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花鳥いろいろ(四季の野鳥たちとの出会い)のブログ

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2025.03.05
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昨日、埼玉県吉川市吉川美南の調整池の草地で雄キジ5羽を観察しました。
1度だけ2羽が一瞬にらみ合う姿があった以外は、さえずりも争いもなく餌探しに集中していた旨を報告しました。冬にはなわばりの存在はないのかと生態についていくつかの文献を調べてみました。
(キジのなわばり存在)
雄キジは、縄張り争いでにらみ合い、飛び上がり蹴りあったりする光景を見かけるのでなわばり制があることを前提に我々は観察をしているように思います。
ところが、丸(1988)が研究者による報告文献を紹介し「キジ属(馴asjanus)は一般になわばり制がある、という同意があり、その同意に基づいて研究や議論がなされてはいるが防衛行動のようななわばりの存在を明らかにする証拠が示されているわけではない」と指摘しています。
(キジの囀りの意味)
くわえて、丸(1988)が長野県軽井沢および東京都式根島での繁殖期の雄キジについて、興味深い報告をしています。ケーンケーンという鳴き声はソングシーズンの間は大きく変わらないのに、ヒナの観察され始めた時期には減少し始め、鳴き声を発していた時期は交尾期にだけ出されていたものだったと記しています。
さらに、雄同士が拮抗したとき行動は2つのタイプがあり、1つはエリアの境界で相互に争いを行なうもので、「ソングエリア」の占有者と侵入者の間にみられるもの、もうひとつは威嚇行動と逃走行動がともなったものと述べています。
このほか、軽井沢および式根島のいずれでも明らかになわばりを持たない雄が存在していた点もあわせて報告しています。
(雄キジのさえずりと繁殖行動)
林(2002)は、神奈川県横浜市でキジを調査した結果をつぎのように報告しています。
「雄キジのさえずり頻度の日間変化を見ると、日の出30分前から日の出4時間30分後まで5時間の1時間あたりの平均さえずり回数は13.7回以上で、それ以降の時刻の7.3回以下と著しい差がある。これは雄キジが早朝5時間のあいだに活発に雌を誘い,ほかの雄に対して自己の存在を示しているものと考えられる」、「雌同伴行動時のさえずりは、その回数が単独行動時に比べて14%に減少した。これは「雌の誘引」の必要性が低下したためと考えられる。この時のさえずりはほかの雄に対する自己の存在を示す「なわばりの防衛」の機能が強くなっているのではないかと推測される」と記されています。
雄キジのさえずりは、雌誘引の必要性が低下すると減少し、雌同伴時にはなわばり防衛の機能が強くなっていたと述べています。
(冬に雄キジが群れとなっていた件)
吉川美南で観察した同じ草地を雄キジ5羽が行動していた点は、冬にはなわばり制を持たないのか、餌の物色が最優先の時期には相互に争わないのかとも思いました。
これからの観察で注目したいと思います。
(引用)
丸武志.1988.キジのなわばりの特徴.Strix第7巻.p149-158.日本野鳥の会.
林暁央.2002.雄キジのさえずりと繁殖行動.Strix.第20巻.p31-38.日本野鳥の会.
(写真)
2020年5月17日手賀沼沿岸、2021年4月11日手賀沼沿岸、2018年4月29日手賀沼沿岸で撮影














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最終更新日  2025.03.05 13:56:43
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