリの初鳴き日) 2001年から2024年のヒバリの初鳴き日を整理すると、つぎの通りです。 2001/2/11(1)、2002/2/10(1)、2003/2/10(1)、2004/2/11(1)、2005/3/13(1)、 2006/2/11(1)、2007/1/4(1)、2008/3/9(1)、2009/2/22(3)、2010/2/21(1)、 2011/3/20(2)、2012/3/14(1)、2013/2/10(2)、2014/4/20(1)、2015/2/22(1)、 2016/1/1(2)、2017/5/4(2)、2018/3/12(2)、2019/5/11(2)、2020/2/24(1)、 2021/3/1(1)、2022/2/26(1)、2023/2/28(1)、2024/2/26(1) 日付に注目してみると、最も早い年は2016年1/1で、最も遅かったのは2019/5/11でした。 次に月に注目してみると、1月2件、2月13件、3月6件、4月1件、5月2件でした。 (埼玉県松伏町と千葉県北西部でのヒバリの初鳴き日の違い) ヒバリは、佐々木(2008)が報告しているように、草原、麦畑、桑畑、河原などに多く、 樹林地を避け、建築物も忌避すると考えられています。 松伏町総合公園は、建築物はごく僅かで、面積26.5haのうち、広場ゾーン(疎林広場、芝生広場、野原)が6.5haでヒバリの生息適地となっているものと思われます。 これに対して、千葉県北西部の手賀沼とその周辺地域では、樹林地や建築物の割合も多いことからヒバリの生息適地が分断されていることや草丈の高い環境などが相まって初鳴き日が遅いのではないかと思います。 (引用) 尾上 愛実.2020.気温変化が野鳥に与える影響. 中央大学第20回高校生地球環境論文賞報告.pp7. (写真) 2015年6月6日、2011年6月12日いずれも手賀沼沿岸で撮影 ![]() ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2025.03.01 10:17:09
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